高知県議会 > 2012-03-02 >
03月02日-05号

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  1. 高知県議会 2012-03-02
    03月02日-05号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成24年  2月 定例会(第316回)        平成24年3月2日(金曜日) 開議第5日---------------------------------------出席議員       1番  金子繁昌君       2番  加藤 漠君       3番  川井喜久博君       4番  坂本孝幸君       5番  西内 健君       6番  西内隆純君       7番  弘田兼一君       8番  明神健夫君       9番  依光晃一郎君       10番  梶原大介君       11番  桑名龍吾君       12番  佐竹紀夫君       13番  中西 哲君       14番  三石文隆君       15番  森田英二君       16番  武石利彦君       17番  浜田英宏君       18番  樋口秀洋君       19番  溝渕健夫君       20番  土森正典君       21番  西森潮三君       22番  西岡寅八郎君       23番  清藤真司君       24番  ふぁーまー土居君       25番  横山浩一君       26番  上田周五君       27番  中内桂郎君       28番  西森雅和君       29番  黒岩正好君       30番  池脇純一君       31番  高橋 徹君       32番  大石 宗君       33番  坂本茂雄君       34番  田村輝雄君       35番  岡本和也君       36番  中根佐知君       37番  吉良富彦君       38番  米田 稔君       39番  塚地佐智君欠席議員       なし---------------------------------------説明のため出席した者  知事       尾崎正直君  副知事      岩城孝章君  総務部長     恩田 馨君  危機管理部長   森部慎之助君  健康政策部長   入福聖一君  地域福祉部長   小田切泰禎君  文化生活部長   大崎富夫君  産業振興           中澤一眞君  推進部長  理事(交通           片岡万知雄君  運輸政策担当)  商工労働部長   高松清之君  観光振興部長   久保博孝君  農業振興部長   杉本雅敏君  林業振興・           田村壮児君  環境部長  水産振興部長   東 好男君  土木部長     石井一生君  会計管理者    吉田眞里君  公営企業局長   安岡俊作君  教育委員長    小島一久君  教育長      中澤卓史君  人事委員長    山本俊二郎君  人事委員会           隅田 明君  事務局長  公安委員長    近森正幸君  警察本部長    加藤晃久君  代表監査委員   朝日満夫君  監査委員           中島佳代子君  事務局長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長     鍵山和司君  事務局次長    浜口真人君  議事課長     橋田博之君  政務調査課長   池本佐一君  議事課長補佐   山名正純君  主任       森沢 麻君  主事       村岡高志君---------------------------------------議事日程(第5号)   平成24年3月2日午前10時開議第1 第1号 平成24年度高知県一般会計予算 第2号 平成24年度高知県給与等集中管理特別会計予算 第3号 平成24年度高知県旅費集中管理特別会計予算 第4号 平成24年度高知県用品等調達特別会計予算 第5号 平成24年度高知県会計事務集中管理特別会計予算 第6号 平成24年度高知県県債管理特別会計予算 第7号 平成24年度高知県土地取得事業特別会計予算 第8号 平成24年度高知県災害救助基金特別会計予算 第9号 平成24年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計予算 第10号 平成24年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計予算 第11号 平成24年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計予算 第12号 平成24年度高知県農業改良資金助成事業特別会計予算 第13号 平成24年度高知県県営林事業特別会計予算 第14号 平成24年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計予算 第15号 平成24年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算 第16号 平成24年度高知県流域下水道事業特別会計予算 第17号 平成24年度高知県港湾整備事業特別会計予算 第18号 平成24年度高知県高等学校等奨学金特別会計予算 第19号 平成24年度高知県電気事業会計予算 第20号 平成24年度高知県工業用水道事業会計予算 第21号 平成24年度高知県病院事業会計予算 第22号 平成23年度高知県一般会計補正予算 第23号 平成23年度高知県旅費集中管理特別会計補正予算 第24号 平成23年度高知県用品等調達特別会計補正予算 第25号 平成23年度高知県会計事務集中管理特別会計補正予算 第26号 平成23年度高知県県債管理特別会計補正予算 第27号 平成23年度高知県災害救助基金特別会計補正予算 第28号 平成23年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計補正予算 第29号 平成23年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算 第30号 平成23年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第31号 平成23年度高知県農業改良資金助成事業特別会計補正予算 第32号 平成23年度高知県県営林事業特別会計補正予算 第33号 平成23年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計補正予算 第34号 平成23年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算 第35号 平成23年度高知県港湾整備事業特別会計補正予算 第36号 平成23年度高知県高等学校等奨学金特別会計補正予算 第37号 平成23年度高知県電気事業会計補正予算 第38号 平成23年度高知県工業用水道事業会計補正予算 第39号 平成23年度高知県病院事業会計補正予算 第40号 予算の執行に関する知事の調査等の対象となる法人を定める条例議案 第41号 知事等及び職員の給料等の特例に関する条例議案 第42号 高知県税条例の一部を改正する条例議案 第43号 高知県の事務処理の特例に関する条例等の一部を改正する条例議案 第44号 高知県統計調査条例等の一部を改正する条例議案 第45号 高知県国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例議案 第46号 高知県動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第47号 高知県介護福祉士等修学資金貸与条例の一部を改正する条例議案 第48号 高知県介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例議案 第49号 高知県介護保険法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第50号 高知県介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 第51号 高知県介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 第52号 高知県立療育福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第53号 高知県障害者介護給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例議案 第54号 高知県障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 第55号 高知県社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 第56号 高知県消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例議案 第57号 高知県高校生修学支援基金条例の一部を改正する条例議案 第58号 高知県立高等技術学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第59号 高知県緊急雇用創出臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 第60号 高知県ふるさと雇用再生特別基金条例の一部を改正する条例議案 第61号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第62号 高知県家畜保健衛生所条例及び高知県収入証紙条例の一部を改正する条例議案 第63号 高知県森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例議案 第64号 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 第65号 高知県営住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第66号 高知県港湾施設管理条例の一部を改正する条例議案 第67号 高知県特別会計設置条例の一部を改正する条例議案 第68号 高知県公営企業の設置等に関する条例及び高知県工業用水道条例の一部を改正する条例議案 第69号 公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第70号 高知県認定こども園条例の一部を改正する条例議案 第71号 高知県立図書館協議会条例の一部を改正する条例議案 第72号 警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第73号 高知県警察の設置及び定員に関する条例の一部を改正する条例議案 第74号 高知県警察手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第75号 高知県風致地区内における建築等の規制に関する条例を廃止する条例議案 第76号 全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更に関する議案 第77号 西日本宝くじ事務協議会規約の一部の変更に関する議案 第78号 高知県立交通安全こどもセンターの指定管理者の指定に関する議案 第79号 県有財産(高知県宿毛湾港工業流通団地事業用地)の取得に関する議案 第80号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第81号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第82号 県が行う土木その他の建設事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第83号 包括外部監査契約の締結に関する議案 第84号 (仮称)香南工業団地団地造成工事請負契約の締結に関する議案 第85号 安芸総合庁舎建替建築主体工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 第86号 県道の路線の認定に関する議案第2 一般質問   (3人)---------------------------------------   午前10時開議 ○議長(中西哲君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(中西哲君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、第1号「平成24年度高知県一般会計予算」から第86号「県道の路線の認定に関する議案」まで、以上86件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 18番樋口秀洋君。   (18番樋口秀洋君登壇) ◆18番(樋口秀洋君) おはようございます。きょうの質問は知事がちょっとカラー化するような質問もあるかもわかりませんが、議員は議員でどうすれば県民が幸せになるかという観点で発言しますので、よろしくお願いします。 まず、県の産業振興計画の光と影を指摘したい。過疎集落の産業振興というアクションプランが安芸市で賛同を得られず、昨年9月中止となった。狭い集落では反対派が回れば過半数が反対、推進派が問えば賛成が過半数を超した。色分けされると小集落では生きていけない住民の悲しい反応だった。地域の融和に揺れる心が、産業振興一直線に走る行政にはわからなかった。幾重にも折り重ねられた地域のつながりを、一方的な幸福論を押しつける行政ブルドーザーがバリバリと壊していった。県庁から見た雇用確保と所得向上という温かい思いやりのこのプランは、この過疎集落には迷惑なやり方だった。過疎問題の解決はもちろん産業振興が重要だが、それで解決に向かうものではない。住民が前向きに受け入れてこそ、地域の結束力が高まり金銭に負けない幸せの指数が上がる。重ねて言うが、市町村が受け入れてではない、中止後も市は地域にとって重要だと未練を見せる。 私は調査を重ね、反対派が圧倒的、地域の和を壊さないでくれと県議会などで訴えた。その後も地元では説明会が開かれたが、やはり大多数が反対だった。県も市も実績づくりに未練を見せる、だから地域は割れる、そのひびは市内外の関係者にまで広がった。仲のよかった集落が、今賛成と反対の2つのグループに複雑に割れ、疑心暗鬼になったように思える。このような産振計画は、本当に地域のためになるのか、県民の幸福度を高める政策なのか。県内ではほかにも、市町村からの要望との理由で一方的な押しつけがあるのではないか。かつて、燃料革命や高度経済成長政策で全国の山に仕事がなくなり、日本各地で一気に過疎が進行した。発展要因から見放された高知県は、全国トップ級の限界過疎地域、高齢率先進県となり、永遠の県政の最重要テーマとなった。 当時、高知新聞記者だった私たちは、どうすれば地域が過疎を乗り越えられるのか、地域の誇りと充足感にこそ幸福があるのではないか、つまり心の過疎をテーマに、平成3年に過疎問題対策チームを組み、取材に当たった。問題提起が評価され、日本新聞協会賞の有力候補作となり出版社からルポ大賞もいただいた。それから20年、社会構造も当時とは大きく変わったが、その本質の幸福論は、人が人である限り変わっていないと思う。知事は産振計画で、必死に県勢の浮揚に当たる。一方で、地域の歴史と過疎集落に住む人々のつながり、さらにはマインドをどれだけ産振計画に取り入れてきたのかと思う。地域と住民の結びつきという過疎集落の調和ある発展に、どれだけ政策提案してきたのか。かつて国は高度経済成長に走り、公害、過疎など多くの地域問題が派生した。本県のシステム化された産振計画はすばらしい実績を上げているが、産業振興に偏った国のかつての高度経済成長政策の地域版になってほしくないのである。 私たちが「心の過疎」で訴えた、過疎集落での生活には所得に負けないほど大切な地域の宝物があるという過疎集落の幸福論と、知事の描く所得向上の過疎集落の幸福論とではどのように考えが違うのか、お聞きしたい。 また、産振計画には経済効果が目標にされている。それは、県民には重要だが、この産業が振興されると地域または過疎地域の幸福指数にどのようなプラスとマイナスの効果があるのか、所得向上だけでなく、地域の結びつきや幸福度など言ってみれば心の産業振興計画を評価項目に入れる考えはないのか。過疎問題の原点は、人が生きるとは何か、である。これらの点を知事にお聞きしたい。 ただ、残念だが、すべての過疎地域の解決策はない。また、市町村の要望をそのまま聞くと、結局、廃屋集落になるおそれもある。そこで、行政が悩み考え、集落とともに解決策を発案して、住民も団結し10年後にも生き残れる見通しの集落には手厚い支援を行い、生き残りが厳しい集落は過度の予算を入れない過疎集落版トリアージが必要となってくる。血の通わない冷たい行政のようだが、それこそ県内どこにも広がる瀕死寸前の過疎集落を、何とか生き残らせる現実的な手法ではないか。 燃える知事だからこそ、本県の過疎集落を生き残らせるためにも、思い切った過疎トリアージを行ってほしい。その冷酷な決断は、本県のトップの知事にこそ与えられた使命ではないかと思うが、どうか。 次、本県の産振計画は小グループや零細会社への小出し支援が目立ちます。それはそれで成功していますが、雇用の多くは不安定なものです。本県発展の基本である活力ピラミッドを構成するには、まず若者が地元定着できる安定した雇用システムが最大テーマです。ただ、県内には製造業、卸業、製紙など中堅会社がある。 大卒や高卒のしっかりした雇用の受け皿となる経営に強みを持った中堅を、全国的な大手に育てる県内企業の上場化方向にシフトする考えはないのか。 優秀な若者が地元就職するには相当規模の会社が必要だ。一例だが、県内の社会福祉法人の県外進出割合は、全国平均の約3倍の5.17%で全国トップ、老人県で磨いた比較的強い分野の支援も重要ではないか、副知事にお聞きする。 さて、県は所得アップを政策とするが、現実は逆に県外資本の相次ぐ進出でダウンする。高知市の幹線道路沿いは県外外食街道になった。神戸市のうどんチェーン店は次々展開、最大手の県外すしチェーン店は2社が一気に5店舗に増殖、地元外食産業、零細食品製造業は干上がる。県は、本県の食べ物は全国一と誇るが、なぜ外食街道になったか分析と対策をしたのか。零細な地元外食産業に方向明示と支援をしたのか。商工会議所の適切な支援はあったか。地元金融機関は必要なときに適切な融資をしたのか。 県関連では、県警察の飲料水自動販売機、昨年の契約見直しで県外大手が独占。地元への配慮はどうか、入札条件で付録の求め過ぎでないか。 県立2病院の給食関連でも地元取引業者10社が1社に、地元野菜使用目標率も60%と低い、この現状をどう思うか。 県立病院内の売店が全国チェーン店をどう思うか。 地元零細商店は、最後のとりでの公的支え棒がなくなり崩れるようにダウンする。かくして、高知市内の中堅会社は県外大手に負け、県内市町村の零細商店は高知市の中堅会社に負け地方は寂れる。そして、合理性の追求で県みずからが買い物難民をつくる。さらに、商工会議所や商工会へ10年間で130億円もの人件費を補助したが、その間県内で25%もの店舗が閉じた。そのリーダークラスや経営指導員、それに県地域支援企画員などの対応に問題はないのか。 コストは重要だが、地元資本がつぶれていけば、何のための、だれのための県政かわからない。県民のための県政を志向するほど、県民のための県政にならない結果となる。以上を副知事、商工労働部長、公営企業局長、産業振興推進部長、警察本部長にお聞きする。 平成24年度からの産振計画第2弾は、10年後の目標数値を設定、本県の経済の底上げにかける知事の決意がにじむ。この種の政策は日本各地にあり、青森県は三村申吾知事なのに、1次産品加工品を青森の正直ブランドで売る。本県産品に高知の正直と銘打って全国ヒットを連打すると、知事は全国区の国会議員になれると思いました。 以前も、1次産品加工の県産品ブランド化政策などがあり、平成7年から高知県中山間総合対策本部も続く。この似た政策はこれまで実績がなかったのか、反省点はどこか。 ただ、県民経済は石油情勢一つで赤黒転換する。世界経済の動きも入れ、人口減の中、マイナス予測も打ち出す本音の計画が今回なぜ示せなかったのか。 24年度の高知県産業振興推進総合支援事業費補助金に平均執行率を当てると、執行見込みはわずか4億円。成果も多いが、市町村が主体程度の予算までスケールダウンが進む。予算執行額より地域発展に全力をかけたワンランク上の投資内容で評価すべきではないか。十分な財務体質の会社や団体に補助、また100万円以下の小口補助が本当に必要か、以上、副知事にお聞きしたい。 さて、産振計画の準目玉クラスの一部を農業振興部長、林業振興・環境部長、水産振興部長にお聞きする。あえて歴史は繰り返すと指摘したい。 新産振計画は高付加価値化で農家所得向上など目指す。また、国への平成23年の農業施策に関する政策提言も高付加価値化を重点とする。しかし、7年前の平成16年7月県議会、私の質問に同様の答弁がある。この間どれだけ所得向上の高付加価値化ができたのか。 17年前、平成7年ですが、私は農産物の高付加価値化は機能性を売り物にせよと質問した。ショウガはメディアなどの大PRでブレークした。ナスやミョウガなどの結果はどうか。 10年前、低価格園芸ハウスを県が開発中と答弁したが、コストで失敗した。また、今回挑戦するミニオランダ型の軒高ハウスは、コストと県内農家の体力とのバランスをどこまで追求でき、県内普及ができるのか。 4年前、県産野菜の輸出に取り組めと指摘すると、輸出には多くの課題があると答えた。今でもその答弁か。 同じく全国トップの天敵栽培を付加価値化して単価アップを指摘したが、アップしたのか。 3年前、工場野菜の時代が近いと指摘すると、当分の間主流にならないと答えたが、その後全国で飛躍的に伸びた。愛媛県西条市までが農業革新都市を宣言、工場野菜を目指す。県の政策はおくれていないか。 2年前、中山間対策の老朽水路改修などを指摘した。中山間対策が目玉なら、今回相当な対策をすべきだ。 次は、林業振興・環境部のバイオマスボイラー事業、産振で補助した県地場産大賞の木質ペレット製造機の性能は順調か。ボイラーは一部で問題がなかったか。高額ボイラーの普及は全額か高率補助でないととても困難である。 そして、水産振興部のキンメダイ、私が3年前に指摘した地元ルール違反の深海はえ縄漁、稚魚までとると聞く。その物証を漁民が県に示したが、どうなったか。平成12年に約2,000トンの漁獲量が、この3年間平均60%も激減、乱獲ではないか。ブランドを守るため、県条例など適切な保護をすべきでないか。これ以上は時間切れになるのでやめます。 さて、本県の農業環境は日本トップの指数が並ぶ。1次産業立県を振興する政策で、国に採用された日本を代表するような先進モデル事業はあるのか。 就農人口の激減は本県の1次産業経済を揺るがす。老人二期作就業をテーマに発信できないか。農業振興部長にお聞きする。 また、日本一の健康長寿県構想にも、老人再就業で健康と経済を守るの視点が欠けているのではないか。これは地域福祉部長にお聞きする。 TPPなどの国際ルールも発信国に主導権が生まれ、数学工学なる理論を生んだ発信国の民間会社が世界経済を翻弄する。日本トップ級だった土佐の伝統漁業のマグロ、捕鯨、サンゴは世界のスタンダードに敗北。本県の1次産業がいつ変なスタンダードで攻められ、思わぬ方向から崩壊するかもわかりません。日本トップ級の指数をベースに、日本や世界に向けたスタンダードを提案する課題提案県を目指し、高知県が基準づくりに挑戦する意向はおありでしょうか。ここは知事にお聞きします。 日本トップ級の本県天然エネルギーを県勢発展に生かし、県民生活を豊かにすることが県議会と県の仕事であります。昨年の8月の産業経済委員会、メガソーラーを、委員が全国と比べ高知県はおくれていないかと指摘すると、県は四国4県を例に挙げ、おくれていないと答えた。私はこの答弁に驚きました。そもそも先端産業での比較は世界とすべきで、いや少なくとも日本全国とすべきです。それを四国で比較しておくれていないと答弁する役人に、ビッグプロジェクトを担当してほしくありません。私は5年前から県議会で3回、県内への誘致を切望した。橋本前知事は平成19年、県議会で支援の可能性を考えたい。また、尾崎知事も20年、一生懸命やりたい、21年も前向きに取り組みたいだった。この数年間、他県は国のモデル事業や電力会社などの誘致で実績を伸ばしました。5年も県議会で前向き答弁があるのに、他県より先行していないことは、日本語でおくれていると表現するものです。 いよいよ24年度から国の再生可能エネルギーの全量の買い取り制度が始まり、全国でメガソーラーへの大型投資が一気に始まるのに、24年度の県の関連補助予算は、産振計画の鶏小屋増設補助金程度の2,000万円です。ここ3から5年の全国でのメガソーラー投資総額は1兆円と言われます。県は本気で日本トップ級の資源を活用して県勢浮揚を図る気があるのか。知事にお聞きする。 県がやる気がなくても、本県の自然条件を評価する企業はあります。外資系の業界トップ級企業が、安芸市に四国最大のメガソーラーを建設したいとの意向で動き始めました。妙見山の12から15ヘクタールの市有地に出力1万5,000キロワットで、投資額が30から35億円規模、建設を計画するのは外資系の世界トップクラスの太陽光発電会社と日本の大阪が本社のJCサービスの共同開発事業であります。そのJCサービスが、私と浜田英宏議員を通じて申し込んできた。先日、共同開発企業トップと現地視察に2回訪れましたが、高圧配線に3億円ほど要するほかは適地にふさわしいとの評価でした。ただ、50ヘクタールあれば理想だがとも話していました。現場は知事も昨年8月視察して御存じのところです。 このトップ級外資系企業は他の日本の大手企業とも組んで、この3年間で日本じゅうで3,000億円を投資、例のソフトバンクの5倍規模の合計100万キロワット以上のメガソーラー発電を早急に建設する計画だ。共同開発事業者は、高知県に広い土地さえあれば1カ所に100億円でも投じて規模拡大したいと意欲的だ。企業側は、安芸市が賛同すると即実現したい、地元経済が潤うように25%程度は地元発注したい、地元負担はゼロでスマートグリッドを提案して、災害時に安全な安芸市にしたいと話す。また、維持管理だけで安芸市には数十人の雇用もあるなど本気です。安芸市の受け入れ条件にもよるが、市の経済に相当なメリットがありそうです。もし順調にいけば、この6月には国への申請準備を完了したいと言います。 土地を所有する安芸市は、この外資系の7分の1程度の2,000キロワットのミニメガソーラーを、かねてから県外企業と建設する計画を進めており、突然有利な条件を次々と示す外資系超大手の出現に困惑しています。また、なぜか反対する市議もいます。このため、残念ながらこの四国最大のメガソーラー計画が他県に誘致される可能性も出てきました。 こうち再生可能エネルギー事業化検討協議会は、投資資金の当てもないのに地元資源は地元資本でと言う。このように世界的なメガソーラー会社が乗り出した場合、その原則が崩れるが、現実にそれを上回るメリットがある場合、県はこのビッグチャンスにどのように対処するのか。 30億円規模の大規模メガソーラー建設に県が補助を出すなら、24年度当初予算で対処できない。スピードが勝負だが、企業誘致補助で補正を組むのか、知事にお聞きしたい。 東北大津波は、最短でも25分の余裕があった。逃げると、ハードを徹底すれば死者は激減していた。知事の優しい思いは津波で県民を一人も失いたくないでしょう。そこで大胆に、県として全国初の津波死者ゼロ県宣言を打って出て、高い目標に最大限の努力を重ね、みんな助かってよかったと県民が喜び合える県づくりを実現する気はないのでしょうか。県も市町村も県民も、津波死者ゼロを決意すれば、意識と対策速度も上がり、ゼロは決して不可能ではありません。困難な事態を切り開くには、他人様に笑われようが、厳しい目標設定と強いリーダーシップが必要です。 さて、私は10年前から3回、県議会で巨大活断層直近に建設された四国電力伊方原子力発電所の甘い地震対策を、想定外を想定せよと本県への放射能被害を指摘しました。答弁は、地震には絶対安全と国と四国電力判断のオウム返しでした。そして福島原発で、県答弁で言うあり得ない地震被害です。県答弁のように国に素直なら、国へのあらゆる要望や声は要らない。国の数字と方針をそのままありがたく享受すればよいのです。 2月29日の県議会答弁では、放射能漏れに対して県民を守る対策を考えると答えたが、平成14年はあらゆる地震に耐える、18年は耐震安全性に問題がない、19年は最大規模の地震にも相当の余裕を持つと答弁してきて、どうしてこのように変わったのか。それなら、今までの私への答弁を訂正してほしい。これは危機管理部長に聞く。 県は、独自の視点や政策で県民の生命と財産を守る気がなかったとしか思えない。つまり、県は独自の危機管理をせよである。国と一部官僚と企業の体質に対して、高知県民の生命と安全と経済は、高知県が守らないとだれも守ってくれません。原発に限らず、県民の重大な安全にかかわる基準は、国の基準に追随せず、国基準より厳しい内容の県独自の判断と安全基準をつくるべきではないか。それが地方自治の独立性と地方分権につながると思うが、どうか。 次に、原子力行政に権限はないが、四国電力の5番大株主としての知事にお聞きする。高知市まで直線で120キロメートルの伊方原発のあり方をどのように判断、どのように発言するのか。 万一のときは、県所有の144億円相当の四電株の暴落が心配される。県民の資産管理の上でも、もっと安全な原発管理を求めるべきだ。以上、知事にお聞きする。 高知東部自動車道と安芸道路は、高知インターチェンジから安芸伊尾木インターチェンジまでの40キロメートル間、トイレなどの休憩所の計画がありません。この道路は命の道とともに、県東部への観光道路です。太平洋が一望できる安芸市の海岸段丘は展望もよく、位置的に適地だと思うが、設置できないか。 今後延伸する東洋町や幡多方面への高規格道路も計画にありません。将来の高規格道路にトイレと休憩所の設置はどのようにするのか。 イタリアローマから南下する高速道路は太陽の道と呼ばれています。群青の大展望から、この道路を青い道など、観光道路として公式ネーミングできないか。以上、土木部長にお聞きしたい。 安芸道路などの津波バリア効果ですが、津波高が20メートルと予測されるとどこまで路面を上げるのか、避難場所はどこか、また繰り返す津波の圧力に対し、海側のり面をコンクリートにすべきではないか。 12年前、芸西村村議会が、国に用地買収価格の適正化を求める決議でクレームしたように、反対地主も多い。地権者との交渉窓口とその見通しはどうか。芸西村では高知東部自動車道が大型堤防として重要です。地権者には最大限の配慮をすべきです。 昨年、安芸市が新消防署用地として安芸道路接合地、つまり一級のハウス地帯を周辺農家が頭を抱える安値で買収した。ショックな単価となって県東部の高規格道路予定地の地権者に不安を広げています。このような低価格なら、ハウス農家は国産最高級乗用車1台ほどで全農地を手放し、およそ年収300万円から500万円がゼロになります。再び一等地でハウスができる体制をつくるべきだ。また、私が数年前から県とともに検討する有利なミニ圃場整備で、近隣の農地で続けられるきめ細かい対応が必要ではないか。ハウス農家の死活問題ですので、最大限の配慮を土木部長、農業振興部長にお聞きします。 津波関連です。新安芸市消防署は、津波が20メートル高なら五、六メートル浸水するため、げたを履かせ、消防車両は高規格道路上に逃がすなど無理な設計をしています。県民を守る義務のある県としてどう理解するのか。 また、防災多目的公園は、安芸川河口の海抜2.5メートルの地に建設予定だ。津波時に17メートルも海底に沈む広場で県民の命は守れるのか。 さらに、新中芸消防署も津波超越地区に建設計画されるようです。どう考えるのか。 また、これから新築計画の消防署は県内で何カ所か、津波対策はどうか。20メートル高に対し危険な消防署、消防分団屯所は何カ所か。また、沈む防災公園、指定避難所などは何カ所か。さらに、県内の保育所、幼稚園の津波に沈む数をお聞きしたい。市町村、広域組合事業といえども、県民の安全を守るべき立場から危機管理部長にお聞きする。 さらに、海沿いの県立高校が5校ある。20メートルに耐えられない高校は何校か。対策の選択肢は、現在地に強固な高校を建てる、高台へ移転するの2方法であるが、海沿いでは要塞のような10階建ての高校になる。結論は、高台に新築移転だが、安芸高校などは完成までの期間から逆算すれば緊急の課題ではないか、教育長にお聞きする。 日本一の高齢県高知、老人施設で問題が多発しています。労働災害と隠れた労働災害の増加、入所者からの暴力です。高知労働局の統計で労働災害をチェック、総計方式から、正確な数字ではないがほとんどが老人施設と言われ、傾向は読めます。平成18年度が36人、22年度は73人に倍増、23年度も70人ほどになりそうです。この増加傾向だけでも厳しい職場が散見できますが、問題は隠れた労働災害です。過重労働や介護人の高齢化などで多発しています。問題は労働災害か本人の病気かの判断です。介護人の体に相当な負担がかかることは、その半数近くがコルセットなど補強材で自分の体を支えることからわかります。腰を痛めた、手が痛くなったなどの声をよく聞きます。 隠れた労災は表に出ない数字だが、介護人が安心して働ける職場づくりを県はどのように現状認識しているのか。労災保険を申請して施設側に拒否されたケースはどれくらいあり、その理由は何か。 入所者側からの暴力は故意、無意識、そして入所家族からです。22年度の家族からの暴力は県への届け出が1件だが、実際はもっと多いのではないか。 また、入所者、つまりお年寄りからの故意と思われる暴力、無意識の暴力などで介護人が被害者になるケースが頻発しています。例えば、車いすに乗せるときげんこつで思い切り顔を殴られる、廊下を連れ歩くとき突然殴られる、つめを立てて思い切りかかれる、茶を顔にふりかけられる、かまれるなどなど、介護人が痛い思いをして青あざやけがをするケースは日常的です。入所者の不機嫌時に起きます。県内で年間、数百件はあると見る関係者もいます。入所者の暴力に緊張しながらの仕事でストレスが重なります。 これらのケースは報告義務はないが、問題ではないか。また、事故防止はどのように指導しているのか。 逆に、入所者へのいじめがあれば、このような暴力への仕返しもあると言われる。根本的な対処が必要ではないか。過重労働する介護人の隠された弱者の立場を、県がしっかりと対処していく必要があります。以上、地域福祉部長にお聞きします。 県立公園は自然と景観を守るため、建物の設置は厳しく制限されています。私は若いころアメリカの国立公園へサーモン釣りに通いましたが、規制の厳しさに驚きました。日本の国立公園、県立公園の規制は甘いが、それでも建物の設置は簡単ではありません。安芸市の県立広域公園では、平成19年に市が県許可で設置した交流直販施設が3年間も完全閉店です。実際の営業は1年間ほどで、実態は食堂でした。カラー平家建てで当初から公園の景観に合わないと言われました。平成21年、22年、23年といずれも閉店のまま、県は内容調査もせず設置の継続を許可した。先日、私が指摘すると、今さらながら県は市に開店計画書の提出を求めた。まさに遵法精神を疑うです。 民間が同じ状態でも、のんびり計画の提出を待つのか。確認せず3年間も設置許可を認めた県に、県立公園管理の責任はないのか。違反状態が続き、周囲との景観も合わない便益施設は早急に撤去すべきではないか。 まずは具体的な一例を挙げたが、県内の県立都市公園は何カ所で、1年以上も閉店状態は何カ所か。デザインの検討はしないのか。 また、現状は県補助金のヒアリング内容と大幅に違うが、補助金の返還は求めないのか。民間なら返還請求している。土木部長、商工労働部長にお聞きしたい。 以上です、1問目は。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 樋口議員の御質問にお答えをいたします。 まず、過疎集落の幸福論についてのお尋ねがありました。中山間地域を初めとする過疎地域には、お話にもございましたように、地域の誇りや結びつき、生活の充足感など経済的な尺度ではあらわせない魅力や価値があると思っておりますし、そういったものが将来にわたり大切にされる社会にならなくてはいけないと考えております。しかしながら、過疎化が進めば進むほど、こうした経済的な尺度ではあらわせない魅力や価値を維持することが厳しくなるということも、また現実だろうと思います。このため、集落で人々が住み続けられるようにしていくために、少なくとも地域で暮らせる仕事があり、一定の収入があることがベースになるものと考えております。 こういった考えのもと、これまでの産業振興計画では、中山間地域で一定の収入を得て暮らしていける仕組みづくりを目指し、所得の向上と雇用の創出に向けた取り組みを進めてまいりました。また、あわせまして、過疎化が進むからこそ地域の誇りや結びつき、生活の充足感といった経済的な尺度ではあらわせない魅力や価値を意図的、政策的に守り育てようとすることが必要だと考えております。このため、あったかふれあいセンターや地域の見守り活動などの高知型福祉の実現に向けた取り組みや、地域支援企画員等を通じた地域の祭り等の伝統行事やイベント、芸能文化の維持・継承への支援を行い、地域への愛着や誇り、住民同士の結びつきなどを強めるべく努力をしてまいりました。さらに、来年度からは新たに集落活動センター事業を実施してまいりますことにより、こうした取り組みをより広く、かつ、より加速させていこうと考えております。 今後、中山間地域が将来にわたり健全に維持され、発展していくためには、我々の世代やさらに若い世代に、いかに地域が持つ潜在力や魅力に気づいてもらうかが大変重要となってまいります。若い世代が中心になり、その魅力が見直され、新たな価値が見出され、さらにその価値がこれまでその地域で暮らし続けてこられた高齢者の方々を初め、すべての世代に共感され、人と人のきずなのネットワークに発展する、そういった中山間地域を目指して、産業振興計画や日本一の健康長寿県構想、防災対策などを融合させて、中山間対策を全力で進めてまいりたいと考えております。 次に、所得の向上だけでなく、地域の結びつきなど、いわば心の産業振興計画を評価すべきとのお尋ねがありました。先ほど申しましたように、中山間地域が将来にわたり維持・発展するためには、産業づくりによる所得の向上だけでなく、地域の結びつきや生きる上での喜びなど、経済的な尺度であらわせない魅力や価値を大切にすることも重要でありますので、取り組みに当たってはそうした面にも配慮しながら、地域の実態に応じて進める必要があると考えております。これまで地域の結びつきを再生、強化し、だれもが生まれ育った地域で安心して暮らすことができるよう、日本一の健康長寿県構想において地域の支え合い活動などの取り組みを進めてきたところでありまして、ともに支え合う中山間対策を強化することを改訂の大きなポイントの一つとした第2期健康長寿県構想においても、あったかふれあいセンターの機能強化などを通じて、こうした取り組みをさらに前へ進めてまいりたいと考えております。 第2期産業振興計画におきましては、中山間対策を抜本強化し、地域の潜在力を引き出し、その価値を高めていく取り組みを地域地域に広げることとしております。その展開に当たりましては、これまで以上に人と人のつながりを意識して、地域の実情に十分配慮してまいりたいと考えております。さらに、来年度には中山間対策を抜本強化する中で、住民の皆様が主体となって、地域の課題に応じたさまざまな活動を一体的に進めてまいります集落活動センターの取り組みがスタートいたしますので、こうした活動を通じまして、地域の結びつきやきずなをより強めていただけるよう、我々としても努力をしてまいりたいと考えております。 次に、生き残りが難しい集落には過度の予算を入れないという過疎集落版トリアージが必要ではないかとのお尋ねがありました。中山間地域を取り巻く状況は厳しさを増してきておりますが、その中にあっても活力ある元気な集落がございますし、一方で共同作業もままならない集落が存在するなど、その状況はさまざまであります。また、それぞれの集落には、地域に愛着と誇りを持って山林や農地といった地域の財産を守り、生活されている住民の皆様が多くおられます。このため、県といたしましては地域の皆様の思いを第一に考え、人口減少や高齢化によります衰退の流れに任せるのではなく、こうした住民の皆様が安心して暮らし続けられるための手だてを、しっかり講じることが重要であると考えております。 こうしたことから、中山間地域の集落の維持に向けまして、単一の小規模な集落だけではさまざまな活動が維持できない場合であっても、集落の機能を継続、発展させ、ひいては集落全体の活力を高めていくことを目指して、近隣の集落同士が協力し支え合うといった、集落のまとまりの力で運営する集落活動センターの取り組みを全庁挙げて進めていこうとするものであります。このセンターは、個々の集落を選別するといった視点ではなく、複数集落同士のまとまりの中で、住民の皆様が望まれる集落の未来の姿を実現していこうとするものであります。県としてその活動を全力でサポートしてまいりたいと考えております。 次に、日本や世界に向けたスタンダードを提案する課題提案県を目指し、高知県が基準づくりに挑戦する意向はないかとのお尋ねがありました。日本トップ級の指数という点では、全国に10年先行して高齢化が進んでいる県として、全国に先駆けて取り組んだあったかふれあいセンターも、これまでの公的制度の概念や仕組みを超えた本県独自の地域の支え合いの形であり、既に全国に発信しているものであり、今後全国のスタンダードになり得るものと考えております。また、第2期産業振興計画におきましても、南海地震や台風などの災害の教訓を生かした防災関連産業や新エネルギー産業の振興などに挑戦したいと考えておりまして、全国のスタンダードを目指すという気概を持って取り組んでいきたいと考えておりますし、それこそが課題解決先進県の目指すところであります。 次に、メガソーラーに関して、本気で県勢浮揚を図る気があるのか、世界的な企業進出に対してどのように対処するのかについてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。全国トップクラスの日照量など、本県の恵まれた新エネルギー資源を最大限に生かしていくことが、産業振興や県勢浮揚につながっていくものと考えております。そのため、第2期産業振興計画において、新エネルギーを産業振興に生かすを主要なテーマの一つと位置づけ、将来に向けた新しい産業への息吹を見出せるよう積極的に取り組んでいるところでございます。 メガソーラーにつきましては、早急な導入促進を進めるという面から企業誘致についても進めており、市町村による誘致を支援するための補助制度を来年度からスタートさせることとしております。現時点では固定価格買取制度の詳細がいまだ明らかになっていないこともありまして、県内でのメガソーラー事業の実現には至っておりません。今後、買い取り価格が決定されるなどの条件が整えば、民間事業者の取り組みも加速するものと期待しています。 あわせて、少し時間がかかるかもしれませんけれども、地域の資源を地域の中で生かし、発電事業による収益を地域に最大限還元していくことは、より重要なポイントでございますことから、地元市町村や県内企業など地域が参画する形での事業化モデルにつきましても検討を進めております。また、事業スキームや資金調達、県内3カ所の候補地を選定しての経済性評価なども行っておりまして、来年度はさらに検討を深めて、メガソーラー発電事業を行う事業主体を立ち上げ、地域主導によるメガソーラー発電事業に着手することで、目に見える形での成果に結びつけたいと考えております。お話にありました民間企業の計画は、県としても伺っておりますが、その対応については、まず地元関係者のお考え次第だと考えております。地元合意が調った場合には、県が来年度新設する補助制度により支援を行うことも可能だと考えております。 次に、メガソーラーに関する企業誘致補助に対する補正予算についてお尋ねがありました。メガソーラー事業に取り組もうとする企業にとっては、ことし7月から導入されます固定価格買取制度が大きな後押しになると思われますが、発電する場所から電力会社の送電網に接続する距離が遠く、そのための負担が大きいケースが多くなりがちな本県の特性を考慮しまして、新たな補助制度を来年度からスタートさせることとしております。 具体的には、四国電力の送電網に接続するための費用を対象として、市町村が補助する場合に2,000万円を限度としてその2分の1を補助するというもので、新規予算として今議会に提案させていただいております。ただいま御説明しました補助制度では、高圧配電線で送電できる2メガワット以下を対象としておりまして、議員のお話にありましたような特別高圧電線での送電が必要な場合までは想定しておりません。今後そのようなケースが具体化するようなことがありましたら、支援のあり方についても改めて検討してまいりたいと考えております。 次に、全国初の津波死者ゼロ県宣言をしてはどうかとのお尋ねがございました。津波と言わず、南海地震による犠牲者数をゼロにしたい、県政運営を預かる立場といたしまして、私はだれよりも強くそう思っております。事東日本大震災の発生以降、多くの県民の皆様が不安を抱く中、本県の南海地震対策をどう進めていくのか、皆様にわかりやすくお伝えしていくことはもちろんですが、何が何でも実をとることが私の最大の使命と考え、対策の加速化と抜本強化に全力で取り組んでおります。これまでも津波からすべての県民の皆様の命を守ることや、一日も早く津波避難困難地の解消を目指すことなど、強い決意を表明するときには必ず具体的な対策とセットにしてお示しをしてまいりました。そうでなければ、県民の皆様に県の本気度をお伝えすることはできないと考えているからであります。 お話にありました津波死者ゼロ県宣言も、県民の皆様と決意を共有するためには、有効な手法の一つだと考えます。ただ、今の時点で気がかりなことを申し上げますと、震災の余りにもショッキングな映像がまだ記憶に新しい中、また避難場所の確保に向けた取り組みもまだ途上にあることを踏まえますと、県民の皆様に現実的なものとして受け入れられるかどうかということでございます。また、高知県は強い揺れの被害も心配をされますので、津波だけということは理解が得られにくいのではないかということも考えております。 私といたしましては、避難路や避難場所などの整備が目に見えて進んでいくさまや、とにかく迅速に逃げるということの啓発、このことを体で覚えるための避難訓練の実施など、説得力を持ち納得感の得られる対策を一つ一つ着実に積み重ね、県民の皆様の御理解を得ながら、全県一丸となって南海地震への備えを進めてまいりたいと考えております。さらには、そのためには例えば市町村負担を実質的にゼロにするなど、大胆かつ思い切った施策も打たなければならないと考え、今議会にその制度を提案させていただいておるところでございます。今後、タイミングをとらえながら効果的で時宜を得た目標を掲げ、対策の推進につなげていくことを検討していきたいと考えております。 次に、県民の重大な安全に係る基準は、国の基準に追随せず、県独自の判断と安全基準を持つべきではないかというお尋ねがありました。住民の生命や財産を守り、安全・安心を確保しますことは、国と地方自治体がおのおの責任を持ってその役割を果たさなければならない本来の責務であると考えています。そのために必要となる基準につきましては、全国で統一的なものとして国が責任を持って定めるべき基準と、地方自治体がその地域の特性や実情を踏まえて定めるべき基準があると考えております。県民の安全を守るためには、国の基準を単に追随するだけでなく、それを本県に当てはめた上で、安全が確保されるものになっているのかということをしっかりと検証することが重要であると考えています。 このため、例えば伊方原発につきましては、福島第一原発事故を踏まえた国の指示に基づく緊急安全対策の実施について、危機管理の視点に立って想定外をも想定した対策がとられているか、県として検証することが必要であると考え、四国電力と原発の安全性に関する勉強会を重ねており、今後も継続していくこととしております。さらには、福島第一原発と同様の事故も想定し、現在見直しが検討されています国の防災指針による放射能の影響範囲にとらわれず、本県への放射能の影響を想定した場合に必要となる防災対策を、高知県危機管理指針等に基づく行動計画として取りまとめ、事故発生時に備えることとしております。 また、南海地震発生時の津波予測などは、マクロ的な国全体でのシミュレーションとは別に、地域の特性や地形等を考慮しました精緻なシミュレーションを県として行うこととしております。これからも県民の皆様の安全を守るために、考え得る最悪の事態を想定し、想像力を発揮しながら危機対応を行うべきと考えております。さらなる危機管理体制の強化に努めていきたいと考えています。 次に、大株主として、伊方原子力発電所のあり方についてどのように判断し発言するのか、また県民の資産管理の上でも、もっと安全な原発管理を求めるべきではないかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをします。高知市から120キロメートル離れているとはいえ、一たび伊方原子力発電所で事故が起これば、本県もその事故の影響を受ける可能性があります。県内には、国において屋内退避等の防護措置が検討され、健康面への影響が心配されます半径50キロメートル圏域に位置する市町村があり、隣接県であることから、農林水産物などへの風評被害による経済的な影響、人体への影響を受けるおそれもあり、御指摘の資産管理の点も含め、伊方原子力発電所の安全性は、本県にとりましても非常に重要なことであります。四国電力には想定外をも想定して、伊方原子力発電所の安全対策に万全を期していただく必要があると考えます。 こうしたことから、四国電力に対しましては、伊方原子力発電所の安全対策については、福島第一原子力発電所の事故の発生を踏まえ、危機管理の発想を持って徹底した安全の確保を行うよう強く要請を行っております。また、その安全対策について技術的に検証するため、防災、土木・建築、電気等の専門分野を持つ職員が参加して、四国電力との間で継続的に勉強会を開催し、これまで原子力発電所の事故後にとられた安全強化対策、耐震安全性の評価、高経年化への対応などについて説明を受け、その取り組み状況などについて確認を行っているところでございます。 こうした本県の要請や確認に対して、四国電力からは、危機管理の観点から国からの指示を待つことなく必要な対策は前倒ししてでも実施することや、新たな知見が示されたときは真摯な態度で取り組むことなど、安全対策について積極的な姿勢が示されております。今後も県民生活の安全を預かる者として、継続的な勉強会などを通じて安全対策の検証を行い、必要に応じて追加の対策を講じるよう強く要請をしてまいります。 私からは以上でございます。   (商工労働部長高松清之君登壇) ◎商工労働部長(高松清之君) まず、産業振興政策に関して、地元の中堅企業を若者の就職の受け皿となる大手に育てる方向にシフトする考えはないのかとのお尋ねがありました。 議員のお話にもありましたように、本県のものづくり産業の中には特色ある技術や製品を持ち、全国に事業展開を行っている中堅企業がございます。こうした企業に大手企業に成長していただくことは、その企業はもとより、その取引先である県内の多くの企業の生産活動を引き上げていくことにつながりますし、若者が地元に定着できる安定した雇用を生み出すという意味からも、大きな意義を持つものだと考えております。このため、中堅企業を初めとする県内企業の成長に向けまして、ものづくりの基盤となる技術力の強化に向けた支援や、全国に通用する競争力を備えた商品開発のための経費への助成、そして生産の拡大に向けた設備投資への助成などに取り組んでまいりました。来年度からは、こうした取り組みに加え、設備投資への新たな支援制度を設け、県内での事業活動の拡大に意欲を持って取り組んでいただく企業の後押しをしていくことで、地域の雇用にも大きく貢献いただけるよう取り組んでまいります。 次に、高知市の幹線道路沿いはなぜ外食街道になったのか、その分析と対策をしたか、地元外食産業に対して方向の明示と支援をしたのか、また商工会議所や地元金融機関の対応についてのお尋ねがありました。近年、高知市の幹線道路沿いに店舗の立地が進んでいる要因といたしましては、車社会の進展に伴い消費者の行動範囲が広がっている中で、中心部に比べて地価が安く駐車場を備えた広い店舗をつくることができること、また集客力の高い大規模店舗との相乗効果が見込めることなどが考えられます。また、全国チェーンの大手外食産業が全国の地方都市に多店舗展開を図ることにより、食材や流通コストの削減を進めていることも要因の一つであると考えられます。 県内の市場が縮小する中で、地元の事業者がこうした大手外食産業と競い合っていくためには、それぞれの事業者が強みを生かした経営や店舗づくりに取り組んでいくことが重要となります。このため、商工会議所や商工会、そして産業振興センターとの連携のもとで、それぞれの事業者の相談や要請に応じまして、事業者の経営改善や新たな事業展開に向けた指導・助言、また新たな商品開発や経営の多角化への助成、厨房機器など設備の低利での割賦販売やリースの実施、商店街に出店する場合の改装費の助成といったことなど、さまざまな支援を行ってきております。 また、高知商工会議所では、フードコーディネーターなど食の専門家と経営指導員が連携して、メニューの改善や魅力的な店舗づくりに対しての指導や助言などを行っており、3年間で40件の支援をしております。このほか、飲食業関係の170余りの会員事業所を初め、多くの飲食店に出向いて、悩みや課題をお聞きする取り組みを始めております。 次に、金融機関では事業者の方々への融資に際して、収益の範囲内で返済できるのかを中心に財務内容や担保力、過去の経営実績などを総合的に勘案して判断を行っており、融資が受けられないケースもあります。そのため、県では信用保証制度を活用した融資制度を設け、与信力を補完することによって、事業者の方々の資金繰りの円滑化を支援しており、飲食店に対しましてはこの3年間で848件、56億円の融資を実行し、一定の資金需要におこたえしてきております。 次に、地元の事業者や店舗に対する商工会議所や商工会の指導についての御質問がありました。地元の事業者が人口減少や長引く個人消費の低迷により売り上げが減少する中で、県外大型店との競争に生き残っていくためには、消費者の嗜好の多様化に対応する魅力ある店舗づくりや、インターネット等を活用した新たな顧客の開拓などの取り組みが重要となってまいります。こうした課題に対して商工会議所や商工会は、役員を先頭に職員が一丸となって、事業者のニーズを積極的に掘り起こすことや経営支援能力の向上に向けた取り組みをスピード感を持って実行していくことが求められますが、そうした取り組みが十分ではなかった地域もありました。 こうしたことから、商工会議所や商工会では、役員や職員の意識改革や中小企業診断士の資格取得など経営指導員のスキルアップ、さらには事業者の方々からの相談を待つのではなく、地域のすべての事業者に対する巡回訪問を徹底するといった方針のもとに、地元事業者への支援の強化に取り組んでいます。県としましては、今後ともこうした取り組みに対して積極的な助言や指導を行うことで、地元の事業者の皆様に頼りとされる商工会議所や商工会づくりを支援してまいります。 最後に、安芸市陶芸の里交流直販施設への補助金の取り扱いについてお尋ねがありました。この補助金は、平成18年度に安芸市が地域特産品等の販売や食の提供により地域の活性化を図ることなどを目的として、交流直販施設を整備するに当たり、中山間地域等商業振興総合支援事業で助成をしたものです。19年4月には、指定管理者により地元野菜の販売や飲食の提供の場として施設がオープンしましたが、20年1月に指定管理者の健康上の理由及び売り上げの低下により休業となりました。その後、新たな指定管理者によって20年4月には改めてオープンをいたしましたが、22年1月には再び休業となっております。 お尋ねのありました18年6月の補助金申請時の安芸市からのヒアリング内容と、19年4月からの実際の運営状況との違いにつきましては、ヒアリングでは物販事業を予定していたところ、実際の運営は飲食主体の営業となっていたこと、そして継続的な運営がなされてこなかったことですが、最初に申し上げた飲食が主体となった点につきましては、事業完了前に変更申請がなされ、県として承認をいたしております。また、継続的な運営がなされていない点につきましては、安芸市では早期の再開を目指して、22年1月の閉店以降3度にわたり指定管理者の募集を行っており、この4月から改めて募集をすることとしています。今回の募集に当たりましては、新たに施設の維持管理費等の一部を市が負担することや、施設の利用者をできるだけ多くするために各団体と連携してさまざまなイベントを行うことなどを検討しております。このように、現在安芸市において再開に向けた取り組みが進められておりますので、県といたしましては当面その推移を見守っていきたいと考えております。   (副知事岩城孝章君登壇) ◎副知事(岩城孝章君) 産業振興政策に関する御質問のうち、まず社会福祉など本県が強い分野の県外進出に対する支援についてお尋ねがございました。 大都市などでは、急速な高齢化に伴うニーズの増大に対して、介護施設の整備が追いつかない状況がございます。こうした自治体では、特別養護老人ホームなどの整備に際して、その設置、運営について全国から広く事業者を募集する場合があり、県内に本部のある社会福祉法人においても、長年県内で施設サービスの提供を行ってきたノウハウを活用して、こうした機会に県外へ進出する法人がふえてきております。県としましては、県内で地域福祉の一翼を担っていただいています社会福祉法人が、積極的に県外に進出して御活躍されておりますことは、大変頼もしいことと思っておりますし、中堅介護職員の派遣に伴う新たな雇用、県産食材の活用などで県内の雇用や経済への波及効果も期待されるのではないかと思っております。また、実際に県外に進出をされた法人からは、事業規模の拡大に伴い職員のモチベーションの向上やキャリアアップに結びつき、人材の育成がしやすくなるといったメリットがあるとお聞きをしております。 お話のありました県外へ進出する法人への支援につきましては、それぞれの県外の自治体から施設整備への助成がありますし、法人の自己負担分につきましても、独立行政法人福祉医療機構などの有利な融資制度などを活用することで、施設の建設を行うこととなります。また、運営に関しましても大都市の急速な高齢化の状況から、早期に入所定員を満たすことができますので、介護報酬で基本的に施設の安定的な運営ができるものと考えております。県としましては、県内事業者の県外への進出については、福祉分野に限らず県内での雇用や地域経済への効果等が期待できる場合、どういった支援を必要としているのかなど、関係者の御意見もお聞きをしながら検討してまいります。 次に、県経済の活性化について、中山間総合対策本部による取り組みの実績と反省点についてのお尋ねがありました。中山間地域における経済や地域の活性化に向けまして、平成7年以降、中山間総合対策本部が中心となり、産業をつくる、生活を守るを政策の柱としまして、取り組みを進めてまいりました。この中で産業をつくるに関しましては、国の制度や施策も取り入れながら、農林水産業の振興、地域資源を生かした特産品づくりや担い手確保対策などを推進しますことで、中山間地域の疲弊の防止に一定の役割を果たしてきましたが、地域のにぎわいや活力をもたらすまでには至っておりません。また、生活を守るに関しましては、生活物資や生活用水の確保など中山間地域にお住まいの方々の生活を支えるための整備を進めてきたところでございます。 今後、著しい人口減少や高齢化の進行に伴い、地域の課題がますます多様化、複雑化していく中で、これまでのように生活、福祉、医療、防災、産業などそれぞれの分野で個々の施策に取り組むだけでは、中山間地域で安心して暮らしていくことが困難になっております。このため、県がそれぞれの地域ごとの集落と地元市町村とともに、どのような施策をどのように展開していくのかをともに考え、全庁が一丸となって課題解決に向け取り組むことが必要だと考えております。こうしたことから、中山間対策を抜本強化し、全庁を挙げて地域の活性化に向けた取り組みを効果的に進めていくため、来年度には知事の指揮のもと、中山間総合対策本部の機能を強化するとともに、本部内に集落活動センターの取り組みを初めとしました重点事業ごとの推進チームを設置いたしまして、それぞれの実情や課題に応じた支援体制を構築しますことで、地域の支え合いと地域でお金が回る経済活動につなげていきたいと考えております。 次に、第2期産業振興計画でマイナス予測も打ち出す本音の計画として示すことができなかったのかとのお尋ねがございました。第2期計画で掲げます目標は、人口減や高齢化の進展など予測できるマイナス要因も想定した上で、広く県民の皆様との対話や御意見を踏まえて、官民で共有するものとして設定しようとするものでございます。このうち、4年後の目標は実態からかけ離れたものではなく、これまでの取り組みに加えて、おのおのの施策を官民一丸となって取り組むことで達成可能と思われるもの、何としても達成したいものを提案させていただいております。 また、中長期の目標として10年後の姿を掲げてまいりますが、こちらは産業が持続的な成長を遂げていくために、かくありたいという姿となっております。いずれの目標も議員御指摘のように、世界経済や社会情勢の動向により、目標達成のための前提を大きく揺るがしかねないケースも生ずる懸念がございます。その際には、今回の東日本大震災後、防災関連産業や新エネルギー関連産業など、新たな産業に挑戦することを計画の基本方向として追加することとしましたように、PDCAサイクルによる見直しの中で、迅速かつ柔軟に対応してまいりたいと考えております。 最後に、産業振興推進総合支援事業費補助金について、予算執行額よりワンランク上の投資内容で評価すべきではないか、また十分な財務体質の会社や団体への補助の必要性についてお尋ねがございました。地域で芽生えてきたさまざまな産業振興の取り組みを進める産業振興推進総合支援事業費補助金は、対象事業によって事業計画の熟度や目的とする地域での雇用、経済効果などが異なりますが、それぞれの地域でのアイデアを形にする地域アクションプランを進めていくツールでございますので、地域の期待にできるだけスピーディーにこたえていけるよう、積極的な予算措置を行ってきております。 予算執行額は、事業計画の熟度がまだ不十分なものがあったり、他の制度を利用したりした関係で、申しわけございませんが年度によって増減がございます。農林水産物加工品の開発・販売や地域の販売拠点となる直販所の整備、さらには首都圏等への外商活動など、各地でさまざまな取り組みが動き出しており、新たな事業にチャレンジしていこうとする事業者の皆様の後押しにつながっているものと認識をしております。こうした取り組みは、今はまだ決して大きくありませんが、地域の皆様の思いが詰まった取り組みだと考えておりますので、引き続きこうした取り組みが地域の発展に大きく貢献していけるように、補助金だけでなく専門家の派遣や必要な研修の実施など、あらゆるツールを駆使して粘り強く支援してまいりたいと考えております。 また、この補助金はアイデアや芽出しの段階の取り組みも含め、初期投資等の負担を少しでも軽減しようとの思いから、新たな雇用の創出や地域資源の活用など、事業の区分に応じた一定の要件を課し、その要件を満たせば支援しようとするものでございます。財務体質がよい事業者の方にも、この補助金を活用いただくことで新たな取り組みや事業拡大に積極的に挑戦していただければ、さらなる地域での雇用や所得の向上につながっていくものと考えております。   (警察本部長加藤晃久君登壇) ◎警察本部長(加藤晃久君) 県警察の飲料水自動販売機の設置基準の見直しによって県外大手が独占、地元への配慮はなかったか、入札条件で企業への要望が多過ぎるのではないかとのお尋ねがございました。 県警察は、警察施設への自動販売機の設置を公募方式に変え、昨年4月から県本部の施設と県下13署に社会貢献推進型自動販売機26台を導入いたしました。その背景事情としまして、1つは平成21年度の包括外部監査において、自動販売機の売上高に応じた使用料を徴収することで、県の歳入確保に努めるべきであるとの意見がありましたこと、もう一つは自動販売機業界自体が各種の社会貢献活動を推進しており、その促進の場を提供するようにしたものでございます。 募集に際しましては県当局と協議を進め、公平性、透明性を確保するため一般公募とし、参加者の資格としては、法人にあっては高知県内に本店、支店または営業所を有し、個人にあっては高知県内で事業を営む者であることといたしました。また、公募の要項といたしましては、販売実績に応じた貸付料の設定はもちろんのこと、県内製造産品の販売の義務づけにより地産地消の促進を図るとともに、設置業者としての南海地震対策への取り組み、高知県の子供の体力アップへの支援、社会貢献団体への支援等、行政と県民との連携と協働による高知県の地域力向上に寄与する提案を求めたものでございます。なお、公募に当たっては、県内の警察施設を東西2つのブロックに分けて行ったところですが、各方面からいろいろな御意見もございますので、次回の募集時には、地域性をより加味した募集の方法や社会貢献活動等のあり方も含め、募集要項の再検討も行ってまいりたいと考えているところでございます。   (公営企業局長安岡俊作君登壇) ◎公営企業局長(安岡俊作君) 県立安芸病院と芸陽病院の病院給食において、地元取引業者の数が10社から1社に減少したことに関するお尋ねがございました。 安芸病院と芸陽病院の給食業務につきましては、調理だけでなく食材の調達などを含め一括して民間企業に委託しており、平成21年度に平成22年度から24年度までの3年間の委託企業を選定するためのプロポーザルを実施いたしました。プロポーザルの実施に当たっては、見積金額だけではなく、衛生管理体制や食材の調達に関して県産食材の占める割合の記載を求めるなど、総合的な観点から選定を行い、その結果、委託先がこれまでの県内企業から全国展開をしている大手企業に変更となりました。 委託企業の交代に当たっては、新たに選定された企業が、従前の委託企業と取引があったすべての地元の事業者に対して見積書の提出依頼を行いましたが、結果として安芸市内の事業者は10社から1社に減少したものでございます。その後、地元からの要望もございましたことから、平成22年7月に、以前取引があった事業者を対象とした食材調達に関する説明会を委託企業に開催していただきました。また、委託企業におきましても、年1回の仕入れ先事業者の見直しの時期に合わせて、同様の説明会を開催しておりますので、今後もこのような県内、地元事業者の参入を促す取り組みの継続を働きかけてまいりたいと考えております。 次に、県立病院の売店が全国チェーンとなっていることに関するお尋ねがございました。県立病院の売店は、県内の事業者に運営をお願いしておりますが、夜間や休日、年末年始も稼働している病院の特性もあり、利用者や職員から営業時間の延長や品ぞろえの充実に関する要望が寄せられておりました。このため、その県内の事業者が、大手のコンビニエンスストアチェーンとフランチャイズ契約を締結することで、平成19年5月からコンビニエンスストアの形態に移行したものでございます。このことによって、平日や土曜日の営業時間が3時間拡大されましたし、日曜日や祝日、年末の一部でも営業が行われるようになりましたほか、それまでは1日1回であった商品の搬入が1日3回に増加したことで、品切れの減少や商品の品ぞろえが充実されたとも伺っており、患者さんや御家族、職員など利用者の利便性が一定向上したものと考えております。   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇) ◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 県有施設で提供される食事での県産野菜の使用目標率についてお尋ねがございました。 県では、地産地消を促進するため、平成18年4月に県有施設での米と野菜に関する地域食材の使用割合の目標を設定しております。目標を設定いたしました当時、県立病院も含め県が食事の提供を委託している施設での県産野菜の使用率が平均46%であったということ、また医療福祉施設や教育施設においては施設の目的、性格から、使用食材や衛生面での条件があること、さらに生産者側の供給能力の問題もあることなどの事情を総合的に勘案して、目標を60%としたものでございます。 次に、県内の店舗の閉店に関しまして、地域支援企画員の対応に問題はないかというお尋ねがございました。地域支援企画員は、地域の自主防災組織づくりや子育て支援といった地域の支え合いの仕組みづくり、あるいは商店街の活性化などの地域のにぎわいづくりの活動に加えまして、各地の地域アクションプランの取り組みを支援するとともに、新たに盛り込むプランの発掘や育成など精力的に活動をいたしております。こうした取り組みは、地域からも大変評価され、今や地域になくてはならない存在という声もいただいております。地域支援企画員も、また私も人間でございますので、至らない点はあるかもしれませんけれども、私といたしましてはそれぞれ地域の皆様の思いに寄り添いながら、精いっぱいの活動をしているものと考えております。   (農業振興部長杉本雅敏君登壇) ◎農業振興部長(杉本雅敏君) 県経済の活性化について、農業に関する御質問にお答えいたします。 まず、所得向上につながる農産物の高付加価値化についてお尋ねがございました。本県ではこれまで全国での競合に打ち勝ち、消費者に選ばれる産地となるために、まとまりのある園芸産地づくりや環境保全型農業の推進など、本県農産物の付加価値を高める取り組みを進めてまいりました。農産物の高品質・多収量を目指して、すぐれた生産技術を学び教え合う取り組みでは、生産者同士の技術交流や情報交換等を通じて産地のまとまりが形成され、ナスやミョウガなどで出荷量の増加につながっております。また、安全・安心な農産物を消費者へ提供していくため、品目ごとに天敵を利用いたしました害虫防除技術の構築、またマニュアル化などを進めてきた結果、環境保全型農業に取り組む品目数や農家数が拡大し、天敵の導入率も向上するなど全国一の取り組みに育っています。 さらに、これら産地の取り組みを消費者にしっかり伝え、本県農産物を選び買っていただくために、市場関係者と産地の交流や、産地の取り組みを理解していただける量販店とのパートナーシップの構築などに取り組み、高知フェアの開催や高知野菜コーナーの設置により、本県農産物の販売拡大や認知度向上につながっています。今後ともこれらの取り組みを推進するとともに、実需者の多様なニーズに柔軟に対応できる新たな受発注システムの構築などにも取り組み、農業者の所得向上につながる本県農産物の高付加価値化を進めてまいります。 次に、農産物の機能性を生かした販売促進についてお尋ねがございました。農産物の機能性につきましては、現在のところ料理レシピやパンフレットに、薬事法に抵触しない範囲で含有成分などを表示するにとどまっています。例えば、ナスでは紫色の皮の部分にはポリフェノールが多く含まれていますとか、ミョウガでは香り成分はアルファピネンという精油成分が含まれていますといった記載をし、消費地での高知野菜フェアにおいて試食宣伝を行っています。 しかしながら、多くの品目で機能性成分の医学的効用が完全に証明されておらず、含有成分の表示にとどまっていることから、機能性がどれだけ販売に直結したかは現在のところ把握できておりません。そのため、販売促進では含有成分の表記とあわせ、おいしさや安全・安心の栽培方法など県産野菜の魅力を総合的にPRしているところです。野菜の機能性につきましては、健康志向の高まりにより消費者の関心も高いことから、今後機能性に関する研究結果などを注視しながら、農業団体とともに販売促進に生かしていきたいと考えております。 次に、オランダ型ハウスに関するお尋ねがございました。オランダでは高軒高ハウスを利用して、ハウス内の温度や湿度、炭酸ガス濃度などを総合的に制御する技術が確立しており、非常に生産性が高く、また効率的なエネルギー利用など最先端の農業が行われています。このような生産技術は、本県が将来にわたって園芸産地として付加価値の高い農業を展開していくためには、非常に参考になる取り組みとなっております。このため、オランダの進んだ技術を本県で利用できるよう、農業技術センターでは、例えばハウス内の温度や湿度の制御と光合成を活性化する炭酸ガスを施すことによりまして収量をふやすような技術、次にLED照明を利用した花卉の品質向上の技術、ヒートポンプを利用いたしました重油コストの削減、高軒高ハウスに適応した誘引方法による増収の技術などの研究開発に今年度から取り組みを始めたところです。 今後、開発いたしましたこれらの技術は、従来型のハウスにも十分活用できますことから、可能なものから普及させ生産性の向上を図ってまいります。また、高軒高ハウスは建設費が従来型のハウスに比べ割高となることから、生産コストの上昇に見合った収量の確保ができるかなど、研究開発を通じて見きわめてまいりたいと考えています。また、これらの技術開発につきましては、研究開発段階から生産性の向上を目指す意欲の高い農業者等との情報交換を行うなど、生産現場の意見を反映しながら技術開発を進めてまいります。 次に、県産野菜の輸出の取り組みについてお尋ねがございました。輸出に際しましては、関税や植物検疫などの各種手続が必要となるほか、流通コストや代金回収、為替変動への対応、さらには商習慣の違いなど多くの課題があり、さまざまなリスクを伴うという状況に変わりはありません。そのため、輸出に取り組む事業者ではそうしたリスクを勘案し、商社などの業者を介して輸出するのが一般的であり、本県農産物もそのような形態の輸出を行っているところです。県としましては、農産物輸出の推進を産業振興計画の重点施策に位置づけ、輸出に取り組む生産者組織等に対しまして、海外でのフェアの開催、それに要する経費について平成17年度から補助をしてきており今後も輸出に伴うリスクの軽減を図り、本県農産物輸出の拡大に向けて積極的に支援してまいります。 次に、天敵栽培をアピールした単価アップの結果についてのお尋ねがございました。県では農業団体とともに、消費地の皆さんに優先的に選んでいただける産地づくりを目指し、天敵昆虫の利用や防虫ネットなどを活用した環境保全型農業の推進に取り組んでおります。一方で、関東や関西の消費地においては、本県のこういった取り組みを理解してくれる量販店とパートナー関係を結び、定期的な高知野菜フェアの開催や高知野菜コーナーを設置し、消費者にPRしているところです。また、量販店や卸売市場などの関係者を産地に招き、本県の環境保全型農業を実感してもらうことで理解を深めていただいております。 こうした取り組みによりまして、園芸連のエコシステム栽培品の登録面積は大幅に増加しております。平成23年度のエコシステム栽培品と従来品を比べてみますと、例えば高知ナスでは1キログラム当たり48円高くなっております。県といたしましては、今後も高知野菜のブランド力の強化とファンづくりを進めてまいります。 次に、工場野菜についてのお尋ねがございました。閉鎖された環境と人工光のもと、野菜の栽培をする植物工場につきましては、施設整備や維持に多額の費用を要することや農家の多くが小規模な個別経営であることなどから、一部で導入の事例はあるものの、本県で広く普及することは難しいのではないかと思われます。そこで、農業技術センターでは本県の豊かな太陽光を活用しながら、オランダ園芸農業の最先端技術も取り入れたハウス内環境制御技術の早期確立に取り組んでいるところです。今後はこうした取り組みにより、生産性を高めることで低コスト化も図りながら、付加価値の高い農業を目指してまいります。 次に、中山間対策が目玉なら、老朽水路の改修など相当な対策をすべきとのお尋ねがございました。農業用の水路は、効率的かつ安定的な農業を展開するために欠くことのできない生産基盤ですが、近年は老朽化が目立ち、補修や改修が必要な施設が増加しております。このため、第2期の産業振興計画では農業用施設の老朽化対策として、基本的には県営・団体営事業で造成いたしました比較的規模の大きい施設につきましては、現状の施設の劣化状況などを診断し、その診断結果に基づき予防保全対策を行います農業水利施設ストックマネジメント事業などを活用し、一方小規模な施設につきましては、地域ぐるみで補修を行う農地・水保全管理支払交付金を活用することで、幹線から末端に至るまでの一連の施設機能の維持・確保に取り組んでいくこととしております。 また、本年度創設されました農業体質強化基盤整備促進事業を活用して、水路の老朽化に対応してまいります。今後とも、こうした農業用施設の老朽化対策を県、市町村、集落がそれぞれの役割分担のもと、計画的に推進していくとともに、必要な予算の確保につきましては、国に政策提言をしてまいりたいと考えています。 次に、本県からの提案によって国に採用された先進モデル事業はあるのかお尋ねがございました。議員おっしゃるような国に採用された先進モデル事業があるとまでは言える状況にはありませんが、県ではこれまで本県農業の特性や地域の実情を踏まえ、国の制度改正や拡充のための政策提言を数多く行ってまいりました。こうした提言を行う中、例えば県単独事業として実施してまいりました、研修期間中の就農希望者に対して研修経費や生活費を助成する仕組みにつきましては、一昨年の10月に政策提言を行った結果、平成24年度から国の補助制度として導入されるといった成果もございます。 また、昨年秋には、国で決定されました「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」、これに対しまして、高付加価値化への取り組みに対する支援を一層充実することや、競争力や体力の強化だけでは守り切れない中山間地域には十分に配慮することが重要であるといった提言をしてきたところであり、今後も本県農業の振興と発展に向けまして、国に対し積極的に政策提言を行っていきたいと考えています。 次に、高齢者の方を対象とした二期作就業をテーマに発信できないかとのお尋ねがございました。農林業センサスによりますと、本県の農業就業人口は平成22年は約3万4,000人となり、平成17年と比べ15%減少しています。また、60歳以上の方の割合が約7割近くに達し、農業就業人口の減少を抑えていくためにも、若い農業者の確保・育成が急がれると考えています。こうした状況の中、国では平成24年度から青年就農給付金の交付や、農地の集積を主な内容といたします新規就農者への総合的な支援を実施し、独立・自営農業を目指す若い農業者の育成に取り組むことになっています。 県でも、これまで進めてきました新規就農者対策に加えて、国の新しい制度なども活用し、農業従事者の若返りに向けて取り組むために必要な予算をお願いしています。とは申しましても、本県の農業におきましては60歳以上の方の果たす役割は大きく、こうした方々に対する就農支援も重要だと考えています。県では、定年を迎えられる方々も視野に入れ、農業技術の習得などへの支援をしており、平成23年度の新規就農者234名の中には60歳以上の方が17名おられます。若い農業者の育成はもとより、高齢者の方々も担い手として重要な役割を果たしていただけるものと考えておりますので、引き続き県内外での就農相談や農地情報の発信、研修機会の充実など就農に向けた支援に努めてまいります。 最後に、高知東部自動車道に関連するハウス農家への支援体制と圃場整備の対応についてお尋ねがございました。道路の予定地には、多くの農地や施設園芸用のハウスがありますので、道路用地として提供するに当たり、代替農地の確保やハウス移転などの対策が課題となっています。このため、道路建設に関する情報収集や農業の課題に関する協議調整などを目的とする、高知東部自動車道建設促進農業対策協議会を昨年の2月に設立しています。構成員といたしましては、安芸市、農業委員会、農協、土地改良区、県農業振興センターとなっており、これまでに道路用地の影響を受ける農家の意向調査や、移転を想定した代替地の検討を進めているところです。 農地につきましては、農家の希望する移転場所や面積規模に応じて、基盤整備の対応が必要な場合は、市や関係機関と連携しながら農家の意向に配慮した事業の導入を検討してまいります。また、ハウス移転につきましては、既存事業等の活用ができますよう、関係市町村、農協等とも密接に連携をとってまいりたいと思っています。   (林業振興・環境部長田村壮児君登壇) ◎林業振興・環境部長(田村壮児君) バイオマスボイラー事業について一連のお尋ねのうち、まず木質ペレット製造施設の性能に関してお答えいたします。 お話のありました安芸市の施設につきましては、平成22年の操業開始後、ペレット成型工程でのふぐあいの修正や、ペレットに固める際の原料の水分調整などに試行錯誤しながら取り組んでいる状況にあり、計画した生産量には至っておりません。県といたしましては、施設を製造した業者に対して責任ある対応を求めるとともに、ペレット原料の水分調整などの品質管理につきましては、森林技術センターも支援しながら、早期の改善に取り組んでいきたいと考えております。 次に、木質バイオマスボイラーの一部に問題がなかったかお尋ねがございました。製造メーカー1社のボイラーにおいて、導入初期に溶接不良による熱交換機のふぐあいがありましたが、自主的に同機種すべてのボイラーの修理を行い、その後は順調に作動していると聞いております。そのほか小さなトラブルはございますが、各製造メーカーが個別に対応することで、大きな問題には至っていないと伺っております。 最後に、木質バイオマスボイラー導入の際の全額または高額の補助についてお尋ねがありました。施設園芸用の小規模なボイラーにつきましては、今後3年間は森林整備加速化・林業再生基金に県費を継ぎ足すことにより、全額補助で支援していきたいと考えております。しかしながら、当該基金が終了する以降にも手厚い補助を続けることは、難しいと考えており、広く普及を図るためにはボイラーの低価格化が必要不可欠であることから、メーカーにその対応を求めてまいりたいと考えております。   (水産振興部長東好男君登壇) ◎水産振興部長(東好男君) 経済活性化のうちキンメダイについて、まず深海はえ縄漁に関しましてお尋ねがございました。 お話にございました漁具は、漁業者から平成23年2月に室戸漁業指導所に届けられたもので、現在も保管をしておりますが、深海浮きと呼ばれるものがついており、地元の漁業者で構成する芸東地区沿岸漁業協議会において、古くから使用の自粛を申し合わせている深海はえ縄とみなされております。この漁具は、議員御指摘の3年ほど前において、芸東地区以外の漁協に所属する漁業者が使用しているのではないかというトラブルが発生をいたしました。このため、芸東地区沿岸漁業協議会が、室戸岬沖でキンメダイ漁を行っているすべての漁業者に対しまして、平成21年11月と平成22年12月の2度にわたりまして地元の申し合わせを守るよう文書で通知をいたしました。さらに、この2回目の通知を行ったことを踏まえまして、同じ月に県漁協の役員が、この漁具を使用したと考えられる漁業者が所属する漁協に対しまして、申し合わせを守ることを漁協として指導するよう申し入れをいたしました。 こうした通知や申し入れがなされた後、これまで地元の協議会関係者や漁協職員に、この漁具によるトラブルが生じていないか、時々に確認を行っておりますが、そうしたトラブルは発生していないとのお話をお聞きいたしております。 次に、キンメダイの漁獲量の減少、ブランドを守るための保護についてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきます。近年、室戸岬沖では黒潮が岸に近づくことが多く、こうした潮の状況になりますと、キンメダイの漁場では潮流が速くなり、漁具が流され、その生息する深海まで届きにくくなるなど、漁を行う上での条件が悪くなっております。このため、キンメダイ漁の中核である立て縄漁を行う漁業者が出漁を見合わせることも多く、漁獲量は減少しています。 キンメダイは、太平洋沿岸から小笠原諸島にかけて広く分布しておりまして、この魚を多くとっている東京都、千葉県、神奈川県、静岡県及び本県に水産庁と独立行政法人水産総合研究センターで、平成15年度から毎年キンメダイの資源評価を行っております。この資源評価では、この地域での漁獲量も含めまして、ここ10年ほどのキンメダイの評価は中位水準となっており、直近の昨年7月に開催された会議でも、キンメダイの資源は中位水準で安定という評価がなされております。このため、本県のキンメダイ漁につきましては、現在のところ規制を加える必要がないと考えておりますが、今後のキンメダイ資源の動向には引き続き注意を払ってまいります。そして、資源保護の必要性が高まれば、漁具、漁法の制限、休漁日の設定など、適切な方策を講じていきたいと考えております。   (地域福祉部長小田切泰禎君登壇) ◎地域福祉部長(小田切泰禎君) まず、日本一の健康長寿県構想に、高齢者の再就業で健康と経済を守るの視点が欠けているのではないかとのお尋ねがありました。 平成19年の厚生労働白書によりますと、70歳以上の方の就業者数の割合が高い都道府県では、1人当たりの老人医療費が低いという傾向が見られるとされており、高齢者の就業が健康に結びつくという視点は大切であると思います。また、定年退職後の高齢者の方々は、生きがいや社会参加のために就業していることが多く、また就業機会の確保だけでなく、民生委員・児童委員活動や各種のボランティア活動などで地域社会の一員として役割を果たしていただくことも、健康づくりや地域の支え合いの仕組みづくりの上でも大変重要であると考えています。 このため、日本一の健康長寿県構想においては、民生委員・児童委員サポーターや介護予防の地域リーダー、ねんりんピックを契機としたボランティア活動の促進など、高齢者の社会参加の機会をふやすことにより、高齢者が生きがいを持っていつまでも元気で暮らしていける高知型福祉の実現を目指して取り組むこととしております。また、高齢者の就業促進については、就業機会を確保・提供するシルバー人材センター育成事業に取り組むほか、高知県シルバー人材センター連合会では、高齢者と企業などのニーズをマッチングさせるシニア就業支援プログラム事業などを行っており、こうしたことも高齢者の生きがいや健康づくりにつながるものと考えています。県としましては、お話にありましたように高齢者の就業機会の拡大も含め、健康づくりや生きがいづくりなどに幅広く取り組むことで、高齢者がいつまでも健康で生き生きと暮らしていけるよう引き続き取り組んでまいります。 次に、老人福祉施設の労災と暴力に関する一連の御質問にお答えをいたします。まず、介護人が安心して働ける職場づくりに関しての現状認識と労災保険についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきます。社会福祉施設の運営に当たっては、管理者の責務として、働きやすい職場環境の実現や労働条件の改善を通じて、職場における労働者の安全と健康を確保しなければならないことはもとより、人材の確保や利用者の方に安心してケアを受けていただくためにも、職員が安心して働ける職場環境づくりは非常に大切だと認識をしております。要介護度が高い方が多く入所されている特別養護老人ホームなどの施設では、車いすへの移乗介助や入浴介助など腰に負担のかかる仕事に従事することで、介護職員の方が腰痛症を発症するケースが少なくありません。こうしたことから、各施設ではリフトつき特殊浴槽の設置や腰痛予防のための職員研修などの対策を講じていますが、労災の申請となるケースもあるとお聞きをしています。 そうした中、社会福祉施設で労災が発生した場合には、労働者災害補償保険法などに基づき、定められた手続が適正に行われる必要がありますので、監査や施設指導などを通じて適正な手続がなされるよう引き続き指導を行ってまいります。なお、お話のありました労災の申請につきまして、所管する労働局に確認しましたところ、事業主の証明拒否件数などは把握できていないとのことでした。 次に、入所者の家族からの暴力は、県への相談より実際には多いのではないかとのお尋ねがありました。介護保険施設で入所者に対するサービスの提供により、死亡事故や医療機関への受診を必要とするけが、食中毒、感染症などの事故が発生した場合には、施設の運営基準に基づき市町村への報告義務があり、その後市町村からは事故の発生状況と対応について県に報告していただくこととしております。お話のありました、施設の職員が入所者の家族から暴力を受けた場合の報告義務はありませんので、県として把握しているのは、平成22年度の相談1件のみです。県としましては、施設の円滑な運営に支障を来すような場合には、報告を求めた上で必要な支援を行ってまいります。 最後に、入所者からの介護職員への暴力に関する問題、事故防止への指導方法について、また暴力に対する根本的な対処が必要ではないかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきます。施設の職員が入所者から暴力を受けた場合も、基本的には報告義務はありませんが、施設運営に支障を来すような場合は市町村に報告していただく必要があると考えております。また、入所者からの暴力といった場合を含め、事故が発生した場合の対応や再発を防止する対策につきましては、施設等に対する指導監査などを通じて、入所者へのサービス提供により事故が発生した場合は速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに必要な措置を講じること、また事故発生後の対応として、その原因等の分析を通じた改善策について職員に周知徹底を図ること、事故発生の未然防止のための対策委員会や職員に対する研修を定期的に行うことなどについて指導を行っております。 施設における利用者への支援に当たっては、入所者のこれまでの生活状況や身体的、精神的な状況、行動特性などを正確に把握した上で、利用者の個別性を考慮した支援策を施設全体で検討した上で介護に当たる職員が共有し、安全かつ適切で質の高いケアを提供できるように取り組むことが、基本的な対応になると考えています。県としましては、管理者研修や介護技術の研修、認知症などの課題別の研修などを通じて、各施設でこうした対応が適切に行われ、利用者にとっても、そこで働く介護職員にとっても過ごしやすい施設環境となりますよう、引き続き取り組んでまいります。   (危機管理部長森部慎之助君登壇) ◎危機管理部長(森部慎之助君) 伊方原発の安全対策についての議会答弁に関してお尋ねがございました。 県ではこれまでの議会答弁の中で、伊方原発に関しましては、お話にありましたように、最大規模の地震を想定した上で相当程度余裕を持った設計となっている、また耐震性には問題ないなど、その時点時点における四国電力の見解や原子力安全・保安院の評価などをもとに御説明をしてまいりましたが、今回の福島第一原発の事故を見ますと、これまで議員の御指摘のとおり、当時の知見に基づく安全性の評価などが甘かったのは明らかと考えております。また、同様に今回の事故を踏まえますと、地震の規模や津波の高さ、非常用電源の確保策などについての想定も甘く、単に国が定めた基準を守っていくだけでは事故を防ぎ切れないということも明らかになったと考えております。 このため、県としましてはこうしたことを受け、危機管理の視点で県民の安全を守るため、「事故発生を想定した防災対策を、高知県危機管理指針等に基づく行動計画として取りまとめ、事故発生時に備えることとする」と考え方を見直ししたところでございます。そういったことでございます。 次に、安芸市消防署及び中芸消防署の建設計画や建設が予定されている防災多目的公園の津波対策についてどう考えるか、またこれから新築計画のある消防署の数と津波対策、さらに津波高20メートルに対して危険な消防署や避難所、保育所などの数についてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきたいと思います。まず、県内の沿岸部の市町村で、標高が20メートル以下の場所にあるお尋ねの施設でございます。直近の調査では、消防署が25カ所、消防屯所が220カ所、防災公園が23カ所、避難所が553カ所、保育所が179カ所、幼稚園は34カ所でございます。 次に、今後新築計画のある消防署は、構想段階のものも含めまして、安芸市消防署や中芸消防署など18カ所となっております。消防署は、一刻を争う消火活動や救急車への要請に少しでも早く対応を行い、住民の生命、財産を守っていくための重要な活動拠点であり、立地場所につきましては、まずはこういった日常の活動に迅速に対応できる場所を選定していただくことが重要と考えております。さらに、このような条件を満たした上で、地域の防災の拠点として地震や台風などへの対応も求められておりますので、自然災害に対しても危険性の少ない場所に立地をしていただくことが理想であると考えます。しかし、用地の確保などさまざまな事情により、やむを得ず災害による影響が生じる可能性がある場所に立地する場合は、そういった事象が発生したとしても防災の拠点として活動が継続できるよう、万全の対策を講じていただくことが必要だと考えております。 お話にございました安芸市消防署につきましては、過去の津波浸水の痕跡や改築工事を行っております安芸総合庁舎の津波対策なども参考に、土地のかさ上げに加え、1階部分の天井高は5.5メートルとし、もしものときにも活動が継続できるよう、非常用電源や燃料タンク等は屋上に設置をすることになっております。また、3階部分は近隣の住民約1,200人の避難スペースを確保しており、万一の場合には屋上にも避難できる工夫を行うなどの対策が検討されているとお聞きをしております。さらに、地震発生時には、消防活動をするために機動力となる消防車両等を確保するため、これを安全な場所に退避させ、消火活動や救助活動の継続ができるよう対策を検討しているとお聞きをしており、現時点では考えられる対策は設計等に反映をされていると考えております。 ただ、3月末から4月には、最大の津波を考えた国の新しい津波高の想定が発表をされます。万一、この想定が対策計画を上回る場合には、対策の見直しができるよう柔軟に対応していただきたいと考えております。また、中芸消防署を初め整備が予定をされておりますこの他の消防署のうち、津波被害が懸念をされるところでは、現在被害が及ばないところでの整備や土地のかさ上げなどの津波対策を検討しているとお聞きをしているところでございます。このような消防署の立地場所などにつきましては、設置者であります市や一部事務組合などが、消防の果たす役割と防災の拠点であること、さらには地域の特性を踏まえ決定することとなりますが、今後整備されます消防署につきましては、新しい津波高の想定なども踏まえ検討していく必要がありますので、県としましては新しい想定に基づく震度の情報や津波シミュレーション結果、さらには安全対策の事例等の情報提供を密に行っていきたいと考えております。 最後に、安芸川河口に位置する防災多目的公園につきましては、安芸市が平時に地域の方が利用する多目的公園として、市の単独事業で整備を進めるとお聞きをしております。こうした河口の低いところは、津波の危険性が高いところであり、かつ多くの地域の方々が集まる施設でありますので、いつ地震が発生したとしても利用者が確実に津波から避難できるよう、避難路や避難場所の確保などの対策を講じていく必要があると考えております。   (土木部長石井一生君登壇) ◎土木部長(石井一生君) 最初に、高規格道路の整備に関する一連の御質問にお答えいたします。 まず、安芸市の海岸段丘を通る高知東部自動車道や将来の高規格道路への休憩所の設置についてお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。一般的に有料の高規格道路では、インターチェンジ間隔は平均で10キロメートル程度であり、安全、快適に運転が行えるよう適切な間隔で休憩施設が設置されております。一方、無料の高規格道路につきましては、インターチェンジ間隔を短くすることで乗りおりを容易にし、より利用しやすくしているため、一般的に休憩施設は設置されておりません。ちなみに、高知東部自動車道では、インターチェンジ間隔は約2キロメートルから5キロメートルとなってございます。このため、高知東部自動車道を含めた県内の無料の高規格道路に休憩施設を設置する予定はないと国からはお聞きしてございます。 次に、高規格道路の命名についてお尋ねがありました。県東部地域へ通ずる高規格道路は、室戸ジオパークや岩崎弥太郎などに出会う観光道路としての役割も期待されます。この高規格道路の正式名称を変更することは難しいと考えられますが、親しみやすい愛称をつけ、県外からの観光客の皆様に明るい印象を与え、観光道路としてアピールしていくことは、東部地域のイメージアップにつながるものと思われます。このため、他県の事例収集などを行い、愛称の命名について研究してまいりたいと考えております。 次に、安芸道路などへの津波対策についてお尋ねがございました。安芸道路を初め県内の高規格道路は、南海地震時には命の道として期待されており、大きな揺れや押し寄せる津波に強い構造であることが重要でございます。現在、国において津波の想定高さの見直しが行われていますが、その結果が公表されましたら、これから詳細設計に入る高知東部自動車道の芸西西-安芸西間や安芸道路について、可能な限り道路高さを高くすることや盛り土のり面の流出を防ぐ対策など、津波に強い構造とするよう国に要望してまいります。 また、現在海沿いの高速道路ののり面などを、避難場所として活用する動きが広がっており、四国でも徳島県内の2カ所で平成24年度から、のり面を津波避難場所として徳島市が整備することとしております。芸西西-安芸西間や安芸道路についても、平地部は盛り土や橋梁形式で計画されており、道路を津波からの避難場所として活用することも考えられますので、国、市町村など関係機関と連携をとりながら取り組んでまいります。 次に、高知東部自動車道の用地買収の交渉の窓口や事業の見通しについてお尋ねがございました。高知東部自動車道は国の直轄事業であり、国の出先機関である土佐国道事務所が用地の交渉窓口となります。用地交渉においては、代替地のあっせんなどで地元の協力が重要となりますので、安芸市では既に市やJA関係者などによる建設促進農業対策協議会が設立されてございます。また、芸西村における地元の協力体制につきましても、今後村などと協議してまいります。今年度事業化されました高知東部自動車道の芸西西-安芸西間につきましては、現在約6割の皆様に立ち入りの同意をいただき、測量作業を行っております。今後は、設計が整ったところから順次地元協議に入ることとなりますので、県としても最大限協力してまいります。 次に、県立公園の管理について、安芸広域公園で県が許可した便益施設が閉店していることに関し、民間が同じ状態でも計画の提出を待つのか、設置を認めた県に管理責任はないのか、こうした施設は早急に撤去すべきではないのかとのお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。県立公園には主なものとして、すぐれた自然の風景地の保護などを目的とした自然公園と、レクリエーションの提供や良好な都市景観の形成、都市環境の改善など多様な目的に沿って整備した都市公園がございます。お話のありました安芸広域公園は、陶芸などの文化と接しながら、心身の健康づくりの場として整備した都市公園でございます。議員から御指摘のありました交流直販施設が設置されている一帯につきましては、安芸市が陶芸の里構想に基づいて陶芸館などの施設を既に整備しておりましたが、安芸市や地域の皆様方からの要望を受け、平成12年に県はこの地域を安芸広域公園の区域として編入した経緯がございます。 この交流直販施設は、公園区域へ編入後の平成18年に、安芸市が従来から所有していた土地に、都市公園法第5条に基づく便益施設として許可を受け、設置したものでございます。この施設は安芸市が指定する指定管理者が運営していましたが、平成22年1月以降は指定管理者への応募がなく、2年3カ月の間、閉店されたままの状態となっており、まことに残念な結果となってございます。この間、県は2回にわたり許可の更新を行ってまいりました。このことは、地域の活性化を目的とした安芸市の施設を安芸市の土地に安芸市が設置しているものであることから、継続して施設の活用を希望する安芸市の意向を尊重することが適切と考えたものでございます。 議員から、早急に撤去すべきではないかとの御指摘がございましたが、現在安芸市が新たな方策を検討しておりますので、県としても早急に施設が再開できるよう、協議してまいりたいと思っております。なお、仮に民間に許可した施設で営業の継続が困難になった場合でも、公園の機能増進の観点から、まずは施設の活用を検討していただき、利用計画書の提出をしていただくなどの対応をしていくことになると考えております。 次に、県立都市公園内の許可施設の状況とデザインについてのお尋ねがありました。県立都市公園は11公園ございますが、その中に民間や自治体に設置許可した建物は、平成24年2月末で16件ございます。このうち1年以上閉店している施設は、御指摘の施設以外はございません。また、都市公園は、すぐれた自然の風景地を保護することを主な目的とした自然公園と違い、建物の設置に関する基準は定めておりませんので、特に奇抜なデザインとなっているものを除いては、許可をしているのが現状でございます。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) 20メートルの津波に耐えられない高校と高台への移転についてお尋ねがございました。 御質問にございました海沿いにある県立高校5校とは、安芸高校、高知南高校、高知海洋高校、須崎高校及び清水高校を指しているかと考えますが、いずれも海に近く、標高は10メートル未満となっております。いずれの学校も立地場所や標高などからして、20メートルの津波が来たとすれば被害は避けられないと考えております。学校を高台などの安全な場所に移転させることは、地形的な条件や今後の津波の高さ等の想定によって、よりよい選択肢となることも予測されます。一方で、学校の移転は、県立高等学校の再編振興との関係の整理も必要になると思われます。これについては、現在有識者による検討委員会を立ち上げ、御議論をいただいているところであり、そこで出された意見なども踏まえて、検討していく必要があると考えております。 ただ、高台に移転すると判断した場合にあっても、幾つかの課題をクリアして、実際に移転が完了するまでには予想外の時間を要する場合も考えられます。したがいまして、県としましては生徒の安全を確保し避難につなげるためにも、今は何よりもまずは地震の揺れに対する対応が最優先の課題であると考えておりまして、県立学校にあっては現行の耐震化計画を前倒しし、平成27年度末までに実質的な耐震化率を100%とするよう取り組むことといたしております。 ◆18番(樋口秀洋君) 誠意があると思われる答弁もあれば、表面だけさらっと言ったような答弁もあります。しかし、知事を初め執行部の皆さんも一生懸命頑張っていますので、その答弁のよしあしは別としてこれからも私が訴えた部分は、県民の生活の向上、福祉の向上という観点で全力で張り切ってほしいと思います。 時間がありますが、そのような期待を心の中に込めて、物を言わずとも皆さんにわかってほしいので、私の質問をこれで終わらせていただきます。(拍手) ○議長(中西哲君) 暫時休憩いたします。   午後0時休憩---------------------------------------   午後1時再開
    ○副議長(三石文隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 21番西森潮三君。   (21番西森潮三君登壇) ◆21番(西森潮三君) お許しをいただきまして、順次質問させていただきます。 まず、エネルギー問題ですが、この議会でも多くの議員がいろいろな観点で質問をいたしました。私は限定をしてお聞きしたいと思います。まず、高知県は、明治初頭は人口でも全国の10番に入るという、そういう時期もありました。ところが、その後経済成長に乗りおくれて、全国に先駆けて人口減少、過疎化が進んで、先般発表された県民経済計算でも、1人当たりの県民所得が201万7,000円と3年連続で前年度を下回って、全国最下位、1955年以来という状況になっております。振り返ると、私の郷里に仁淀川第三発電所というのがあります。この発電所は出力1万500キロワット、昭和8年に完成しています。これをつくるに当たって、この電気の売り先はない、そういうことで全国で一番安い電気料金で、あの戦後の高知県の経済を支えた港6社、シキボウ、片倉、大旺等々、いのの製紙企業もそうですが、そうした工場を配置して高知は元気な経済を持続しておりました。 ところが、大きく世の中が変わって、そうした流れに乗りおくれましたが、しかし私はあの恐ろしい大震災を間もなく1年で迎えようとしております。昨年の3月11日です。このことを機会によって、我が国の経済や社会のシステムは大きく転換を迫られておると思います。国民の考え方も、大量生産、大量消費、便利な社会、これを求めたことによって原子力発電をつくり、これが今大きな問題になって新たな対応が迫られておると思います。私は、逆にそのことを言いますと、再生可能エネルギー、このことは高知のかつてのそういう時代を想起する、高知再生のチャンスになる。この太陽光などは、全国よりも日照時間が本当に長い、木材も豊富にある、川もある。そういう資源をいかに生かすかが高知のこれからの再生のチャンスになる。 そういった思いで、新産業に取り組んでいくためのメガソーラー、そういったことについて県内の産業をいかに育てるか、企業誘致をどうするかといったことを含めて、私はこうしたエネルギー問題を踏まえての知事の高知再生のビジョンについてお伺いいたしたいと思います。 次に、定時制高校の問題について伺いますが、今年の8月2日、3日と全国の教育振興大会、定時制通信制教育振興大会高知大会というのが開催されます。数多くの教育関係者が高知に訪れてくれるものと思います。それだけに、私は定時制の問題について、久しぶりですがこの議会で質問させていただきたいと思います。長年、高知県高等学校定時制通信制教育振興連盟の会長もさせていただいています。同時に高知県立高知北高等学校の教育振興会の会長もさせていただいています。勤労青少年の育成という重大な責務を果たしている定時制高校を見守ってまいりました。昨今、そうした定時制高校の位置づけなども変わってきているように思いますが、一連の教育改革の流れの中で、さまざまな検討がされていることと思います。こうしたことも踏まえて、定時制高校の現状について教育委員会にお伺いをいたします。 定時制高校は、戦後、勤労青少年のための教育機関としての役割を担ってきましたが、今日社会経済状況の大きな変化により、勤労青少年だけでなく多様なニーズを持つ生徒が在籍し、その果たすべき役割もまた多様化していると思います。教育委員会としてもこうした社会情勢の変化に対応するため、昼間部を併置したり、あるいは単位制なども導入して充実を図ってまいりました。また、こうした定時制高校の役割には、多くの方々の熱い思いが託されております。県下の定時制高校はそうした期待にこたえ、これまで多くの卒業生を送り出しておるのであります。 しかし、かつて経済的に学校へ行けない子供たちが働きながら学んでいた定時制高校の生徒像も、今日社会も豊かになって大きくさま変わりをしておると思います。これまでの働きながら学ぶ生徒以外にもさまざまな生徒が入学をされております。お聞きするところによると、中学校まで不登校を経験した生徒、またほかの高校を中途退学した生徒、家庭環境の問題を抱えた生徒、生活習慣や学習習慣に課題を有している生徒など、生徒の多様化が進み、学校としても新たな対応が強く求められていると思います。 こうした定時制高校の現状はどうか。生徒の多様化が進む定時制高校に対してどのように認識をして、今後どのようにこれらの背景を踏まえた今の定時制高校に対して教育長は考えておられるのか、対応されるのか、お伺いをまずいたします。 そして、学校の配置でありますが、窪川高校定時制も募集停止となりました。県立の定時制高校は、東は室戸高校から西は清水高校まで今12校となりました。ここで懸念いたしますのが、果たしてこの現状の配置で地域的にバランスがとれているのか、偏在となっていないのか、遠距離通学や勤労青少年の通学困難などの問題が生じていないのか、そのことについて大変心配をするところであります。さまざまな困難な状況の中で勉学に励む勤労青少年にとって、通学困難が原因で勉学の機会を奪うことになっているのではないか。また、東西の中核をなす安芸市や四万十市に定時制高校が配置をされておりません。勤労青少年の負担にこのことがなっていないのかについても危惧するところであります。 こうした配置状況をどう考えておるのか、教育長にお伺いをいたします。 また、定時制高校の生徒数は、全日制の生徒数が減少傾向にある中で一定横ばいの状態にありますが、今後も大幅に減少することはありません。そのことが定時制高校への期待の高さのあらわれであると私は思います。全国的には定時制は今減っています。ところが、高知は横ばいかやや多い、そういう状況にあります。このことは、平成19年度にすべての県立高校定時制が学年制から単位制へ移行して、自分の学習計画に基づいて科目を選択し、自分のペースで学習に取り組むことができることとなりました。北高校、大方高校、中芸高校では夜間部のほか昼間部も設け、生活スタイルに合った科目選択や学習の取り組みが可能となり、こうしたことも一定、定時制高校へのニーズの高まりや期待の高さが背景にあると思います。 こうしたことから、定時制高校の入学希望者は多く、その中でも北高校昼間部などは、単位制の導入により卒業することが4年から3年で可能になったこともあって、その倍率は県下で今一番高い、そういう状況にあります。また、これまでの郡部から高知学区への進学が部分的に認められていたことなどによりまして、郡部から多くの優秀な生徒が高知市の全日制高校へ進学してきております。しかし、高知市の中学校の学力は御承知のとおり低い現状にあるために、郡部の生徒に高知市の生徒が押し出され、市内の全日制高校に高知市の中学校卒業生は入れない、入りにくい、そのためこうした高知市内の押し出された生徒が北高校の定時制、特に昼間部へ流れているという実態があります。さらに、24年度新入生からは全学区撤廃となりますので、さらにこうした傾向が強まるんではないかと心配をいたしております。 高知県において、定時制高校が全日制高校に進学できなかった生徒の受け皿になるなど、他県とは違う傾向があるのではないかと思いますが、どのようにこのことを認識しておるのか、教育長にお伺いをいたします。 また、高知市の学力向上対策について、この高知市の中学生に対して高知市教育委員会の行う学力向上の取り組みについて、尾崎知事並びに県教育委員会は、21年度から異例とも言える重点的な財政支援なども行ってまいりました。こうした県の積極的なてこ入れを受けて、高知市の中学校の学力向上につながれば、郡部からの優秀な生徒に押し出されて市内の全日制高校に入れない生徒が北高校定時制に流れてくるということを食いとめることができ、定時制高校としての本来の役割を果たすことができるのではないかと思うのであります。しかし、高知市の努力はまだまだ足りません。もっと使命感を持って学力向上に取り組む必要がありますという声を多く聞くのであります。また、こうしたこととあわせ、高校進学は高知市に集中している傾向があるために、郡部の優秀な生徒に対しては、郡部の高校からも東大でも行けると、好きなスポーツ競技もできると、そういうような特徴のある教育に力を入れて、バランスのとれた高校進学を推進していくことが必要だと思うのであります。 こうした高知市の学力向上の取り組みに対し、県は重点的に支援を行っていますが、高知市教育委員会はどのように努力をされ、どのような成果を得ているのか。教育委員会としてはどのような支援を行い、どう認識しているのか、このことについても教育長にお伺いをいたします。 今後の取り組みですが、定時制高校の抱える課題として、非行、喫煙など生徒指導などの問題を初め、両親がいない、または父子家庭、母子家庭、そうした家庭環境の問題や登校拒否、ひきこもりの問題など、一人一人が問題を抱えている子が多くいます。子供の姿はそのときの社会を反映しております。健全な方向に導いていくことが大切で、高等学校の役割は人間として基礎をつくり、子供を社会へ送り出していくことであります。教育委員長、教育長を初め幹部職員の皆様方も普通高校だけでなく、もっと定時制高校などの現場にも足を運んでいただいて、実際にその目で見ていただいて、実態を知った上で一人一人の子供たちの課題に対して真摯に向き合い、今後より一層の取り組みを願っておきたいと思います。 このことについては、教育委員長に教育委員会としての決意をお伺いしておきたいと思います。 次に、登録販売者、薬の販売のことでありますが、御承知のように平成21年6月の薬事法改正により、医師の処方の必要のない一般用医薬品の販売制度が大きく変わりました。登録販売者制度が創設をされました。近年では医薬品がドラッグストアやスーパーなど、どこでも買うことができるようになりました。こうした医薬品の販売制度の一端を担っているのが、登録販売者という資格を持つ人です。これまでの医薬品の販売は、薬剤師や登録販売者の前身である薬種商が、いわゆるオーバー・ザ・カウンターにより、服薬指導をしながら薬局や薬店で店舗販売ができました。薬局というのは薬剤師さんがいる薬屋さんで、薬舗とか薬店とかというのはいわゆる旧薬種商、今の登録販売者、薬剤師がいなくても薬を扱うことができるという店舗であります。 ですから、こうしたドラッグストアやスーパーで医薬品を販売するためには、薬剤師が本来常駐していることが必要でした。ところがこの法律の改正によりまして、一般用医薬品がリスクの高いものから順に第一類、第二類、第三類と分類をされて、薬剤師は第一類から第三類までのすべて、そして第二類、第三類の販売は、ドラッグストア等の店舗販売は登録販売者だけで販売することができると、そういう制度に変わってきておるわけであります。 登録販売者は、平成20年度から各都道府県が試験を行っております。新しい制度に変わったということ、薬種商から登録販売者という制度に変わったということです。本県でも既に270名ほど合格者が出ておると伺っております。今後ますます増加していくことが想定をされます。また、現在県内で登録販売者として県に届け出を行っている者は700名ほどと聞いております。そうしたこともあって、最近は県内にも県外資本のドラッグストアがどんどん出店をしてきております。スーパーでも家電量販店でも、あるいは高速道路のそうしたお店でも薬が売られております。 そうはいいましても、医薬品というのはあくまでも効能、効果の一面で副作用というものがあります。用法、用量、飲み方、使い方を間違えれば重篤な副作用や死亡につながることもある面、これが一般の商品と薬の違うところです。こうした医薬品を取り扱う専門家である薬剤師は、大学の薬学部が昔は4年制であったのが、今非常に技術革新、商品も次から次に出る、変わっていくということで、お医者さんと同じように6年の大学で学ばなければ薬剤師の資格は取れなくなっています。今年がちょうど6年制になって初めて卒業生が誕生する年であります。それだけ専門性が薬の関係は必要だということです。 その一方で、登録販売者試験というのは、またこれが逆で、昔の薬種商という資格は実務経験が3年なければ受験することができなかった、これが登録販売者は1年でもいいということになった。そして、試験も実物鑑定や面接は薬種商のときはあったけれども、登録販売者というのはその必要がない、いわゆるこれが規制緩和の一つの顕著な象徴であります。薬を扱いながらも、こういうふうに一方では、薬剤師は難しい長期の勉強をさせて、登録販売者というのは簡単に取れるという、そういう制度になっておるわけであります。そのお客というのは変わらんわけですから、国民、県民、市民です。それだけにこの薬を扱う店、人というのは大事だということでありまして、最近はこうした登録販売者の合格者が多く出ておるということであります。そこで、資質の面で、医療の安全性において心配なところです。 この目まぐるしい技術革新の時代にあって、医薬品も日々変わっております。こうしたことに対応することもあり、薬種商時代は毎年研修というのが義務づけられていましたが、登録販売者ではそうした義務はありません。ただ、薬局開設者が登録販売者に対して、事業主に研修の義務規定がされておるだけ、ということはこれは事業主がやるという、自分のところが一番売りたいものについては勉強させると思うんですが、全体の法とか医薬の知識とかということは実際はやっていないというのが実態です。ですから、こうした状況において、日本一の健康長寿県を掲げる本県として、本当に県民に安全・安心を守っていけるのか、いわゆる自分で薬を買って自分で病気を治すというセルフメディケーションを担保できるのか、私は危惧するところであります。そうしたことから、一昨年の9月議会で登録販売者について、どういう形にせよ勉強の機会を設けるべきではないかということを私は質問させていただきました。 健康政策部長から、県としても前向きに検討していくという回答がありましたが、これまでどういう取り組みをされてきたのか、経過と現状をお伺いいたします。 次に、厚生労働省は、登録販売者の資質の向上に関する外部研修ガイドラインを作成して、これを平成24年4月から適用することになっております。これは、薬局開設者の事業主が従事させている登録販売者に対する研修を内部だけでなしに、今の薬の実態からして、登録販売者制度をやってみて、これではいかんということから、外部機関にその研修を委託するというガイドラインを定めておるのであります。それによりますと、研修は毎年継続をして、少なくとも12時間以上の研修時間をとることやそのうちの半分以上の時間を講義で行うこと、また事業主は履修を確認し記録しておくこと、研修実施機関は登録販売者の職能に応じた相当の研修実績を有することなどと定めております。12時間といえば大変な時間で、半日4時間の研修としても3日間かかります。これだけの時間、専門性や客観性を持った研修を実施でき、なおかつこれまで相当の研修実績を有する外部団体というのは限られてくると思います。 薬種商時代には、薬種商協会というのがずっと中心になって研修をされておりました。薬剤師会とかそういったところは去年からやり出しただけで、今までの長い経験はありません。こういう業界の専門団体である登録販売者協会があり、前身のこうした薬種商時代から長年にわたって職能団体として研修を実施してきており、厚生労働省の定める相当の研修実績を有する条件を唯一満たしている団体であると私は思います。今後さらに薬剤師会とか配置販売業協会等の職能団体の協力もいただきながら、定期的、継続的に研修を行っていくということが、登録販売者の資質の向上につながるのではないかと私は思います。 そこで、県は登録販売者がガイドラインに沿って研修が受講できるように、そうした職能団体を支援し、育成強化していかなければならないと思います。例えば、県内の登録販売者の情報について関係団体に情報提供する。また、このことによって各団体は多くの登録販売者に対して研修の受講を呼びかけることができますし、こうした支援をすることによって、職能団体の組織力あるいは体力を強化していき、外部研修を充実させることが、県内の登録販売者の資質の維持向上につながっていくものと思います。 このことについて、県が今年度実施した登録販売者研修をどうするのか、また今後の登録販売者に対する研修のあり方をどのように考えているのか、健康政策部長にお伺いをいたします。 次に、空港の整備についてお伺いをしたいと思います。新年度から、これまで県主導で進めてまいりました博覧会形式でのイベントもなくなり、まさに高知県観光の地力が試される年であります。現在、県内の経済不況も相まって、県内旅行も厳しさを増してきております。こうした人の動きも鈍くなっておりますので、龍馬ブームに沸いた一昨年は例外としても、今後高知県観光は、今までとは違って厳しくなるということを考えておく必要があると思います。そこで、高知県観光を活性化するために、これから高知県が取り組まなければならないのは、国内ももちろんですけれども、国内よりむしろ海外に目を向けていくこと、いわゆる国際観光ということが大事になってくるんだろうと思います。 高知県は、海外、特に近隣のアジア、中でも韓国や台湾などで、龍馬人気はもちろん、豊かな食や自然、おもてなし文化など国内外に通用する観光素材も数多くあります。このような観光素材に磨きをかけていくことは、これまで以上に大事になってきていると考えるのでありまして、知事はもちろん、関係者はこうした状況をよく認識しておられ、産業振興計画などで具体化しようとされております。国内の観光需要が伸び悩むことが予測される中で、海外からの観光客誘致は高知県観光や高知空港の需要低迷を打開するための可能性も秘めており、本県観光の活性化のため積極的に取り組むべきではないかと思います。既に全国の自治体で競って海外観光客の誘致に取り組んでおりますが、本県も知事は韓国や台湾などに直接出向いて、現地の行政責任者や観光会社、また航空会社を訪問して、高知県の魅力を売り込もうとトップセールスを行っております。 私も知事と同行して、2度も3度も、台湾も韓国も行きました。せんだっても2月5日に台湾のランタン祭り、数万人の中で馬英九総統と並んで、日本からも国会議員や各県の知事さん多くいる中で、日本では尾崎知事だけがあいさつの機会をいただいて、私は後ろからずっと見ておりました。堂々としたもので、高知県のイメージが大きく変わって、早速4月には台湾からチャーター便を3便高知へ送ろうということが決まって、いかにトップや議会が一緒になって、あるいは民間も一緒になってそういう活動をすることが大事かということです。議会からも8名参加していただいて、公明党の西森雅和議員も観光議連の副会長として自費で参加していただきました。こういう盛り上がりが結果として出るわけですから、私はこれからも積極的に取り組んでいくことが大事だと思います。 そこでチャーター便を運航してくれる航空会社、復興航空に対して、引き続いてそういう運動で、先ほど申し上げたとおり4月にはチャーター便で来ていただくことになっていますが、私はそこで高知龍馬空港へせっかく外国からお客さんをお招きして、私も2月にはチャーター便で帰ってきました。すると、いわゆる入国審査するための1階に180人も200人もおりるスペースがない関係で、せっかく飛行機で高知に着きながら30分も40分も機内で待たされる、順次入国審査をするために。これでは高知のイメージが入り口で悪くなってしまう。飛行機というのは、お互いがどこへ乗っても、まずスピードを求めるということです。到着をしてベルト着用のサインが切れた、もうほとんど皆立てっています。それは早くおりていきたいということです。 ですから、私はどうしてもこうした空港、国際空港でありませんけれど、高知龍馬空港でチャーター便をこれから積極的に誘致することを考えるとするのなら、そのお客さんに満足を得てもらうためにスペースを確保する必要があると思います。しかし、月に1回や2回しかないチャーター便のために空港ビルがそれを構えるというのは、採算上からも私は困難だと思います。ですから、県や自治体と一緒になって多目的で、あるときはイベント広場、イベント開催に使うとか、防災に使うとか、いろんな備蓄をするとかそういう工夫をして、チャーター便のときにはその部屋を利用する。そして周辺には高知県の観光地のパネルを配置するとか、高知の物産を並べるとか、お茶でもてなしをするとかして、入り口で高知というものに好印象を持ってもらうような、そういう取り組みをすることが私は絶対大事だと思うんです。 このことについては、全体の調整をされておる岩城副知事にお伺いしたいと思います。 これで私の第1問を終わります。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 西森議員の御質問にお答えをいたします。 新エネルギー産業の集積に向けた新たなビジョンについて、決意についてお尋ねがございました。本県が持つ全国トップクラスの日照時間や森林資源などの豊かな新エネルギー資源を最大限に生かすことが、本県の持てるものを生かすこととなり、産業振興や地域経済の活性化につながっていくものと考えております。また、新しい時代の流れに乗ることにもなるものと考えており、本格的な県勢浮揚につながる一つの道であると、そのように考えておるところであります。このため、第2期産業振興計画におきまして、新エネルギーを産業に生かすということを5つのテーマのうちの一つに位置づけて精力的に取り組んでおります。本年7月から固定価格買取制度が導入され、導入後3年間は促進期間として発電事業者の利益に配慮するとされていますことから、このチャンスに乗りおくれないよう取り組みを加速化させる必要がございます。そのため、新たな補助制度を設け、早期に事業展開が図られるよう支援することで、メガソーラー事業の誘致につなげていきたいと考えております。 あわせまして、地域の資源を地域の中で最大限に活用していくために、県内の関係者が参画して新エネルギーによる発電施設を整備していく体制づくりを進めております。昨年11月から県内企業や民間団体、地元市町村などによる協議会を設置いたしまして、地域が参画する形での事業化モデルにつきまして事業スキームや資金調達、県内3カ所の候補地を選定しての経済性評価など具体的な検討を行っております。来年度はこの検討をさらに深めていきまして、メガソーラー発電事業を行う事業主体を立ち上げ、地域主導によるメガソーラー発電事業に着手することで、目に見える形での成果に結びつけていきたいと考えております。 こうしたメガソーラーでの取り組みを、風力発電や小水力発電にも順次広げていきたいと考えております。また、本県の成熟した森林資源をダイナミックに活用していくために木質バイオマスの利用拡大も進めておりまして、これまでの熱利用に加えまして、バイオマス発電にも挑戦していきたいと考えておるところでございます。これらの取り組みを通じまして、新エネルギーに関するニーズの拡大に全力で取り組んでまいりますとともに、産学官が連携し、新エネルギー関連産業のシーズの発掘や育成に努めることで、新エネルギー産業の集積につなげてまいりたい、そして他の産業への波及をもたらすよう取り組みを進めていきたいと、そのように考えております。 私からは以上でございます。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) 定時制高校に関する一連の御質問のうち、定時制の現状に対する認識、また今後どのように対応していくのかとのお尋ねがございました。 現状の定時制高校には、働きながら学ぶ生徒や中学校で不登校を経験した生徒など、さまざまな学習歴を持つ生徒が入学しておりまして、このような生徒の多様なニーズにこたえるために、夜間に学ぶ従来の定時制高校や、昼間に学ぶタイプの昼間部と夜間に学ぶタイプの夜間部を置く多部制単位制高校を設置しております。従来の定時制や夜間部に入学してくる生徒の状況は、働きながら学ぶ生徒は約50%程度で推移をしています。一方、昼間部ですが、これは入学生のうち働きながら学ぶ生徒はほとんどおらず、中学校を卒業してそのまま入学した生徒の割合が90%を超えております。また、入学生のうち不登校であった生徒が約50%を占めるようになっています。定時制教育は、このようにさまざまな生徒が在籍をしており、それぞれの生徒に合った多様なカリキュラムを組み、個別の支援を充実することが必要になっていると考えております。 定時制に学ぶ生徒の多くは、挫折感やそれぞれが抱える課題を克服し、自己を見詰め直し、自分の力で切り開くための努力をしています。このような努力を支援する取り組みとして、例えば外部機関と連携したカウンセリング機能の強化、異年齢交流を進めるため学年の枠を超えた縦割りホーム、自分に合った進路を実現するためのインターンシップや進路講演会、地域の課題を生徒が地域とともに解決する取り組みなどがあります。このような取り組みによりまして、中途退学率は減少傾向にはありますが、県全体ではまだまだ高いと認識をしておりまして、今後も中途退学率の減少に向けた取り組みが必要であると考えております。そのためにも、定時制高校においても生徒の社会性を育成し将来自立できる能力を養うことで、生徒が生きる力を身につけ進路につなげることができるようキャリア教育を進め、定時制教育の充実に努めてまいります。 次に、定時制高校の配置状況についてお尋ねがございました。定時制高等学校については、現行の再編計画において当初14校を平成25年度には10校程度とすることとしておりましたが、地域性や通学の利便性を考慮した上で、県内各地域に一定数の学校を配置することが必要になることから12校を維持し、地域の方々の多様な学習ニーズやライフスタイルにこたえる柔軟な教育システムを整えております。このことにより、現在地域別に見てみますと、東部地域、高知地域、高吾地域、幡多地域のそれぞれに3校が、またそのうち多部制単位制の独立校が東部、中央部、西部にそれぞれありまして、あまねくというほどではないものの、バランスがとれた配置となっているものと考えております。 次に、他県とは違う傾向があるのではないかとのお尋ねがございました。高知県の定時制高校や多部制単位制高校には、中途退学や不登校、発達障害あるいは自分に合った学習環境を望むなど、さまざまな理由で全日制高校を選択せず入学してくる生徒がおります。一方、議員御指摘のとおり、全日制を志望しながらもやむなく定時制、通信制高校に入学してくる生徒もおります。これは全国的な傾向でございまして、高知県も同様であると認識をいたしております。 定時制高校や多部制単位制高校に入学してくる生徒たちの中には、さまざまな学習歴を持つ生徒もおりますが、定時制の特徴である少人数での授業などを生かして丁寧な個別支援の体制を整えることで、生徒たちが安心して学べる場を提供していくなど、一人一人に応じた取り組みができていると認識をしております。議員御指摘の高知北高校の志願倍率の高さにつきましては、高知北高校が、さまざまな課題を抱える生徒にとって自分のペースに合った学習ができ、一人一人に対するきめ細かな指導や保護者との密な連携を大切にする環境を整えた学校であることによるものと考えております。言いかえますと、そうした課題を抱える生徒さんが大変多くなっているというふうに認識をいたしております。 次に、高知市教育委員会の学力向上に向けた取り組みに対する努力と成果及び県教育委員会としての支援についてお尋ねがございました。高知市においては、平成21年度から3年間、学習習慣確立プログラムによりまして、中学生の学習習慣を確立するための教材整備、各学校の実施体制を確立するための学力向上スーパーバイザーの配置、生徒の学習意欲向上のための支援員の配置などを行っております。県としても高知市の取り組みに対して重点的な支援を行ってまいりました。こうした取り組みの成果として、平成19年度の全国学力・学習状況調査では、授業以外で全く勉強しないと回答した高知市の生徒の割合は17.8%でしたが、昨年10月にはこれが4.6%にまで大きく減少しておりまして、中学生の学習習慣が着実に定着をしてきております。 また、高知市が昨年12月に公表した学力調査の結果からは、中学生の学力が県の平均正答率に近づいており、学力の定着が図られつつあります。特に課題が大きかった数学においては、平成19年度はマイナス5ポイント以上県平均を下回っておりましたが、平成23年度にはマイナス2ポイント以内に近づく大きな改善が見られました。こうした成果については、生徒の頑張りはもちろんのこと、高知市教育委員会を初めとする各学校の教員の努力が成果としてあらわれているものととらえております。しかしながら、高知市の中学生の学力は、いまだ県平均にまで達していない状況でありまして、県全体の学力をもう一段高いレベルに引き上げていくためにも、引き続き高知市と協働して学力向上に取り組んでいきたいと考えております。   (教育委員長小島一久君登壇) ◎教育委員長(小島一久君) 今後の定時制教育への取り組みに向けた決意についてのお尋ねがございました。 定時制高校には、お話にありましたようにさまざまな学習歴を持つ生徒が入学しております。こうした生徒たちには、教科の学習や体力面での指導の充実はもちろんでございますが、特に留意しなければならないのは、きめ細かな教育を行うことで生徒みずからの境遇をポジティブにとらえ、将来に向けた明るい展望を持たせることにあると思います。教育委員会といたしましては、教育委員全員が定時制教育に対する強い関心を持っております。教育委員会では、毎年県下の学校を訪問しておりますが、その際にはできるだけ定時制高校を訪問できるように計画いたしております。昨年度も高知北高校や大方高校を訪問させていただきまして、定時制の持つ課題や可能性の把握に努めてまいりました。 さらに、定時制、通信制で学ぶ生徒たちの実体験が披露されます生徒生活体験発表会では、真剣な発表に常に勇気と感動をもらい、いつも心を揺さぶられております。また、私自身も安芸高校の校長時代には定時制教育に携わりましたが、不登校ぎみであった生徒が見事に立ち直る姿を見てまいりました。また、卒業生の多くが地元に残り、地域の担い手として活躍している姿も見てまいりました。また、現在私は山田高校の定時制の生徒を対象に毎年講話をさせていただいております。その中で、自尊感情を持つこと、努力することの大切さ、そして高い志を持って努力することの大切さなどを話させていただいております。 定時制の多くの生徒が、さまざまな壁に突き当たりながらも自分の進路を模索し新たな目標を見つけ頑張っている姿や、卒業生の多くが地元に就職し地域の担い手となる可能性を秘めていることなど、そういった点から定時制教育の重要さを強く感じております。このような生徒たちがさらに充実した学校生活を過ごし成長できますよう、県教育委員会といたしましては、各学校の実態を十分に把握した上で定時制教育に対する明確なビジョンを示し、将来の高知県の一翼を担う人材の育成のため、定時制通信制教育振興連盟の皆様初め関係者の御協力をいただきながら、定時制教育のさらなる充実のために努力したいというふうに考えております。   (健康政策部長入福聖一君登壇) ◎健康政策部長(入福聖一君) 医薬品登録販売者の研修について、これまでの取り組みの経過と現状、今後の研修のあり方についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきます。 平成21年6月に施行されました改正薬事法において、薬局開設者や店舗販売業者などの事業者は、一般用医薬品の販売に従事する登録販売者に対して、事業者みずからが実施する研修または職能団体等が行う外部研修を受講させ、その資質向上を図るよう義務づけられました。しかしながら、昨年度までの状況では研修を受ける機会の少ない登録販売者がまだ多数いると考えられました。このため、今年度は登録販売者に対する研修の実施について改めて事業者に周知いたしますとともに、高知県医薬品登録販売者協会、高知県薬剤師会等の関係団体と県との共催により計4回の研修会を開催したところ、合わせて362名の受講者がありました。これらの取り組みにより、県内の登録販売者に対して一定の研修機会を確保できたと考えております。 次に、今後の研修のあり方について、厚生労働省は登録販売者に対する一定水準の研修を確保するため、外部研修についてのガイドラインを定め、本年4月から適用することとしています。県といたしましては、このガイドラインに沿って、すべての登録販売者に外部研修を受講させるよう事業者に周知徹底してまいります。さらに、外部研修を実施しようとしている機関、例えば研修実績のある高知県医薬品登録販売者協会などに対して、事業者の名簿を提供することや県職員を講師として派遣することなど、今後とも県として直接的な支援を行うことによりまして外部研修の充実強化を図ってまいります。こうした取り組みを通して登録販売者の資質向上を図り、登録販売者が一般用医薬品販売の専門家として適切な情報提供や相談への対応を行うことで、県民の皆さんが安心して医薬品を購入し使用できるよう取り組んでまいります。   (副知事岩城孝章君登壇) ◎副知事(岩城孝章君) 高知龍馬空港での海外チャーター便のお客様の入国をスムーズにするための待合スペースの整備を、地元自治体や県がかかわる形でできないかとのお尋ねがございました。 平成22年度に高知龍馬空港に着陸した国際チャーター便は10便あり、約1,300人の方が高知より入国をされておられます。中には200人を超える便もございますが、多くは1便当たり約100人から120人規模となっております。現在の高知龍馬空港は国内線専用のターミナルとなっておりまして、国際チャーター便到着の際には、120席分のいすがある待合所内に乗客を御案内し入国審査等を行っておりますが、これ以上の乗客がおいでになった際には、立ってお待たせすることを避けるため航空機内で待機してもらう場合もございます。高知空港ビルによりますと、すべての乗客の皆様に空港ビル内でお待ちいただくには、現状ではスペース的には余裕がなく、増築するほかに方法がないとのことです。この場合、本格的な増築をする場合、またボーディングブリッジのない比較的経費のかからないLCC対応型でも、他県の例では相当な建設費を要したと伺っております。加えまして、現在の空港ビルの構造上、建設が可能かどうかの検討も必要となりますし、用地が確保できるかどうかの課題もございます。 なお、県外では、議員御指摘のように国際線ターミナルに自治体関連の事務所を併設した事例や、県や市町村が建設費の多くを負担した事例もございますので、今後こうした事例も研究しながら、海外からのお客様の受け入れ体制の検討を進めていきたいと考えております。ただ、議員御指摘のように、高知に来ていただいた外国のお客様に不快な思いをさせずにお迎えし、いい思い出を持ってお帰りいただくための手だては、大変大切な視点でございますので、当面は待合所のスペースの中でいすをふやすなどの環境整備について空港ビルと協議を行うとともに、待合所内に通訳を配置し、観光案内を行うなどの対応をしてまいりたいというように考えております。 ◆21番(西森潮三君) 2問を行います。 まず、知事の再生エネルギーの問題ですが、これは行政だけでなく、金融機関とか経済界、産業界、そういったところと一緒になって、高知再興あるいは新しい産業興しについてお互いに協議をしながら、いわゆるプロジェクトをつくってやるというぐらいにしないと、高知をいろんなメガソーラーなんかはねらっていますよ、状況で。そうすると、金融機関も大都市から高知にどんどん来るということになってくると思うんですね。だから、ぜひ一体になって、高知の絶好のチャンスだととらえて、この問題に取り組みをしていただきたいと思います。 それと、中小企業の経営支援、設備投資に対する支援なんかの質問もさきにありましたから伺いませんでしたが、やっぱり今高知県が所得も低くなったとか、あるいは人口が減るというのも、働く場所がない、働いても所得を得ることができないということです。やっぱりこういったことについて、設備投資とか企業を育てていくと、大きくしていくと、力強くしていくということが大事ですから、そういうことについても積極的に取り組みを、産業振興計画もありますが、とにかくそういったことに意を用いて取り組みをしていただきたいと思います。 それから広域連合、これは観光ともセットになるので時間を見てと思ったんですが、このことについては、観光なんかでも四国4県の観光議員連盟というのは、もともと四国4県観光議員連盟という名称でした。これをもうそういう四国4県とかという境はのけようということで、四国観光議員連盟になっています。我々もう議会サイドは四国が一体だと、しかも国際観光とかそういうことを進める場合にはそういう観点が大事だということで取り組みを進めています。ですから、今回四国広域連合を知事会で決めたということは私も大賛成で、これは関西とか、あるいは九州に次いで、国の出先機関の受け皿となる機関が地方分権推進に向けた具体的な道筋で示されて、改革が大きく前進すると期待をしております。そういった意味で、私はこの問題についてもぜひとも共同して実施をしてもらいたい。これだけ人口も減ってくると、そういうことを積極的にやらないと、しわ寄せは一人一人住民に来るわけです。 だから、広域連合も積極的に進めていただきたい、お考えがあったらお聞きしたいと思います。 なお、この広域連合の関係で、四国の市町村長さんなんかの過半数が、出先機関の移管には反対という意見があるということが報道されておりましたが、このことをどう受けとめておるのか、知事にお伺いをしたいと思います。 教育の問題、定通の問題ですが、さらりとお答えをいただきましたが、しかし御承知のとおり北高校というのは倍率も普通の高校よりか高いぐらいですよ。それだけ今はニーズがあるということ、夜間もある、昼間もある、通信もあるということで、もともとは今のような状況というのを北高校をあそこへ持っていったときは想定していなかったと思うんですね。今は一番過密だと思うんです。しかも複雑な子供が多いだけに、普通の高知追手前高校だとか、あるいは土佐高校や高知学芸高校みたいなよりすぐりの生徒が集まった、ただ勉強のことだけやりゃあええっちゅう学校じゃないんです。生活態度・習慣、本当目を離すことができないような状況ですよ。ですから、そういったことにも十分目を配って、皆さん方もたびたび関係者との話もして、私はぜひ定時制高校というのをより充実さしてもらいたいと思います。 また、この夏に全国大会も高知で行われますが、やっぱし社会とともに定通のあり方というのは大きく変わっています。ですから、毎年地区会というのをやっているんですよ、3カ所ぐらいで、県下3カ所に分かれて。そういうところへ行って、いろんな課題が出ています、学校から。それを教育委員会も、余り幹部が来ている例を見たことないんですが行けるわけですから、問題ありということは認識していると思うんです。ですから、それを来年度にどう解決するために取り組みをするかということは、真剣に向かい合っていただきたいということを願っておきたいと思います。 それと、登録販売者の件は、今前向きな部長から答弁をいただきました。必ず法律でそういう研修をするということの流れ、高知県のその動きが全国を動かしたと言っていいと思うんです。日本一の健康長寿県として、私は誇るべきそういう研修をやったことによって、国が全国的にそういう取り組みにこの新年度からするわけですから、ぜひこれからも模範になるような取り組みをしていただきたいと思います。 それと、チャーター便のことですが、空港整備、当然いろいろ問題があるが、いすをふやしたりしてやろうということですから、ちょっと前進かなと思うんですが、あなたら余りチャーター便乗ったことないと思うんですね。実際私はこの2月にも乗った、せっかく高知空港へ着いてもおりられない、これではせっかく積極的にチャーター便で外国からの誘致をしようとしても、入り口で印象が悪くなることは間違いない。だから、できることからやっていかなきゃいかんと思いますが、今地震とか津波とかいろんなことを言われています。そういったことを含めて総合的に検討して知恵を出して、解決する方法がないのかということをぜひ詰めていただきたいと思います。 それともう一つ、先般も2月に台湾に行っていただきました。知事も一緒に、私ども議員も9人行きました。そして、よさこい鳴子踊りのほにやさんとか花神楽さんとか、そういう方々も行っていただいて、非常に盛り上げて高知の印象は非常によかった。しかし、一般の県民が参加してくれたよさこいの皆さんは、全部自費ですよ、ボランティア。これは1回ぐらいはそんなことができるかもしれんけれども、またいろんなところへお願いするに、こんな取り組みでいいのかということです。 ですから、これについて何らかの支援を私はしていくべきだと思うし、今回行ってくれた人にも、どうやってその思いに県として感謝の気持ちをあらわすのか、そのことについても私は観光振興部長にお聞きをしておきたいと思います。 1回ぐらいだったら協力してくれます。私はそうした皆さんも自費で行っていると言うから、私らだけが税金で行くわけにはいかんと思って、私も自費で行きましたよ。その結果が4月にはチャーター便3便ということになって、いろんな行政や議会や県民も含めた取り組みがそういう実りを得ているわけです。これからも一緒にそういうことをしていっていただくために、そういう踊り子の人なんかは本当に若い方もおる、それが休みをとって、しかも自分でというのは何回もできることじゃないと思うので、私は何らかの支援策というのを考えるべきだと思います。このことについてどうするのかということをお聞きしたい。 これで2問を終わります。 ◎知事(尾崎正直君) まず、再生エネルギーにつきまして、行政だけではなくて産学官、そして金融機関、こちら一体となりまして、プロジェクトをつくってやっていくことが必要ではないかというお話でございます。御指摘のとおりだというふうに思います。今、それぞれの新エネルギーごとにどのようなビジネスモデルが成り立つか、そのためにどういう事業主体をつくるか、どこでやるかということについて、ある意味一定モデルがつくれるような検討というのを進めてきて、これを何とか来年度以降立ち上げていきたいというふうに思っています。 ただ、それぞれの新エネルギーの事業、それが単体のパーツになってしまっては大きな広がりを持たないので、それを全体としてどう経済全体に波及さしていくかという、より大きい絵をかいていくということも必要だと、そのように思います。産学官連携会議、こちらを立ち上げて、いろいろ大きな物事についてのプロジェクトを立ち上げる仕事をしておるわけでございますが、まさにそういうところで論ずべき課題だろうというふうに思っています。産学官連携会議は金融機関も入っていただいておりますので、一体となった取り組みを進めたいと思っています。 中小企業の設備投資を促し、企業を育てていくことが大事であるという御指摘でございます。今、産業振興計画の第2期計画の見直しを行おうとしておりますが、第2期計画は、何度も繰り返しになりますけれども、1期目のものづくりの地産地消から地産外商の取り組みをより大きくしていくということ、そして中山間対策をやるということ、そしてもう一つが製造業支援を行いたいということであります。さまざまな付加価値をつける工程が県外に出ていってしまって、外商の効果がなかなか県内に波及しないという理由の大きなものの一つに、製造業の集積が県内に非常に薄いということがあると思っています。ですから、この設備投資を大きく促していくということが非常に重要だと思っております。そういうことで、この平成23年度から企業立地、企業の設備投資に対する補助金の要件を大幅に緩和して手厚いものにしましたところ、例えば企業立地の新増設の件数でありますが、平成21年度は8件で22年度は3件だったのが、23年度は一挙に19件まで大幅に拡大をいたしました。設備投資誘発効果が一定出てきたのかなと思っています。 ただ、県内の工業会の皆さんを初め、いろいろな事業者の皆さんと直接的な意見交換を重ねていく中で、やはり今の雇用10人とか、設備投資5,000万円というこの下限のハードルが余りにも高過ぎるじゃないかという、いろいろな御意見をいただいたところでございます。そういうことで、今回さらに要件、ハードルを引き下げ使い勝手のよいものとした、しかしその分ちょっと補助率は低くなりますが、そういう補助金を設けたところであります。そういう取り組みを通じまして、設備投資の誘発、これをぜひ促していきたいと、そのように思っています。幸い、今、日銀短観などのデータによりますと設備投資意欲がかつてないぐらい高まってきている状況でございますので、この機を生かしていきたいと、そのように考えております。 四国4県で広域連合の設立を決めましたことにつきまして、第一義的には、新制度に基づきます広域連合などに対する国の出先機関の移管、この受け皿づくりを目指したものでございます。4県ともにそれぞれ産業振興施策に取り組んでいく中で、地域の実情に合った形で経済施策を国においても展開していただくために、経済産業局の移管を求めることが適当であるということで4県知事で合意をしたところでございますが、関連の持ち寄り事務、これも持ち寄って四国広域連合として仕事をしていくということを想定いたしております。例えば、鳥獣被害対策などというものもございますが、御指摘のありましたような4県共同での海外への観光誘致の取り組みとか、そういうことも当然視野に入ってくるというふうに考えておりまして、有効に生かしていきたいと、そのように思っています。 報道で、四国の市町村長さんの過半数が出先機関の移管に反対であるという報道があるがどうかという御指摘をいただきました。確かに先般報道のありました四国内の有志の市町村長さんによります四国地方整備局等の出先機関の廃止に強く反対する旨の要望活動でございますけれども、賛同を示しております県内の関係市町村長さんにその趣旨を確認いたしましたところ、四国経済産業局につきましては反対意見はなく、必要なインフラ整備がおくれることなどへの懸念から、四国地方整備局の移管や廃止について反対を表明したということでございました。四国地方整備局について、これを今回の広域連合の対象としないということにつきましては、4県知事の間でも既に合意をしておることでございます。そういう意味において、少なくとも高知の市町村長さんとの間で我々4県知事との考え方にそごはないと、そのように考えておるところでございます。 以上でございます。 ◎観光振興部長(久保博孝君) 台湾で本県の観光PRに協力していただきましたよさこいチームに関する対応についてお尋ねがございました。 先月6日に台湾政府の主催の台湾ランタン祭りが彰化県で開催されまして、その祭りに本県のよさこい踊りの2チームが参加して、本場高知のよさこい鳴子踊りを披露していただきました。踊り子の皆様は、特設ステージや繁華街で70万人にも及ぶ観客の前で踊られまして、自由でエネルギッシュな高知県というものをPRしていただきました。本県のイメージアップと認知度向上に大いにつながったと思っております。このことを受けまして、踊り子の2チームには今月の中旬に知事から、本県の観光振興への御貢献に対する感謝状を授与さしていただきたいと考えております。 また、先ほどお話しございました自己負担の件でございますけれども、これまでは国内でのイベントの参加につきましては支援がございましたが、海外で行われるイベント等の参加につきましては県の支援制度がなかったことから、今回踊り子の皆様が私費で参加し、本県のPRに御貢献いただいたということになっております。来年度に向けましては、国内外の大規模なイベントで本県の観光PRや認知度の向上に貢献すると認められる場合には、よさこい鳴子踊りに限らず、郷土芸能やPRに資する活動を行うグループや団体に対しまして、参加を促進するための支援制度を設けたいというふうに考えております。支援の内容といたしましては、公平性の視点でグループや団体の選定をした上で、旅費の一定の額を助成したいと考えております。今後はこうした支援制度を活用しまして、本県ならではの文化的な魅力などをアピールしながら観光PRをより効果的に展開し、海外からの観光客の誘致にも努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆21番(西森潮三君) 3問を行います。 私が冒頭に申し上げたように、3・11の東日本の大震災によって人間の、日本国民の考え方も大きく変わったと思うんです。今までは経済成長、右肩上がり、便利な社会、そして豊かな社会を求めてきたがそのツケが、自然に人間がそうした浅知恵で挑戦してもとても無駄だというある意味ではあかしであったかと。これを大きく今後に教訓として生かしていかなきゃいかん。そうすると、高知県というのは自然も多くある、いろんな豊かな資源も多くある。これは高知の新しい、明治初頭に日本をリードしたように最高のチャンスだととらえて、産業振興計画を中心にして、ぜひ積極果敢に取り組みをしていただきたいと思います。そのことを強くお願い申し上げておきたいと思います。 それと、いよいよ最後ですが、この議場ではまだ予算委員会もありますが、私が質問に立つのも今回、今期で勇退をされる森部危機管理部長とか、あるいは交通運輸政策担当の片岡理事、そして監査委員事務局の中島事務局長と、鍵山議会事務局長もそうですね。そのほかこの春に167名の県庁職員が勇退される、定年を迎えるそうです。こういう時期に、高知県勢の発展のために貢献していただいたことに、私も県民の一人として心から感謝を申し上げたいと思います。どうぞこれからは家族と一緒に余生をゆっくりと楽しんでいただき、同時に高知県のことについてもいろいろと意見をいつでもいただくように、どうぞ本当にお世話になったことに心から私も議員の一人として感謝を申し上げて、労をねぎらいたいと思います。本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。これで質問を終わります。(拍手) ○副議長(三石文隆君) 暫時休憩いたします。   午後2時10分休憩---------------------------------------   午後2時30分再開 ○議長(中西哲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 22番西岡寅八郎君。   (22番西岡寅八郎君登壇) ◆22番(西岡寅八郎君) 議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。 本会議の質問もきょうが最終日、最後の質問者となりましたが、既に11人も登壇しておりますので質問も出尽くしておりますが、私なりの視点で重複を避けて質問させていただきますので、御答弁のほどよろしくお願いします。知事は提案説明の中で、県勢の浮揚を目指した産業振興計画の第2期計画案について詳しく述べられておりますが、この計画案では、各分野ごとに10年後のイメージと4年後の具体的な数値目標を掲げられております。そこで、まず産業振興計画について知事及び関係部長に質問します。本県の産業は、県際収支から見て外貨獲得額等が全国的に見ても脆弱であることから、外貨の獲得と、その外貨が県内経済を活性化させるという考え方に基づき産業振興計画を策定し、PDCAサイクルを回すことによって官民協働で実践していくという政策であり、第1期の知事の就任後、最初に着手した、まさに知事の基幹政策であります。 産業振興計画策定時には、かつての県計画のように、つくっただけで結果的にはたなざらしになるのではないかと私たちは思っておりましたところですが、予算の裏づけをした実行する計画にするという知事の強い決意で、産業振興計画の策定、実行を進めてこられたのが知事の第1期であると思います。こうした産業振興計画の策定、実行については、我々議会としても賛意を表し、応援、協力してきたところでありますが、産業振興計画を改定して第2期の産業振興計画案が固まったところであります。第1期の産業振興計画は、それぞれ到達目標を掲げ、実践してきたところでありますが、実践の結果を総括した上で第2期の産業振興計画が策定されたことと思います。 そこで、第1期の産業振興計画で実を結んだこと、これから実を結ぼうとしていること、また実を結ばなかったことなど、具体的に総括されていると思いますので、その総括の内容を知事にお尋ねします。また、1期の産業振興計画の策定、実行について評価点をつけるとしたら、100点満点で何点をつけられるのか、評価理由もあわせてお答えいただきたいと思います。 さらに、各産業振興所管部長に産業振興計画の実践結果の総括について具体的にお尋ねします。第1期の産業振興計画の中で、例えば漁業振興計画は、魚価の向上を図り漁業者の所得向上を目指すことを中核的な目標として掲げ、魚市場の開設、運営者である漁協が買参人として市場取引に参加できるようにすることや、高知市横浜に魚専門の直販市を開設、運営するなど、いろんな施策を打ってきたところであります。その後、実際に魚価がどのように動いたのか、漁業所得の向上にどうつながってきたのか、総括されていると思います。 農業振興計画については、消費者の低価格志向に対応した量販店等の低価格戦略による農産物価格の低迷や、農業資材の高騰による農業コストの上昇などによる農業所得の減少にしっかり対応していくために、地域の生産技術のトップにある生産者の生産技術のノウハウを解析して、生産者が学び教え合う産地を形成するよう普及指導員がリードして、脱落者のない高位平準化した産地をつくることを目指した、まとまりのある産地づくりの政策を基軸として、中山間地域の生産者が地域で未来に向かって持続的に生活できる所得を目指すこうち型集落営農、そして安全・安心の農産物の生産販売における日本のトップランナーを目指して、すべての品目をカバーする環境保全型農業の取り組みが、第1期の農業振興計画の基幹の政策であったと承知しているところであります。 こうした中核的な政策の目標に対して、その成果及び実を結ばなかったことについて、どのように評価しているか、各産業振興所管部長の具体的な総括をお尋ねします。 知事は、高知県の産業構造を見たときに、農業における青果販売といった素材産業に偏っており、農業者等の所得や外貨を獲得して県内経済を活性化するには加工産業の育成が必須であるとして、外貨を獲得できる加工産業の育成を目指して取り組んできたところであります。加工への機運は一定盛り上がっているように思われますが、外貨を獲得する加工産業の育成という視点から見ると、県域での取り組み、つまり農業や漁業全体での加工への取り組みといった視点から見たとき、今まで取り組んできたさまざまな成果や反省も踏まえて、しっかりと道筋をつくっていくことが肝要であると思われます。 こうした視点からも考えたとき、その成果をどのようにとらえているのか、まさに外貨を獲得することによって県経済が活性化するような加工産業の育成につながる成果や、その芽生えができつつあるのか、加工産業育成に向かっての実践を踏まえて今後どのような展開を図っていくのか、総括の件も含めて産業振興推進部長にお答えいただきたいと思います。 私ども議員も、事業者の皆さんなど多くの県民の方々と県経済のことや県民生活の現状など、多くの分野にわたって生活実感、実業実感として話をすることが多くあります。その中で、生活に余裕がなくなり、所得の多くが衣食住などの生活必需経費となり、楽しみとなる娯楽等に使える余裕がなくなってきて、生活に潤いがなくなってきたという生活実感からの話をよく聞きます。一方、娯楽等を事業とする事業者の話でも、県民生活がさらに厳しくなってきており、生活必需経費優先の生活からお客さんが減少してきているといった事業者の話が聞かれ、厳しい県経済の実態が浮かび上がってきております。こうした厳しい県民生活、実業の実態からも、産業振興計画の成果の発現は待ったなしの状況にあると思います。産業振興計画の目指すところは、しっかりと本気で実現に向かって取り組んでいかなければならないのは当然でありますが、産業振興計画に基づいて策定した諸施策が実効力があったのか、効果として発現できなかった原因、理由を探索して第2期の産業振興計画に生かすことが重要であると思います。 こうした視点で改めて産業振興計画を振り返ったとき、中核的な目標として掲げていた計画、施策でできなかった原因、理由と第2期産業振興計画案の実行でその反省をどう生かしていくのか、各産業振興所管部長の決意を含めてお尋ねします。 産業振興計画の策定と実行において、計画が成果を上げる重要な要素として、実行力のある政策、官民協働の姿、政策の最大効果を実現する実行力が上げられると思いますが、実際に効果のある政策は、予算の立案に伴う知事を中心とした県庁内の検討と、それに並行した民間の有識者が加わった検討会などによって十分に審議されたもので、官民協働の姿についてはこの実行力のある政策がしっかりと民業に伝わり、民業の意欲と実業への誘導につながってきているのか、検証が必要ではないかと思います。 人間関係の、それも理想的な友人関係に例えて水魚の交わりという言葉があります。私はこの言葉は、お互いに水となり魚となり生きて成長していく関係を称しているものと考えていますが、産業振興計画の策定と実行に当たっては、官と民が水と魚の関係をつくり、ともに成長していく関係をつくっていくことが重要であると思います。こうした関係をつくっていくことは、検討会や協議会などの官と民が会議の机上で議論する関係だけでなく、日常的なコミュニケーションの中で民の本音の意見を吸収する仕組みや心構えが大切ではないかと感じています。産業振興計画の実を上げていくためには、官民協働の姿が重要であると知事も常々話していますし、まだ到達すべき官民協働の姿が実現できていないということであれば、どのようにしてつくっていくお考えであるのか懸念をされるところであります。 また、政策の実行力について、知事を中心としたPDCAサイクルの検討資料づくりに忙殺されて、実行に十分な手が届いていないということではないか。さらに、知事を中心とした検討内容が、地域で活動している職員や地域住民の皆さんに十分伝わっていないのではないか危惧されます。実際に、地域で活動し地域住民の皆さんと接している職員に政策の意義や思いが十分伝わっていないとすれば、政策の最大効果を実現する実行力にならないのではないかと思います。産業振興計画の策定と実行において、実行力のある政策と真の官民協働の姿をつくり、県民及び事業者の皆さんと県土全体に計画の内容を現実の姿にすることこそが、県民すべてが期待するところであると思います。 こうしたことも考慮して、第2期産業振興計画案の実行に当たって、第1期産業振興計画の総括を踏まえて、知事はどのような決意で臨まれるのか、お尋ねします。 次に、農業問題についてお尋ねします。特に農協の問題について質問します。昨年の2月議会で農協問題を質問しましたが、その際、県下の農協で直近の決算で赤字を計上している農協がどれだけあるのかお聞きしたところであります。農業振興部長の答えの中で、厳しい農協経営の実態が浮かび上がってきたと思っております。かつての農協経営であれば、信用事業や共済事業などで利益を計上して、営農指導事業や販売事業などに活用して、持続的な地域営農を構築する農協としての役割を相当程度果たすことができたと思います。 しかしながら、信用事業や共済事業でかつてのような利益を計上できなくなり、農協の財務内容が厳しくなっている現在、今の規模の単位農協で地域農業の振興の核的な存在として、また農業コストが上昇し、農業技術が高度化し、営農指導の役割が時代的な要請として大きくなっている中で、農業者の期待にこたえられる農協の役割が果たしていけるのか懸念をしておるところであります。一部の農協では、営農指導員が共済事業などのノルマを課せられて、営農指導事業に専念できなくなっているような農協も多くなっていると聞いております。経営重視で背に腹はかえられない状況であると思われるところですが、農協が経営と営農のバランスを欠き、負のスパイラルの状況の中にあり、農協本来の目的からずれてきているのではないかと危惧されます。 こうした危機感からだと思われますが、高知県農業協同組合中央会等の農協団体としても県下1農協構想の検討に入っているのではないかと推察いたしますが、実際に本県農協の姿をどのように分析して県下1農協構想の検討に入ったのか、農業振興部長にお尋ねします。 また、かつて16農協構想、8農協構想といった構想があり、そうした構想の実現に向かって合併を進めた結果が現在の状態であるわけですが、16農協構想、8農協構想ではなく、県下1農協構想の検討に入った理由があると思われますが、今までの合併構想との比較の上で農業振興部長にお尋ねします。 さらに、県下1農協構想の検討がどのような工程の中で行われ、現在どこまで進んでいるのか、農業振興部長にお尋ねします。 私は、農協の使命は農業者とともに魅力的な農産物を生産販売して、消費者に選好される産地となることによって、次世代に向かって後継者等担い手の確保を可能とする農業所得を上げることができ、持続的に発展できる本県農業を構築することにあると思います。そのためには、その使命を経営の中核に置いて農協経営を進めていかなければならないところですが、経営と営農のバランスを失いつつある現状から、高知県農業を持続的に発展できる農業に再構築することが農協に求められている本来的な使命であり、その使命を果たすことができる農協体制を構築していただきたいと切望するものであります。 本県農業においても、持続的に発展できる農業の姿を構築するための基礎的な条件である後継者、担い手が将来にわたって確保されているわけではなく、後継者不足、担い手の高齢化の進行などによる担い手の不足の状態が深刻さを増してきているのが、今の高知県農業の姿であろうと思います。高齢化の進行などにより5年先、10年先の担い手の状況等について、一定の条件の中で当然シミュレーションもされていると思います。5年後、10年後の本県農業の厳しい姿が映し出されてくると思われますが、想定される本県農業の厳しい姿に、前へ前へ対応していくことが持続的に発展していく高知県農業を構築していくために肝要であることは論をまたないと思います。農協等の組織整備は、農業団体の主体性の問題であるということは承知しているところでありますが、想定される厳しい将来の高知県農業の姿にしっかりと対応していくことが、持続的に発展する高知県農業の姿の実現に大きな役割を果たすことになります。 そこで、高知県としては高知県農業協同組合中央会を初めとした農業団体と一体となって、高知県農業の発展の基盤となる農協のあるべき姿を早期に実現していくために、県下1農協構想の検討のスピードアップを図っていただくことと、持続的に発展する本県農業の姿を実現できる第2期の産業振興計画の策定と施策の立案、そして力強い実行が必須であると思いますが、農業振興部長の決意も含めてお答え願います。 続いて、地産外商公社について質問します。高知県産品の販売拠点として、またアンテナショップとして営業する中で、またテストマーケティングする中で消費者ニーズを的確にキャッチして事業者にフィードバックし、商品を磨き上げて全国に通用するメジャーな高知県産品をつくり出し、外貨を獲得して高知県経済を活性化することを主眼に地産外商公社を設立して、最もグレードの高い東京銀座にこだわってまるごと高知を設置運営していることは、県民のほとんどが承知のことであり、地産外商公社に期待するところは大きなものがあります。地産外商公社の経営状況は、物販部門が当初計画に届いていない状態にありますが、私としては経営の総体としては及第点であると考えています。さらに、本県産品のよさやメジャー級の商品にグレードが高まるにつれて消費者に浸透していくことが期待され、経営のバランスが図られてくるものと思っています。 東京銀座にまるごと高知を開店する前から、高知県の産品がアンテナショップの東西の2強であります北海道や沖縄に伍して販売高を上げることができるとは、だれしも想定していなかったはずであります。総体的に高知県産品の商品力が強くないからこそ、東京銀座の消費者のニーズによって磨き上げ、商品力をつけて一つでも多くの商品を全国に通用するメジャーな商品につくり上げていくよう、官民が力を合わせて取り組んでいき、外貨を稼ぐ産業構造に転換して県経済を元気にしていくことは、今後とも普遍の最重要な目的であると思います。地産外商公社は、物販とレストラン部門で営業を行い、営業部門で商品の特性に応じた営業展開を行い、マーケットを開拓していくことが全体の業務であると承知しているところであります。高知県産品の未来へ向かっての展開を考えたとき、物販のような定点販売の中で、さらにテストマーケティングで消費者ニーズをキャッチして商品を磨き上げて、営業部門も絡めてメジャーな商品にしていくことが最重要な戦略であります。 まだ1年半足らずの営業段階で、これが成果だと示すことは困難な状況下であると思いますが、こうしたシステムの中でどのようなものが成果への芽生えとして現出してこようとしているのか、メジャーな商品への段階を上っているものがどれだけあるのか、今までの取り組みの中で課題もあろうと思いますので、課題とその対策も含めて産業振興推進部長にお尋ねします。 産業振興推進部長は2代目の地産外商公社の代表理事であったわけですが、こうした重要なミッションを担っている責任者が、まるごと高知を開業して以来1年4カ月で3人目となるようなことでは、組織目標に一丸となって取り組む組織の一体性から見ても、代表理事を中心とした職員の意欲の結集といった観点からも、望ましい姿であるとは私は到底思えないところであります。県民、産業界の期待が大きく、その期待にこたえる地産外商公社をしっかりとしたものにして、職員の意欲を結集して、官民が協働して未来に向かって展開して、地産外商公社のミッションを果たしていくためには、代表理事の強い指導力と経営手腕は必須であると思います。 知事としては、地産外商公社の望ましい経営の姿を構築していくための条件整備について、代表理事の問題も含めてどのように考えておられるのか、お尋ねをします。 次に、日本一の健康長寿県構想について、ほとんどの部分重複しておりますので、病院の部分だけやらせてもらいます。県立病院事業の将来的な方向についてお尋ねします。言うまでもなく、県立病院は県の東西保健医療圏の中核病院として、地域の医療に欠かすことのできない役割を担っております。平成11年に開院した幡多けんみん病院は、文字どおり幡多地域の中核病院として、地域医療の確保に多大な貢献をしております。また、新たに整備が進められている県立あき総合病院に対しましても、県民の期待も日々高まっております。こうした県民の期待にこたえるために、県立病院の皆さんが日々努力していることは承知しておりますが、医師の確保は依然として厳しい状況にあります。また、看護師を初めとする医療従事者の確保につきましても、今後地域ではますます御苦労されるのではないかと心配しています。 こうした状況を踏まえて、県は日本一の健康長寿県構想を策定して、医師の確保対策を最重点課題として取り組んでおられます。ただ、地域がその恩恵を享受できるようになるには、まだしばらくの時間が必要だと思いますんで、今のうちにあらゆる手だてを講じて、地域に優秀な医師や看護師が定着できる仕組みづくりに取り組んでいただきたいと思っています。さて、数年後には高知大学医学部の卒業生の中で、地域枠や修学資金の貸与を受けた医師が毎年30人以上の規模で卒業してまいります。彼らのうち何人の医師が県内で勤務することになるのか、奨学金の返還が免除になった後も県内にとどまってくれるのかは、医療対策上の大きな課題であります。彼らが県内のどこで勤務しても都市部に負けない医師としてのキャリア形成が可能で、かつ子供の教育や親の介護が必要な世代の医師にとっても、相応の勤務場所を選択できる環境整備が今こそ必要ではないかと思います。 そのように考えたとき、私はかねてから気になっていることがございます。それは県立病院のあり方です。県立病院は幡多と安芸で県の東西に大きく離れ、勤務する医師や看護師にとって勤務地の選択の余地がほとんどありません。以前、高知市に県立中央病院が存在していた当時と比べて、中央部に県立病院が存在しない弊害が、医師や看護師の確保にじわじわとマイナスの影響を与えているように思えてなりません。地域における医師不足の現状を思うにつけ、県立病院は高知大学医学部との協力関係を一段と強化するとともに、県が関与する高知医療センターとの間で人事交流や応援支援体制はもっともっと強固にする必要があると思います。そうした方策として、高知医療センターと県立病院の統合一元化があるのではないかと考えるところであります。そこで、何点かお伺いをいたします。 現在、医療センターから県立病院に対する医師の応援はどの程度あるのか、また救急を初めとする医療センターと県立病院間の協力・連携はどの程度行われているのか、公営企業局長に具体的にお尋ねします。 また、近年の医師不足と同様、中山間地域では看護師の確保に大変苦労しているとの話を聞きます。県立病院の看護師の確保も大変厳しくなっております。ここ10年間の看護師採用試験の志願状況と合格率の推移、そして看護師確保についてこの間どのような対策を講じてこられたのか、公営企業局長にお聞きします。 今後、中山間地域における看護師を初めとする医療従事者の確保は大きな課題と思いますが、その確保にどのような対策を講じておられるのか。また、地域において必要な医療を提供するためには、地域の中核病院の支援体制の充実が必要なことは百も承知のことと思います。そこで、医療政策上の観点から、医療センターと県立病院の間のさらなる連携の強化が必要ではないかと思いますが、医療政策を所管する健康政策部長の御所見をお聞きします。 県が関与する病院が、片や企業団立、一方は県立と違う組織で存在することは、限られた医療資源の活用上からも、組織の効率上からも、とても得策とは思えません。組織の統合は行政の流れと思っておりますが、高知医療センターと県立病院の統合の必要性について、組織管理を束ねる総務部長としての御所見をお尋ねします。あわせて、統合には独立行政法人化を初め幾つか選択肢があると思いますが、どのような方策が考えられ、どのような問題点があるのか、一般論で結構ですから御所見をお尋ねします。 これまで、中山間地域の医療の疲弊を危惧して関係部局長にお聞きしましたが、一方では広域での対応を意識した医療体制の強化が必要だと思っております。災害時の医療体制は、県の枠を超えた広域での体制が求められます。道州制を持ち出すまでもなく、四国や中四国を単位とした広域での医療の展開が必要な時代が参ります。その際には高知の医療が存在感を発揮し、中四国の医療をリードしてもらいたいと思います。そのためにも、県内の有力医療機関のグループ化がぜひとも必要であると思っております。まず足元を固めよということです。とは申しましても、組織を一つにすることは並大抵のことではないということも承知しております。 そこで、地域医療の充実のため、県立病院と医療センターの組織統合について、その是非を含めてこの問題に関して多角的に検討協議する場を立ち上げてはどうかと思いますが、そのお考えはないのか、知事にお尋ねをいたします。 次に、治安対策について警察本部長にお伺いします。最近、我が国では国民意識の低下や人間関係の希薄化に加えて、景気・雇用の低迷、格差意識の拡大、反原発感情の盛り上がりなど、不安定な政治、経済、社会等の情勢の変化が進み、それが治安にさまざまな影響を与えていると考えております。そのため、全国では駅や繁華街など人の大勢集まる場所や通学路などにおいて、社会的に弱い立場の子供や女性が被害者となる、刃物等を使用した痛ましい事件が発生したり、高齢者をねらった振り込め詐欺の被害も後を絶たないなど、予想もできない事件や事故がいつどこで発生するかもしれない不透明な時代となっているところであります。 こうした中、県下の治安状況を見てみますと、ここ数年犯罪の発生件数は減少傾向にあり、昨年は平成22年と比べると682件減少し、交通事故についても一昨年と比べると284件減少しているなど、おおむね良好に推移していると思われますが、一方殺人等の重要犯罪の増加や、交通事故の全死者数に占める高齢者の割合が過半数に達するなど、県民が不安を感じる事件や事故が発生しておりますし、東日本大震災以来、県民の南海地震に対する不安も増大をしております。県警では、一昨年、高知県治安対策プログラム2011を策定して、「犯罪の起きにくい社会をつくる」「子供・女性を犯罪から守る」「犯罪に対する検挙を徹底する」など6項目の重点目標を設定して、平成25年末までに達成を目指す具体的な目標を掲げ、官民協働で安全で安心して暮らせる地域社会を築くため、警察組織を挙げた取り組みを進めており、大変心強く思っているところであります。 加藤警察本部長は、昨年2月に着任され1年余りが経過したところでありますが、現下の治安情勢に対してどのような認識を持ち、県警として今後どのような治安対策を進めていかれるのか、御所見をお尋ねします。 最後に、大変申しわけないですが、庭先質問が若干ありますが、御了解願います。高校の再編についてお伺いします。急速に少子高齢化が進む中で児童生徒数も大きく減少し、高知県においてはこの10年間で80校余りの小中学校が統廃合されていると聞いております。このような児童生徒の減少は、当然のことながら高等学校教育にも大きな影響をもたらし、県教育委員会においてはこうした状況を踏まえ、また将来を見通した上で、高等学校教育の十分な教育効果を上げるために再編を進めてきております。 さて、私の地元、いの町吾北地区にも追手前高校の分校があります。その分校でも近年入学生が減少したことから再編に向けた検討がなされ、平成18年に、一定の条件がクリアされない場合には募集停止をするという内容が提示され、現在に至っております。学校は、将来の地域を担う児童生徒が集う場所であり、地域、とりわけ過疎化と少子高齢化が進む中山間地域にとりましては、一つの希望でもあります。こうした地域の方々にとりましては、学校が地域からなくなるということは大変残念な限りであり、何とかして残したいという強い思いがあることは、私も十分承知しております。 しかし、学校は人材育成、教育の場でございます。将来を担う児童生徒に高等学校教育として十分な教育環境を提供した上で、進学であれ就職であれ、将来に向かって育てていく必要があります。今後も児童生徒の減少は続くと見込まれておりますが、残念ながら地域に児童生徒がいなくなれば、当然学校は存続できないという現実もあります。これまでも執行部も県議会としても、高等学校の再編に関しては教育的視点と地域振興の双方からさまざまな意見がある中、大所高所から、また幅広い視点から慎重に議論を重ね、結果として苦渋の決断をしてきております。また、今議会においても、高等学校の再編に関しては大勢の議員から質問がなされましたので、そこで私は今までと違った視点でお尋ねします。 今から申し上げることが現実的か非現実的か、また好ましいか好ましくないかは別として、高等学校というものが地域や地域の方々の生活と密接に関係するもんであるならば、地方分権が進みつつある現在、地域に身近な市町村が高等学校を設置する、いわゆる市町村立の高等学校の設置ということが法的に可能なものなのかどうか、教育長にお尋ねをします。 もう後味よくしておりますので、これで終わります。最後になりましたが、3月をもって、これは西森議員も言いましたが、退職される県庁の皆さんに対しまして、長く県政に御貢献いただいたことを感謝申し上げたいと思います。この議場にも私どもといろいろ県政課題を議論し、県勢の発展に御貢献いただいた森部危機管理部長、片岡交通運輸政策担当理事、中島監査委員事務局長がおられます。そして、私の後ろに鎮座しております鍵山議会事務局長も退職されるということでございます。退職される皆さんの第2の人生ですが、西森議員は悠々自適をしてくれというような話をしましたが、私は今一番必要なのは経験にまさる英知はなしということで、何といいましても経験を積まれた皆さん方の第2の人生、これはもう生涯現役でおってほしいと、こう思っております。皆さん方の第2の人生がますます充実した、そして活躍されますことを祈念して、私の一切の質問を終わります。ぜひ執行部には丁寧な御答弁をお願いし、再登壇はしません。ありがとうございました。(拍手)   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 西岡議員の御質問にお答えをいたします。 まず、第1期の産業振興計画の総括と、策定、実行の評価の点数、その理由についてお尋ねがございました。まず、総括についてでございます。実を結んだこと、これから実を結ぼうとしていること、また実を結ばなかったことなど、具体的にどう総括しているかというお尋ねでございますが、まず実を結んだこととして申し上げさせていただきますれば、一言で言えば人口減少、高齢化が進み縮んでいく経済、この問題について立ち向かっていくための地産外商を進めていくためのさまざまな仕組みが整ってきたと、そして動き出したということ、これがまず第一にあると、そのように考えております。外商の側面では、地産外商公社が動き出しております。そしてまた、地産の取り組みにつきましても、ものづくり地産地消センターを初めといたしました一連の取り組みが動き出したところでございます。 そして、実を結んだことをより具体的に申し上げさせていただきますが、一言で言えば一部に一定成果が見えてきたということではないかと、そのように思っています。実を結ばなかったこととして言わせていただきますれば、まだまだ一部に成果は出たといえ、その成果は一部にとどまっておりまして、県勢全体を押し上げるに至るものではございません。そういう意味においてはまだまだ実を結んでいない、これから実を結ぼうとしていること、これが多数あると、そのように考えております。この間、まず地産外商の点から申し上げさせていただきますれば、外商の点、首都圏での外商拠点である地産外商公社の立ち上げを初めといたしまして、手探り、試行錯誤しながらの挑戦でございましたけれども、外商の件数が大きく伸びますとともに、マスコミ戦略によりまして県産品の首都圏での露出が格段にふえてまいりました。反響も大きく、注目を集めるにつれ県内の事業者の皆様方に一定頼っていただける存在になってきたのではないかと思っております。 地産の部分、ものづくりの地産地消の取り組みでございますけれども、懸案でありましたこのものづくり、地産外商の地産の部分を強化する手だてにつきまして、2年目、3年目でようやく講ずることができました。全国でもトップクラスの企業誘致の制度とともに、地場の企業が将来にわたって拡大するためのサポートの仕組み、ものづくり地産地消を初めといたしましたこういう仕組みを構えることができました。第1次産業の足腰を強める取り組みとあわせまして、第2次産業の分野でも一定攻めの展開ができる仕組みができたのではないかと考えているところでございます。この地産の部分について、まず素材の1次産業、この足腰の強化という点について言えば、何といいましても農業部門、林業部門、水産業部門、一定新規就業される方がふえてくるようになったということ自体、非常にありがたいことだと、そのように思っておるところでございます。今後、まだまだその付加価値をつけて売っていく、その流通面も含めまして新しい取り組みを追加していかなければなりません。 ただ、中でも林業につきましては、おおとよ製材、大型製材工場の来年5月の操業開始に向けて取り組みが進んだということで、一定先々に懸念はありつつも夢を持って取り組めるようになってきたということではないかなと、そのように思っています。付加価値をつけて売っていくというその地産の部分の第2の工程ということになりますが、ものづくりの観点で食品加工など付加価値を高める取り組みも一定動き出してきたところでございます。また、地域の夢や思いを形にするアクションプランの取り組みでは、ユズやショウガ、ウルメなどの加工品の開発、販売、地域の販売拠点となる直販所の整備、さらには首都圏や海外への外商など、各地でさまざまな事業が動き出したところであります。 この間、非常に我々にとって追い風となりましたもの、言うまでもございませんが大河ドラマ龍馬伝の放映がございました。このチャンスを生かし切ることができるかどうか、そしてまたその終了後の反動減をいかに抑えるか、これがある意味非常に大きな戦略上の課題であったわけでございます。この点、本当に多くの皆様方のお力によりまして、土佐・龍馬であい博、志国高知龍馬ふるさと博、一定その成果を上げてきつつあるのではないかと思っています。 であい博につきましては、400万人観光、1,000億円産業という目標を達成することができました。また、反動減を抑えるために本当に多くの皆様の御努力によって取り組んでいるふるさと博でございますが、恐らく370万人程度の観光客が昨年おいでいただいたのではないかと考えておりまして、315万人、430万人超、そして370万人超ということであれば一定反動減を抑えられた、一定上のレベルにとどまることができたということではないかと思います。この間、室戸ジオパーク、海洋堂ホビー館という観光資源も加わってきたことも非常に力強い要素でございます。 こういう形で一定成果を上げてくることができている面もございます。ただ、市場の流れというのは非常に激しいわけでございまして、いろんな激しい変化に対応ができていく県経済をつくっていくためにも、何といっても人づくりが重要だというのは、県議会からもたびたび御指摘をいただいたことでございました。こういう点、本県産業を支える人材育成につきまして、これまでに実施してきました各産業分野の人材育成に加えまして、2年目からは実際のビジネスにも使っていただける実践的な研修、例えば「目指せ!弥太郎商人塾」とか、こういうものをスタートさせておりまして、一定評価もいただいておるところでございます。人材育成についても仕組みを整えることができ、一定動き出したということはあろうかと思います。 ただ、予定どおり進まなかったといいますか、この4年間でまだ実を結ばなかったこととして言わせていただきますれば、個々のそれぞれの取り組みとして先ほど申し上げたような形で動きは出てきておりますけれども、県勢浮揚をなし遂げていくためには、まだまだ県を挙げての広がりや浸透といった面で大きく改善をしていく余地があると思っているところでございます。後ほどお答えをいたしますが、2期目の計画づくりにこの総括、反省を生かして、新しい取り組みをいたそうとしているところでございますけれども、広がりを持たせる、そしてより大きな経済効果を持たせるという点において、さらに反省をして追加していかなければならない点が多数あると思っています。それを2期計画に生かしていきたいと、そのように思っております。 1期計画の評価点ということでございますが、結論として言わせていただきますれば、私としては70点と言わせていただきたいと、そのように思っておるところでございます。その理由ということでございますが、評点の仕方といいますか、全体を100点満点としましたときの配点を、まずこの困難な状況を抱える高知県経済、これが新たに力強く浮揚していくためになすべき仕事、これを行っていくための仕組み、この仕組みづくりがしっかりできたかどうかということについて、これを50点配点させていただいて、そして結果として成果を上げたかという点に配点を50点させていただくといたしますれば、前半のその仕組みの部分、50点満点のうちおおむねできたということで45点ぐらいいただきたいと、そのように思っております。 成果という点においては、一部に成果が見え始めたという点はありますが、他方で先ほど来申し上げておりますように広がりがないという点からいけば25点と、50点満点中25点ということではないかと思っております。45点足す25点で70点というふうに自己評価をさせていただきたいと、そのように思っています。ただ、2期目の計画ということになってまいりますれば、その仕組みというよりも、その成果の部分が非常に大きなウエートを占めてくることになろうかと思います。成果の部分が8割、9割の配点を占めるというような、今度は採点でなくてはならないと、そのように思っておるところでございまして、2期目の計画もその点を大いに意識した対応をしていきたいと、そのように考えております。 次に、第2期産業振興計画案の実行に当たっての決意についてのお尋ねがありました。1期目の総括をどのように踏まえて、どのような決意で臨むかという御質問でございます。先ほど来申し上げておりますように、第2期計画ではより広がりを持たせて経済的な効果を具体的にもたらしていく、そのようにするためには1期計画からどうステップアップすべきかという視点で、この2期計画づくりに当たったところでございます。より広がりを持たせ、経済効果をもたらすという点において、まず第1にこれまでのものづくりの地産地消、地産外商の取り組みについて、これを定着、成長、発展させて、より大きな動き、大きな産業を目指すということがまず第1にあります。ただ、加えて第2、第3の視点が非常に重要と考えております。 第2の視点といたしましては、新たな産業集積の形成を目指すということでございます。これ細分化しますと2点あると思っておりまして、外商を行っていきましても県内の製造業の集積が非常に小さいということがございました。付加価値を生み出す工程が県外に漏れ出してしまう、結果、外商の経済効果が県外に漏出をするということが多々起こっておるわけでございます。外商の効果を経済に波及させるためにも、県内の製造業、この力をもう一段強くしていくということが非常に重要と思っています。設備投資誘発策を含めまして、この点に力を注ぎたいというのが第2の視点の第1番目であります。第2の視点の第2番目として、新たな産業集積の形成を目指すという観点から、本県が一定アドバンテージを持っております防災産業の育成とか、さらには新エネルギー産業の育成とか、こういう分野に挑戦をしていきたい、そういうことでございます。 そして、第3の視点でございますが、より多くの方々に産業振興計画の担い手になっていただくということが、ぜひとも必要になってくると、そのように考えております。人口減少、高齢化が進んで生産年齢人口が減少している分、より多くの皆様方にこの産業振興計画に参画をしていただいて、新たなチャレンジをしていただくような体制づくりが必要と考えております。言いかえれば、中山間対策の抜本強化ということにもつながっていこうかと考えております。第3の視点として、産業振興の取り組みをより地域地域に広げていくということ、このことを第3の視点として掲げさせていただいておるところでございます。1期目の総括を踏まえまして、第2期産業振興計画では今までの取り組みをより大きな動き、より大きな産業にすることを目指すということ、第2に製造業強化など新たな産業集積の形成を目指すということ、第3に産業振興の取り組みをより地域地域に広げるということ、この3点の視点でもってバージョンアップを図りたいと、そのように考えております。 そしてもう一点、第2期産業振興計画の実行に当たって非常に重要だと考えておりますのは、御指摘にもありましたように、官民協働の体制をもっと強化していくという官民協働ということの実を上げること、そしてまたそのためにも職員一人一人に産業振興計画として何をやろうとしているか、よくよく理解していただくような取り組みを進めるということかと、これが大事だと思っております。そのためにも、今回第2期産業振興計画におきましては、4年後の目標に加えまして、10年後の姿を成功イメージとしてわかりやすくお示しすることとしたいと考えております。多くの方と共有できる成功イメージを明示することによりまして、官民協働、そしてまた職員の皆さんとの連携がうまくいくようにしていきたいと考えております。加えて、対話と実行の姿勢を強化いたしまして、対話と実行行脚の取り組みを行う、また職員の皆様とも率直な意見交換を行う、こういう取り組みを通じて官民協働の実を上げ、また職員の皆さんとの連携、チームワークを高めていきたいと、そのように考えております。 次に、地産外商公社の望ましい経営の姿を構築していくための条件整備についてお尋ねがございました。地産外商公社では、これまで3人の代表理事がそれぞれ業務の推進や組織の運営に努め、着実に成果を上げてまいりました。とりわけ今年度は、2月末までに外商活動による成約件数が1,200件を超えており、昨年度の件数444件から飛躍的に増加をいたしておりますし、積極的なメディア戦略が功を奏したこともございまして、まるごと高知の物販、飲食の売り上げも、先月の売り上げが前年度比10%以上伸びたのを初めまして、昨年の11月から4カ月連続して前年度の売り上げを上回っておるところでございます。これらは、歴代の代表理事を中心に公社の職員の皆さんが一体となってチームワークよく取り組んでいただいた成果だと、そのように考えておるところでございます。 もとより地産外商公社のミッションは、まるごと高知での販売や飲食の提供にとどまらずに、店舗をフル活用しながら外商活動を展開し、県産品の販売拡大や販路開拓を進めること、そして店頭での販売や外商活動を通じて得た情報を県内の事業者にフィードバックし、商品の磨き上げを進め、県内産業の体質強化を図ること、さらには本県の食や文化、観光情報を発信し、首都圏との人的交流を進めていくこと、この3つの機能を一体的に発揮させることであります。成果は一定出てきておりますが、県民の皆様や県内事業者の皆様の期待にこたえますためにも、今後このミッションをさらに大きく前に進めていく必要がございます。こうした公社のミッションを果たしていくためには、まず業務の運営面では県内と首都圏とのパイプを太く強く速くして、県内事業者の方々と公社が外商戦略を共有し、連携して取り組むことができる体制をつくり上げていくことが重要になると思っております。 また、組織の運営面では、職員一人一人が公社のミッションを十分理解した上で、外商、物販、飲食、プロモーション、そして商品開発といった公社の各部門がしっかり連携をする、すなわち組織が一体となることが大切であります。これらが公社が目指す経営を実現するために必要不可欠な条件だと考えております。民間に近い多様な業務を多様な人材とともにこなしている公社におきまして、代表理事には公社のミッションを常に念頭に置いて、第1に外部の民間の皆様と良好な関係を築くことができて、そして第2にすべての職員が目標を共有した上で、意欲を持ち組織が一丸となって成果を上げられるようなマネジメント力を備え、そして第3に民間やスタッフのさまざまな新しい発想を生かす柔軟性を持つ、そして以上の大前提として県内産業にも精通している職員が適材と考えまして、歴代そうした人材の配置に努めてきたところでございます。代表理事にはさらなるミッションの前進に向け、経営手腕を存分に腰を据えて発揮していただきたいと考えておるところでございます。 次に、県立病院と医療センターの組織統合に関する検討・協議の場の立ち上げについてお尋ねがありました。県立病院と医療センターとの連携を深めてまいりますことは、お話にありましたように地域医療の充実の観点からはもとより、災害時を含めた広域での対応を意識した医療体制の強化につながるものと考えております。ただ、現在県立病院では平成26年度のあき総合病院のグランドオープンを控え、新病院の本体を中心としたハード整備を初め、運営システムの構築などソフト面の整備、さらにはここが最も重要と考えておりますが、開院時の医師の確保、これらに全力を挙げて取り組んでいるところでございます。一方、医療センターは平成22年度にPFI事業を解約して直営化に移行し、業務委託事務の効率化や医療体制の充実などの中期経営改善計画に基づく取り組みによりまして、平成23年度の単年度収支の黒字化が見込まれるようになった段階でありまして、これからがまさに経営改革の正念場となっております。 このようなことから、県立病院、医療センターともに、まずはそれぞれの足元をしっかりと固めていくことが重要だと考えております。すなわち県立病院においては、あき総合病院のスムーズな開院とともに、その後の経営を早期に軌道に乗せ、病院事業全体の経営改善につなげていくこと、また医療センターでは県下全体の中核病院としての医療機能をさらに充実するとともに、経営基盤を強化して経営を安定化していくことでございます。さらに、県立病院と医療センターの組織統合には、病院企業団の構成団体であります高知市のお考えも十二分に踏まえる必要がありますので、まずは今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。 私からは以上でございます。   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇) ◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 産業振興計画の中核的な政策の目標に対する具体的な総括及び加工産業の成果と今後の展開並びに中核的な政策の反省とその生かし方に関するお尋ねがございました。関連をいたしますので、一括してお答えをさせていただきます。 まず、地産外商の推進につきましては、アンテナショップまるごと高知を拠点として地産外商公社が外商活動を着実に推進しております。外商に取り組む県内事業者も各地域に広がるとともに、先ほど知事からお答えいたしましたとおり、商談の成約件数も大幅に増加をしております。また、海外への外商につきましても、これまでの取り組みの中で新たに挑戦を始めた県内事業者も増加してきておりますし、フランスやシンガポールへのユズ果汁の輸出や、台湾における高知フェアの開催など、新たな展開も始まっております。一方で、中国本土への輸出は福島原発事故により厳しい現状が続いており、現在情報収集に努めながら今後の展開を検討している状況にあります。 お尋ねのございました加工産業の育成につきましては、外商活動の土台となりますことから、まずは食品加工の基本となります生産管理の徹底及び食品表示の適正化の支援を着実に進めてまいりました。さらに、売れる商品づくりを支援するために、生産から販売までの一貫した展開を想定した商品開発の支援や、首都圏の店舗と連携したマーケットイン型の商品開発の支援を実施しましたことで、新たな加工品開発に取り組む企業が増加するなど、本県の優位な産品を活用した商品づくりの機運が高まってきております。その結果、例えばブンタンを利用した新たな加工品の商品化などにもつながっており、こうした取り組みやさまざまな外商機会の創出を通じまして県内事業者の皆様の商品開発や磨き上げも行われています。 一方で、原材料となります県産品の量の確保など一地域のみでは解決できない課題も残されています。このため、地域を越えた原材料の確保や、活用されていない1次産品の加工原材料としての活用など、産地と加工事業者とのマッチングにも取り組んでいかなければならないと考えております。また、昨年6月に設置をいたしましたものづくり地産地消センターには、2月末現在で209件の相談が寄せられるなど、県内のものづくりのノウハウや技術を生かした製品開発の動きが活発になってきております。こうした動きをさらに加速化していくことが重要だと思いますので、来年度はセンターの体制を強化するとともに、県内の加工事業者の技術力をアピールする総合的な技術展示会の開催などに取り組んでまいりたいと考えております。 また、人材育成の取り組みにつきましては、成果があらわれるまでには時間を要するものでございますが、昨年から実施している「目指せ!弥太郎商人塾」の受講者が、県内外の商談会で販路の拡大につなげるという事例も見られますなど、成果の兆しも見え始めているところでございます。一方で、これまでは産学官の連携がまだ十分でなかった点も踏まえ、来年度からは現在作成中の産学官連携による産業人材育成プログラムを強力に進めてまいりたいと考えております。 最後に、地域アクションプランにつきましては、地域で芽生えてきたさまざまな産業振興の取り組みを形にしていくため、地域本部を中心に人的、財政的な支援策をフル活用して取り組んでまいりました。そうした中、ユズやショウガ、ウルメなどの加工品の開発や販売、地域の販売拠点となる直販所の整備、首都圏や海外への外商活動へとつながる取り組みなど、各地でさまざまな動きが出てまいりました。その結果、昨年度の数字ではございますが、トータルで約500名という雇用が生まれ、平成21年度に総合補助金で採択した25の事業の売り上げが8億8,000万円増加するなど、成果の兆しもあらわれ始めております。しかしながら、一方で事業の見直しや中止となったものも見られるなど、必ずしもすべてが順調に進んでいるわけではありませんし、動き始めた取り組みも実を結ぶまでにはまだまだ努力が必要だと思っております。これらをしっかりとした地域の産業として定着させていくことが、これからの課題であると認識しております。 また、地域をさらに元気にしていくためには、多くの民間の皆様に参画いただくことが大切ですが、この点は反省点であり、まだまだ努力の余地があると感じております。そのため、今後は動き出した取り組みを地域に根づいた産業としていくための粘り強い支援を引き続き進めてまいりますとともに、民間の皆様に積極的に参画いただける仕組みや成功事例をわかりやすくお知らせする方法などに工夫を凝らしながら、より一層地域が元気になるようお手伝いをしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、これらの施策の実現に向けてはまだまだ道半ばであると思っておりますので、第2期計画の推進に当たってはさらに気を引き締め、知恵を出し合い、あらゆる手だてを駆使しながら、職員が一丸となって取り組んでまいる決意でございます。 次に、地産外商公社のこれまでの取り組みの中で、外商の成果につながるような商品としてどのようなものが育っているのか、また取り組みの中での課題とその対策についてお尋ねがございました。まるごと高知は、首都圏において県産品がどのように評価されているのか、どのような商品が求められているかといった情報を県内事業者の皆様にフィードバックし、商品開発や磨き上げを支援する重要な機能を担っております。まるごと高知では、開業以来先月までに延べ45の事業者の85商品についてテストマーケティングを実施しており、これらの商品の中には、その後まるごと高知での売り上げ上位に入る定番商品となったものもございます。 こうしたまるごと高知という店舗の活用はもちろんのこと、外商機会の確保に精力的に努めてきたことが、県内の事業者の皆様が熱意を持って商品の磨き上げを進めてこられたことと相まって、徐々に成果に結びつきつつあると感じております。先月初めに東京で開催されましたスーパーマーケット・トレードショーでは、スーパーマーケットで買いたいフード30選の中に本県から全国最多の7商品が選ばれました。また、直後に実施をいたしました出展者へのアンケート結果では、既に239件の成約につながったということが報告をされております。一方で、地産外商に向けてさらに磨き上げが必要という意見をバイヤーなどからいただく商品もある中で、まるごと高知でのテストマーケティングの実施商品数が目標に届いていないという状況にあります。このため、県内の事業者の皆様に対しまして、商品の磨き上げのためにまるごと高知をより一層活用していただけますよう、これまでの事例もお示ししながら働きかけを強めてまいりたいと考えております。 もう一つ、まるごと高知には情報発信という重要な機能がございます。公社設立以来、テレビや雑誌などのメディアとの関係づくりに取り組んでまいりました結果、季節的にしゅんを迎える高知の産品についてメディア側から問い合わせが来るなど、高知のことはまずは公社に聞いてもらえるといった関係を構築することができました。その結果、本県の情報を多く取り上げていただけるようになっております。こうした情報発信の取り組みをこの冬に向けて地道に進めるとともに、県内事業者の方々にも商品開発を呼びかけてまいりました結果、昨今のショウガブームと相まって、高知のショウガがテレビなどで非常に多く取り上げられるようになり、まるごと高知に限りましてもショウガ関連商品の大幅な売り上げアップにつながりましたし、アイテム数もオープン直後の47から129商品へと大幅に増加をしたところでございます。 一方で、県産品の認知度にはまだまだ向上の余地があります。また、県内の事業者の皆様や関係団体と公社とが外商に向けた戦略を十分に共有できていないといった課題や反省点、これも見えてまいりましたので、今後庁内はもとより関係団体も交えた情報共有の場を定期的に設けますなど取り組みを進め、さらに効果的な外商戦略を展開してまいります。   (商工労働部長高松清之君登壇) ◎商工労働部長(高松清之君) 第1期産業振興計画の成果と実を結ばなかったことをどう総括し、またできなかったことへの反省を第2期計画にどう生かしていくのかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。 第1期計画におきまして、商工業分野ではものづくりの強化に特に重点を置き、地場企業の振興と企業立地の推進、この2つを柱に取り組んでまいりました。まず、地場企業の振興につきましては、県内企業の方々に製品づくりから販売までの地力をつけていただく取り組みを進めてまいりました。製品づくりという点では、食品、環境など成長が期待される5つの分野で研究会を設けて、県内企業の方々の新たな商品開発の企画段階から商品づくり、そして販路拡大に至るまで各段階に応じた支援を行いますことで、これまでに40件の事業化プランが動き始め、約2億円の販売実績につながっております。また、県内の1次産業分野の省力化や効率化、こういったものに貢献する機械や設備など、県内に需要のある製品をできるだけ県内で製造するものづくりの地産地消の取り組みを通じまして11件の製品が生まれ、販売実績も幾つかの製品で出てきております。 販売の拡大という点では、合計21回の県外での見本市への県ブースの設置や商談会の開催を通じて受注機会の拡大に取り組み、参加いただいた延べ332社の中で成約件数で約1,600件、金額にして約6億円の受注につなげることができました。また、こうした取り組みに加え、県内の産業団体や大学などとともに産学官連携会議を設置し、新しい産業づくりに向けた共同研究などにも取り組みを始めました。一方、県内での一貫した生産体制の構築や、企業集積を高めていくための企業立地の推進につきましては、全国トップクラスの水準に引き上げました企業立地促進事業費補助金を活用して、本年度は19件の新規立地や工場の増設を実現し、この3年間で30件という成果を上げることができ、こうした企業がフル操業時には約950人の新規雇用の創出につなげることができるようになりました。 しかしながら、こうした成果の一方で、成長分野の研究会ではプレーヤーを務めていただく企業の中に新しい事業展開を進めていくための経験が少ない企業も多く、また県職員も含め試行錯誤の中での取り組みでもあったため、生まれてきました新たな事業も現時点ではまだ規模が総じて小さいものとなっております。また、県内企業の競争力を高めていくための設備投資を促進するといった点では、計画の前半におきましてはリーマンショックに端を発する世界経済の影響などもあり、企業の方々が積極的な設備投資をちゅうちょせざるを得ない状況もありました。さらに、継続的な工業団地の開発といった点では、市町村と一体となった適地の掘り起こしが十分に進まなかったことから、企業立地をさらに推進していくための受け皿となる工業団地が不足してきているといったことなどが課題、反省点となっています。 このため、第2期の計画におきましては、こうした課題や反省点を踏まえて、新規雇用者数などの要件を思い切って緩和した設備投資に対する新たな助成制度の創設や、新たな工業団地のよりスピーディーな開発、ものづくりの進展に合わせました見本市など、販路開拓のための機会の大幅な拡充などに取り組みますとともに、今後大きな需要が見込まれる防災関連産業の振興など新たな取り組みを加えて、県内のものづくり産業を地域の経済と雇用を支える骨太の産業へと押し上げてまいりたいというふうに考えております。   (観光振興部長久保博孝君登壇) ◎観光振興部長(久保博孝君) 産業振興計画に関しまして、中核的な政策の目標に対する成果などについてどのように総括しているのか、またその反省を第2期産業振興計画にどう生かしていくのかとのお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えします。 第1期の産業振興計画の観光分野の成長戦略においては、滞在型・体験型観光の推進を戦略の柱として掲げ、400万人観光の実現と1,000億円産業への飛躍を目標に、平成22年の大河ドラマ龍馬伝の放送に合わせて土佐・龍馬であい博をリーディングプロジェクトとして位置づけ、官民一体となった取り組みを進めてまいりました。また、大河ドラマ放送翌年の反動減を抑えるため、連続して志国高知龍馬ふるさと博を開催し、JR高知駅前の新たな施設にエントランス機能と県下各地域へ誘導するハブ機能を持たせ、地域周遊の一層の促進を図ってまいりました。 このような取り組みの結果、平成22年の県外観光客入り込み数は435万人を超え、県内観光消費額も1,010億円を達成いたしました。また、日本銀行高知支店によると、その経済波及効果は当初の予想を大きく上回る535億円に上るなど、他の産業を牽引する役割も一定果たすことができたと考えております。さらに、平成23年の入り込み客数も、現在のところ370万人前後になると予想しており、少なくとも大河ドラマ放送前年の315万人を上回るという目標を達成できると考えております。この2年連続の博覧会の開催を通じ、官民協働で誘致活動やイベントなどを推進する機運や実際に多くの観光客が各地域を訪れましたことによって、市町村を初め各地域の人々の観光に対する意識が高まるとともに、ガイドつき町歩きなどの体験プログラムの旅行商品化や、室戸ジオパークなどのような全国から人を呼べる新たな観光資源が生まれるなど、これからの観光振興の基盤となるような成果があったと受けとめております。 一方、本県の観光客の動向は、大手旅行雑誌社の調査によりますと、本県を初めて訪れた観光客の割合が多かったこと、あるいは県の観光客動態調査では日帰り客が全体の4割を占めているという状況があります。このことは、大都市圏から遠距離という地理的なハンディキャップのある本県へは、わざわざ行こうとする何らかの旅行動機が必要なこと、また観光客の皆様がリピーターとなっていただける満足度の向上のための取り組み、あるいは滞在日数をふやすような魅力ある観光地づくりが今後一層重要になってくるという課題を改めて認識いたしました。こうした課題を踏まえ、第2期産業振興計画の新観光戦略の推進に当たりましては、これまでの博覧会の取り組みによって得られました成果や財産を生かし、官民協働のプロモーション活動や各種イベントを引き続き強化、実施していきますとともに、全国から人が呼べる観光拠点の整備を初め、地域みずからの観光資源の磨き上げなどを促進し、魅力ある観光地づくりに向けて全力で取り組んでまいります。   (農業振興部長杉本雅敏君登壇) ◎農業振興部長(杉本雅敏君) 第1期産業振興計画の成果や反省点及び第2期産業振興計画にどのように反映するかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。 農業分野におけます実行3年間の成果につきましては、まず学び教え合う場、これを県内34品目、181カ所設置したことなどにより、産地のまとまりが形成され、出荷量が増加するといったことが上げられます。また、環境保全型農業では品目ごとの技術の構築、マニュアル化などにより、品目数の拡大や天敵導入率の向上が図られるなど、全国に誇れる本県独自の取り組みも進みました。流通・販売面では、環境保全型農業など本県の取り組みを理解していただける量販店とパートナー関係を構築し、生産から流通までのプロセスやこだわりなどを見える化する取り組みなどにより、本県の取り組みに対する消費者の認知度は8%から16.6%に向上し、販売店からも安全・安心面で優先的に購入されているといった評価を得ています。 中山間地域におけるこうち型集落営農の取り組みでは、県内に16のモデル集落が立ち上がり、園芸品の導入や協業化などに取り組んだ結果、農産物販売額は着実に伸びております。また、こうち型集落営農では2つの集落で法人組織が設立されています。さらに、担い手の確保対策では、就農相談から技術習得など各段階に応じた支援を実施することにより、新規就農者数は平成22年度が197名、23年度が234名と目標の年間170名を上回る確保につながっています。農業者と関係団体、行政が一体となって取り組んできましたこの3年間を振り返ってみますと、農業者間におけるすぐれた技術の移転やネットワークづくり、集落営農の取り組み拡大、担い手の確保・育成などに手ごたえを感じているところです。 一方で、実需者の多様なニーズに対応できる流通・販売システムが十分に構築できていないことや、こだわりを持った実需者と生産者とのマッチングの機会が少なかったことなどから、本県農産物の訴求力を消費者にしっかり伝える取り組みが、まだまだ十分ではなかったと感じています。さらに、集落営農の取り組みを県内各地に広げること、また地域農業の中核となる強い経営力を持った担い手を育てることなど、第1期計画で蓄積したノウハウや成果をもとに、さらなるレベルアップを目指して挑戦していかなければならない新たな課題も出てきています。 第2期の産業振興計画では、これらの課題を克服し、さらに飛躍していくために、まず1つ目としましては本県農産物のさらなる高付加価値化、2つ目として中山間地域の農業・農村を支える仕組みを強化、3つ目といたしましては新たな担い手の確保・育成と経営体の強化のこの3つを戦略の柱に掲げ、取り組みを強化してまいります。生産面では、学び教え合う取り組みを一層充実させ、高品質・多収量、低コスト対策などを進めてまいります。天敵等の利用技術をより多くの品目に普及させることにより、環境保全型農業のトップランナーを目指して取り組んでまいります。また、販売面では、従来の規格品以外を望まれる顧客と産地をつなぎます新たな受発注システムの構築や、多様なニーズに対応したマッチングの取り組みによります新規開拓など、産地の取り組みをしっかり伝え、有利販売につなげていく取り組みを進めてまいります。 中山間地域におきましては、集落営農の取り組みを県内全域に広げ、集落営農組織の法人化など経営の安定化に取り組んでまいります。また、集落営農や6次産業化などの取り組みを牽引できるリーダーやコーディネーターなどの人材の発掘と育成、農産物を活用いたしました商品開発や事業者とのマッチングなどにより、農業者の所得向上に結びつく拠点ビジネスづくりを進めてまいります。農業の担い手対策では、新規就農者の確保に加え、施設整備や農地の集積など規模拡大に向けた支援や、法人化への支援などにより、地域農業を支える担い手の経営力強化を進めてまいります。こうした取り組みによりまして、次世代を担う若者が参入したいと思えるような、地域で暮らしながら稼げる魅力ある本県農業にしていくために、第2期計画の農業分野の目標であります農業産出額と農業者所得の向上に向け、農業者と関係団体、行政が課題と目標を共有し、全力でこれらの取り組みを進めてまいります。 次に、農業問題についてお答えいたします。まず、県1農協構想について、本県の農協の姿をどのように分析して検討に入ったのか、またその理由についてお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。農協の組織再編につきましては、昭和63年に県内の営農エリアを大切にする視点から策定いたしました16農協構想、次に平成4年に貯金量が1,000億円あれば経営が安定するといった経営規模の視点から策定いたしました8農協構想により取り組んでまいりました。しかしながら、その後の社会経済情勢の変化によりまして組織活動の中心である正組合員の大幅な減少が将来的に避けられないこと、またこのまま組織の再編整備を行わなかった場合には、経営シミュレーションからも大幅な赤字を計上せざるを得なくなること、また組合員サービスの地域間格差の拡大が予想されることなど、従前の構想によっては解決できないような状況となっております。 こうしたことから、JAグループにおきましては、平成21年11月に開催されました第31回高知県JA大会において新たな構想を研究していくことを決定いたしました。さらに、すべての農協、連合会、県本部、中央会等の持つ人材や資金、施設等の経営資源を県下一つの組織として再編することが、将来にわたっても組合員の営農と生活に貢献し、地域農業の振興と地域社会の発展に寄与することができる最も有効な組織形態であるとの理由により、平成22年3月の農協中央会の総会におきまして県域1JA構想、いわゆる1農協構想に限って研究を進めていくことを決議したところでございます。 次に、県1農協構想の検討がどのような工程の中で行われ、現在どこまで進んでいるのかとのお尋ねがございました。1農協構想につきましては、平成22年度以降、組織や運営、営農指導、販売、購買、信用、共済などの各種事業のあり方についてJAグループを挙げて研究を重ねてまいりました。平成23年度にはその研究成果も踏まえて、それぞれの農協において組織再編の必要性に対する理解が深まるよう、組合員組織に対する説明会が開かれてきたところです。平成24年度は1農協構想案の成案化に向けた組織協議に入り、11月に開催されます第32回高知県JA大会での決議の後に、農協中央会を事務局として合併研究協議会、設立推進協議会といったそれぞれの段階に必要な実施機関を順次立ち上げていくことになります。 最後に、1農協構想の検討のスピードアップを図ることと第2期産業振興計画の実行に向けた決意についてお尋ねがございました。1農協構想の検討状況と今後の予定につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、こうしたJAグループの取り組みに対しまして、県といたしましては引き続きJA組織整備・経営改革推進本部委員会や日々の農協への指導等の場を通じまして、各段階ごとに必要な支援をしっかりと行ってまいります。また、第2期産業振興計画では、今を飛躍のチャンスととらえ、4年後の目標や10年後の目指す姿を県民の皆様にお示しし、本県農産物の高付加価値化を図ること、担い手の確保と地域の核となる農業者の規模拡大を進めることなどによりまして、農業者の所得向上と雇用の場の確保、ひいては地域で暮らし、稼げる農業の実現に向けまして全力で取り組んでまいります。 こうした取り組みを強力に進め、計画を実現していくためには、官民一体の取り組みを進めることが何よりも肝要でございます。そして、地域農業の振興と組織の体質強化に向けて、1農協構想を検討いたしますJAグループを初め関係団体や生産者の皆様と市町村、県といった行政機関が、今後も課題解決のための企画立案の段階からしっかりとコミュニケーションをとってスクラムを組み、将来に向かって着実に進んでまいりたいと考えております。   (林業振興・環境部長田村壮児君登壇) ◎林業振興・環境部長(田村壮児君) 産業振興計画の中核的な目標に対する結果の総括と目標が達成できなかった原因、理由、さらにその反省を第2期産業振興計画にどう生かすかについてお尋ねがありましたので、林業分野について一括してお答えいたします。 産業振興計画の林業分野では、豊かな森林資源を活用した所得の向上と雇用の創出を目標に、原木の生産から加工・流通、そして販売に至る、いわゆる川上から川下までの対策を一体的に進めてまいりました。その成果といたしまして、川上では森林を集約化する森の工場が目標を上回る4万3,600ヘクタール余り整備され、林業機械の導入や路網の整備が進むなど、木材を生産する基盤が整ってきておりますし、林業の担い手も増加し、平均年齢も若返ってきております。一方、木材利用や販売といった川下の分野では、戸建て住宅や公共施設に県産材の利用を促進する地産地消の取り組みとあわせて、県外の大消費地に10カ所設置しました流通拠点を通じた外商活動を開始しており、戸建て住宅の木造率や県外での木材販売実績の増加につなげております。 個々にはこうした成果を上げた取り組みもございますが、産業振興計画で目指す姿として掲げました、所得の向上や雇用の創出につなげるために原木や製材品の生産量を増加させるという林業・木材産業の最も中核的な目標については、これを達成することができておりません。製材品の生産量が伸びなかった理由は、本県の木材加工業者は総じて零細であり、消費者の求める安定した価格と品質の製品を供給する能力が不足していることに加えまして、リーマンショックなどその時々の景気の影響を受け、木材需要の大きな部分を占める建築需要そのものが減退したことなどが考えられます。また、原木生産につきましても、この加工基盤の弱さがボトルネックとなって縮小した側面が大きいものと受けとめております。 いずれにいたしましても、第1期計画の期間中にこうした課題の解決ができなかったことが最も大きな反省点でございます。しかしながら、第2期の産業振興計画の中で、来年度には大豊町に大型製材工場が整備されますし、これに合わせまして既存の県内の事業者の加工力を高める取り組みも進めることにより、川上から川下までの流れが太くスムーズになるよう努めてまいります。こうした加工基盤の強化にあわせまして、原木生産につきましても、これまでの搬出間伐を中心にした方法から皆伐もふやすことで、4年後には1.5倍まで増産することを目指しております。また、本年7月に施行されます再生可能エネルギーの固定価格買取制度などの追い風により、木質バイオマスを利用する発電事業の実現性が高まっていることもあり、第2期計画ではこうした利用での拡大と一体的に原料となる木質バイオマスの大幅な増産を進めることとしております。今後もこうした木材を余すことなく使い切る取り組みを進める中で、増加する付加価値を森林所有者の所得向上や雇用の創出につなげることができますよう、一つ一つ着実に進めてまいりたいと考えております。   (水産振興部長東好男君登壇) ◎水産振興部長(東好男君) 水産業分野における第1期産業振興計画の中核的な政策の目標に対する評価や施策でできなかった原因、また第2期計画案にその反省をどう生かしていくのかとのお尋ねに、あわせてお答えをさせていただきます。 水産業分野では、生産物の売上高を伸ばし漁業収入を増加する、漁業費用を削減する、さらに水産加工の産業化、地域資源を生かした産業づくりの4つを戦略の柱として、漁業者の所得の向上と、その家族の雇用の場を確保する取り組みを進めてまいりました。これまでの取り組みの結果、生産物の売上高を伸ばす取り組みでは、佐賀地区でカツオ一本釣り漁業のイワシの生きえを供給し始めたことで、大型カツオ船の水揚げ量が開始前に比べまして4倍以上の208トンになり地域の活性化が図られたほか、新規漁業就業者も平成21年は34名、平成22年は39名と目標である22名を上回って確保することができました。また、高知県漁協のキンメダイの買い取り販売により室戸地区で浜値が向上し、手結地区では前処理加工が行われシイラの価格が向上するなど、漁業収入に一定寄与する事例も生まれています。 水産加工では、地域の漁業特性に応じた事業化が県内7カ所で進み雇用の場が確保されたこと、さらには四万十川のスジアオノリ加工といった6次産業化の取り組みや、宗田節の新製品の開発や販路開拓など、古くからの加工業で元気を取り戻そうとする動きが見え始めました。また、漁村での滞在型・体験型観光では、積極的に取り組みを行った5地区での体験者数が15%以上、およそ1,000人増加し、交流人口を伸ばすことができました。 一方で、これまでの取り組みの中での対応が十分でなく、今後さらに成果を上げていくために見えてきた課題もございます。漁業就業者の減少と高齢化が進む中、中核的な漁業者のさらなる育成・確保が必要ですし、新規就業者の研修の受け入れ地区についても比較的初期投資が少なく、かつ漁業収入が上がりやすい釣り漁業の盛んなところに偏っているという状況がございます。魚価の向上のためには鮮度を高め、商品をより丁寧に扱う必要がありますが、生産現場から流通段階までを含めまして十分な対応ができていないこともございます。ブランド化のためのマリンエコラベルを3品目、5つの漁業種で認証を取得しましたが、制度が浸透しておらず、認知度を向上していかなくてはなりません。 漁業費用の削減では、漁業経営に占める燃油の比率が高いため、エンジンの取りかえ等、省エネ対策を一層進めていく必要がありますし、漁業者はもとより県漁協を初め各漁協においても経営を意識した対応の向上が求められています。水産加工では、工場の稼働率を上げるために、地元が不漁のときの対応など年間を通じた原魚の安定的確保が重要な課題です。第2期計画におきましては、こうした課題の解決に取り組んでいきたいと考えております。具体的には、新規漁業就業者の研修を受け入れる漁業と地区の拡大や、県内企業と連携して行う県内の主要な養殖魚であるカンパチの優良種苗の量産化技術の開発や、マグロ養殖への支援をしてまいります。 また、鮮度など品質向上の取り組みでは、拠点市場における入札方法等の改善や、主要な県外消費地市場への輸送時間を1日短縮するための新たな物流の仕組みづくりなどを行ってまいります。ブランド対策としては、マリンエコラベルを新たな品目で認証取得するとともに、消費者等の認知度の向上に取り組んでまいります。年間を通じて水産加工の原料を確保するために、漁協や産地仲買人などの協力を求め、地元以外からも調達できるよう支援をしてまいります。高知県漁協では販売子会社を設立し、買い取り販売等の強化を図り、採算性を向上させるとともに、漁協の役職員の人材育成にも中長期的に取り組むことで漁業経営の意識向上を図ってまいります。第2期計画を進めるに当たりましては、これまで以上に官民協働が必要ですので、漁業者や関係団体などの御理解のもと共有できる目標を設定し、若者が住んで稼げる元気な漁村が実現できますよう官民一体となって全力で取り組んでまいります。   (公営企業局長安岡俊作君登壇) ◎公営企業局長(安岡俊作君) 県立病院と高知医療センターとの間の医師の応援や、救急などの協力や連携の状況についてお尋ねがございました。 まず、医療センターからの医師の診療応援の状況でございますが、県立病院における診療応援のための医師の派遣は、大部分を高知大学にお願いしておりますので、現在のところ医療センターから応援をいただいている例はございませんが、昨年の4月までは安芸病院が医療センターの麻酔科の医師に、おおむね週1回応援をいただいておりました。その後、高知大学との協議が調いましたことから、現在では高知大学から医師の応援をいただいて対応しているところでございます。 続きまして、県立病院と医療センターとの間の協力・連携の状況でございます。県立病院は、県の東部と西部における地域の中核病院でございますが、対応が難しいより高度で専門性が高い医療につきましては医療センターなど主に中央部の病院にゆだねております。平成22年度の実績でございますが、安芸病院から170名、幡多けんみん病院から14名の患者さんを医療センターに紹介させていただいております。一方、逆に医療センターからは安芸病院に84名、幡多けんみん病院に58名の患者さんを紹介いただいております。また、昨年3月から運航が開始されましたドクターヘリの活用実績ですが、安芸病院から6名、幡多けんみん病院から12名が医療センターに搬送されております。このように、県立病院と医療センターとの間では、それぞれの機能や役割に応じた双方向の協力や連携が図られているものと考えております。 次に、ここ10年間の看護師採用試験の志願状況と合格率の推移及び看護師確保の対策についてお尋ねがございました。まず、看護師の採用試験の志願状況につきましては、人事委員会に確認いたしましたところ、旧中央病院の関係で平成16年度の採用試験までは100名を超える申し込みがありましたが、その後はおおむね40名から50名程度で推移をしております。また、最終合格者数を受験者数で割った合格率につきましては、平成21年度が若干低く3割となっておりますが、その他の年度はおおむね5割程度となっております。続きまして、看護師の確保対策ですが、従来29歳までとしていた受験の年齢の上限を平成14年度の試験から34歳に引き上げ、また平成22年度からは39歳に再度引き上げて試験を実施するよう人事委員会に依頼し、民間病院での経験を有する方など多様な受験者の確保に努めてきたところでございます。さらに、来年度に実施する試験からは、試験の実施時期を早めるなど試験の実施方法に柔軟性を持たせるため、公営企業局で試験を実施したいと考えておりまして、現在人事委員会と協議を進めているところでございます。   (健康政策部長入福聖一君登壇) ◎健康政策部長(入福聖一君) 中山間地域における看護師を初めとする医療従事者の確保対策と、高知医療センターと県立病院の連携の強化についてお尋ねがありました。 まず、中山間地域における医療従事者の確保につきましては、看護職員を例に申し上げますと、県内の看護職員のおよそ8割が中央医療圏に集中しており、中山間地域などでの看護職員の確保が厳しいといった声をお聞きしています。また、高知市などの県中心部以外に勤務する看護職員を確保するために実施している看護師等養成奨学金につきましては、貸与者の4割から6割程度しか郡部の医療機関に就職していない状況があります。このため、来年度はこれまでの看護職員確保の取り組みに加え、中山間地域などでの看護職員の確保に向けまして、看護業務の効率化や職場環境の改善のため医療機関にアドバイザーを派遣し、魅力のある職場をつくることや、出産等により看護業務から離れている看護職員が復職するために必要な研修の実施、奨学金貸与者に対する郡部の医療機関からの看護師募集情報の提供や、看護師等養成所での就職説明会の開催などに新たに取り組んでまいります。 次に、高知医療センターと県立病院の連携につきましては、県全体の政策医療、高度専門医療を担います高知医療センターと県東西の拠点病院である安芸病院、幡多けんみん病院とが緊密に医療連携を図ることは県全体の医療提供体制を充実する上で不可欠だと考えています。現状におきましても、周産期医療では中程度までの分娩異常の受け入れを県立病院が担い、集中治療管理が必要な重篤な症例を高知医療センターが受け入れておりますし、また災害医療では、災害拠点病院である両県立病院の医療救護活動を広域的な災害拠点病院である高知医療センターがバックアップする体制をとっておりますなど、各医療分野での連携を進めております。今後とも、高度医療や地域医療、さらには若手医師のキャリア形成などさまざまな面におきまして、本県の医療政策上の拠点である高知医療センターと県立病院のさらなる連携強化が図られますよう、公営企業局、病院企業団とともに取り組んでまいります。   (総務部長恩田馨君登壇) ◎総務部長(恩田馨君) 高知医療センターと県立病院の統合の必要性などについてお尋ねがございました。 県立病院の経営は大変厳しく、医療センターも黒字化の見通しが立ったとはいえ予断を許さない状況であり、いずれの病院とも経営の効率化、業務の高度化などが求められており、統合についても検討課題の一つではないかと考えております。その方策を一般論として申し上げますと、独立行政法人化のほか、高知県・高知市病院企業団への統合や県営化などの手法が考えられます。全国的な流れとしますれば、非公務員型の独立行政法人へ移行することによりまして、地方自治法や地方公務員法の制約を受けずに柔軟な経営が可能となり、医師確保の面などではメリットが大きいと言われておりますことから、独立行政法人へ移行する国公立病院が年々ふえてきているのは事実でございます。独法化は一つの有力な手法になり得るのではないかと考えております。 ただ、県立病院と医療センターの組織統合につきましては、先ほど知事が申し上げましたように、県立病院、医療センターともに、まずはそれぞれの足元をしっかり固めていくことが重要な時期でありますし、高知市の考えも十分に踏まえる必要がございますので、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。   (警察本部長加藤晃久君登壇) ◎警察本部長(加藤晃久君) 治安情勢に対する認識と今後の治安対策への取り組みについてお尋ねがございました。 議員御指摘のとおり、平成22年11月に策定いたしました高知県治安対策プログラム2011では、6項目の重点目標を掲げた上、業務指標として具体的な目標数値を設定して、目標年次である平成25年末までに達成を目指すこととしておりますが、昨年の刑法犯認知件数は戦後最少の8,007件に抑止することができ、プログラムの目標数値である8,500件以下を1年目で達成することができたところでございます。また、交通事故につきましても、前年と比較して発生件数、死者数、負傷者数とも減少し、特に死者数は46人で、昭和29年の県警察発足以来2番目に少ない死者数となっております。 県警察におきましては、昨年12月からことし1月にかけて高知県の治安に関する県民アンケートを実施いたしましたが、そこでは県内の治安情勢について、不安を感じない、あるいは不安を余り感じないと答えた方が約43%で、調査方法は異なるものの、平成19年度の県民世論調査における同じ質問への回答と比較して約23ポイントの上昇が見られるなど、一定の成果を上げているものと考えているところでございます。しかしながら、その一方で、殺人、強制わいせつなどの重要犯罪が増加したほか、少年の非行率や刑法犯総検挙人員に占める少年の割合は依然として全国ワーストとなっており、交通死亡事故死者数につきましては高齢者が半数以上を占めるなど、依然として厳しい状況にございます。また、南海地震への備えや発生時における諸活動の見直しなど、県民の安全と安心を確保するためには、いまだ課題が多い現状にあると認識しているところでございます。 県警察といたしましては、このような情勢を踏まえ、高知県治安対策プログラムに掲げた諸対策をより一層強力に推進してまいりたいと考えているところであり、初動警察態勢の強化により重要犯罪発生時の早期検挙に努めるほか、昨年4月に施行された高知県暴力団排除条例を活用した官民一体となった暴力団排除活動や、非行少年を生まない社会づくりなど少年非行対策の強化、さらには高齢者の交通死亡事故抑止対策などに取り組むこととしております。また、犯罪発生情報、不審者情報、防犯対策情報などをホームページや携帯電話を用いて、これまで以上にきめ細かく県民の皆様へ提供することや、防犯団体などの活動の支援により犯罪の起きにくい社会づくりに取り組むとともに、東日本大震災を受けた地震災害警備計画の見直しや、地域における防災訓練への積極的な参画などの災害対策も進めているところでございます。今後とも県民の皆様を初め関係機関、団体の御理解と御協力をいただきながら、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指して諸対策を推進してまいります。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) 市町村立の高等学校の設置が法的に可能なものなのかどうかお尋ねがございました。 市町村が高等学校を設置する場合、従前は公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律第3条により、人口がおおむね10万人以上であり、かつ高等学校を設置するのに十分な財政上の能力を有するということが定められておりました。しかし、地域の実情等に応じた特色ある高等学校の設置をより一層進める観点から、平成13年にその条項は廃止をされており、現在はすべての市町村で高等学校の設置が可能となっております。その場合、設置の基準である教諭の数、施設及び設備、校舎の面積等の条件が満たされることが必要でございます。現在の市町村立の高等学校の設置状況は、全国的に見れば市立または区立の高等学校が205校あり、町立の高等学校は北海道に15校、福岡県に2校、そして村立の高等学校は北海道に3校、奈良県に1校ございます。 ○議長(中西哲君) 以上をもって、議案に対する質疑並びに一般質問を終結いたします。--------------------------------------- △議案の付託 ○議長(中西哲君) これより議案の付託をいたします。 ただいま議題となっている第1号から第86号まで、以上86件の議案を、お手元にお配りいたしてあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   〔議案付託表 巻末359ページに掲載〕--------------------------------------- △請願の付託 ○議長(中西哲君) 御報告いたします。 請第3号「「県立高等学校再編計画」の見直しと高知県立高知追手前高等学校吾北分校存続の請願について」の請願が提出され、その請願文書表をお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 本請願は、請願文書表に記載のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。   〔請願文書表 巻末371ページに掲載〕--------------------------------------- ○議長(中西哲君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 お諮りいたします。明3日から15日までの13日間は委員会審査等のため本会議を休会し、3月16日に会議を開きたいと存じますが御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(中西哲君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 3月16日の議事日程は、議案並びに請願の審議であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後4時21分散会...